ラブラドールレトリーバーの遺伝病・かかりやすい病気と家系での備え
内容確認日 2026-09-02・うちのこ家系図 読みもの

目次
- 1結論|ラブラドールレトリーバーは、原因遺伝子がわかっている体質が関節・目・神経・筋肉にまたがる犬種
- 2股関節・肘関節|JKCリストのHD欄(34犬種)とED欄(18犬種)、両方に名前がある
- 3運動誘発性虚脱(EIC)|激しい運動の直後に起こるとされる体質
- 4中心核ミオパチー(CNM)|生後1か月ごろから筋力の弱さが現れるとされる体質
- 5進行性網膜萎縮症(prcd-PRA)|検査の普及とともに変異の頻度が下がったと報告されている型
- 6発作性睡眠(ナルコレプシー)|アニコムの好発犬種にラブラドールが載る、もうひとつの体質
- 7単一の遺伝子でわかる体質と、多因子の体質|この犬種での線引き
- 8キャリアという結果、リストの掲載、健診の指摘——3つはどれも「発症」ではない
- 9両親・兄弟の検査結果を、うちの子の観察に生かす
- 10触診・レントゲンでわかるものと、遺伝子検査でわかるもの
- 11よくある質問
- 12まとめ|原因遺伝子がわかっている体質は、家系で追える
「ボール遊びが大好きなのに、遺伝子検査のセットに『運動のあとに脱力する病気』の項目があって驚きました。うちの子も調べたほうがいいのでしょうか」——ラブラドールレトリーバーの飼い主から届く相談には、関節だけでなく、運動・目・筋肉にまつわる項目の名前が並びます。
この犬種に特有なのは、原因遺伝子までわかっている体質が、関節(股関節・肘関節)、目(prcd-PRA)、神経(EIC)、筋肉(CNM)と複数の分野にまたがっている点です。この記事では、JKC・MSD獣医マニュアル・学術データベースOMIA・アニコム損保の公開情報で確認できた事実だけを材料に、それぞれの体質を「どんな場面で語られるか」「検査で何がわかるか」の切り口で並べます。診断・治療・手術・投薬・余命・治療費には踏み込みません。犬種の成り立ちや盲導犬との関わりはラブラドールレトリーバーの性格と特徴|歴史・被毛と暮らし方にまとめています。
結論|ラブラドールレトリーバーは、原因遺伝子がわかっている体質が関節・目・神経・筋肉にまたがる犬種
要点: ラブラドールレトリーバーは、JKCの犬種リストに股関節・肘関節の両方で名前があるほか、学術データベースOMIAにprcd-PRA(目)・運動誘発性虚脱(EIC・神経)・中心核ミオパチー(CNM・筋肉)が、いずれも常染色体潜性の体質として登録されています。どれも「この犬種で報告がある」という事実であって、うちの子が発症すると決まったわけではありません。
犬種の名前がどの資料のどこに出てくるかを、資料ごとに並べると次のとおりです(いずれも確認日 2026-09-02)。
- JKC「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」——股関節形成不全症(HD)の欄と、肘関節異形成症(ED)の欄の両方
- 学術データベースOMIA——prcd-PRA(OMIA 001298)・EIC(OMIA 001466)・CNM(OMIA 001374)の犬種欄
- アニコム損保「遺伝性疾患と発症が多いおもな犬種」——進行性網膜萎縮症(PRA)と発作性睡眠(ナルコレプシー)の好発犬種
ゴールデンレトリーバーと並べて語られることの多い犬種ですが、目の型(ゴールデンはGR-PRA1/2、ラブラドールはprcd)も、神経・筋肉の項目(EIC・CNM)も、資料上は別の登録です。以下では、資料に出てくる順ではなく、飼い主が検査項目や健診で出会う順——関節、運動、筋肉、目、そして感情の高ぶり——で見ていきます。犬の遺伝病一覧|代表的な病気と犬種別の傾向で名前だけ挙げた病気の、この犬種版の各論です。
股関節・肘関節|JKCリストのHD欄(34犬種)とED欄(18犬種)、両方に名前がある
要点: JKCの「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」は、股関節形成不全症(HD)と肘関節異形成症(ED)の2つの欄に分かれていて、ラブラドール・レトリーバーはその両方に載っています。仕組み・評価制度は横断記事に譲ります。
MSD獣医マニュアルは、股関節形成不全を「大型犬における股関節の異常な発達」と定義し、成長・運動・栄養・遺伝的要因が発症に影響するとしています(確認日 2026-09-02)。JKCの「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」には、股関節形成不全症(HD)の欄に34犬種、肘関節異形成症(ED)の欄に18犬種が挙げられ、ラブラドール・レトリーバーはその両方に含まれています(確認日 2026-09-02)。両方の欄に重ねて載っているのは13犬種で、ゴールデン・レトリーバーやバーニーズ・マウンテン・ドッグなど大型犬が並びます。このリストは「発生リスクが高いと考えられている」という犬種単位の目安であって、掲載されていれば発症する、載っていなければ起こらない、という読み方をする資料ではありません。病気の仕組み・評価制度・家系での備え方は犬の股関節形成不全|好発犬種と遺伝、家系で備える考え方に、成長期の体重の増え方と関節の関係はラブラドールレトリーバーの体重推移|太りやすいとされる犬種の記録の見方に譲ります。
運動誘発性虚脱(EIC)|激しい運動の直後に起こるとされる体質
要点: 運動誘発性虚脱(EIC)は、5〜15分の激しい運動をやめてから2分以内に、後肢の脱力やふらつきが現れるとされる体質です。学術データベースOMIAには、DNM1遺伝子に関わる常染色体潜性の体質として、ラブラドール・レトリーバーの名前とともに登録されています(OMIA・確認日 2026-09-02)。
「遺伝子検査のセットに『EIC』という項目がありました。運動のあとに倒れる病気と聞いて心配です」——この犬種向けをうたう検査で、まず目に留まる項目です。
OMIA(オーストラリア・シドニー大学が運営)の記載では、EICの徴候は「5〜15分の激しい運動をやめた後、2分以内に始まる」とされ、「後肢の脱力と協調の乱れを伴うふらついた歩き方」が現れ、「発作はしばしば5〜10分続き、多くは30分後に完全に回復する」と説明されています(OMIA 001466・確認日 2026-09-02)。原因はDNM1(ダイナミン1)という遺伝子の変異で、遺伝形式は常染色体潜性——両親それぞれから1つずつ受け継いだ場合に発症しうるとされる型です。
ここに書けるのはOMIAの記載までです。運動量をどう調整するか、うちの子の様子がEICにあたるのかは、この記事では判断できません。運動のあとにいつもと違う様子が見られたら、その場面(どんな運動を何分くらい・回復までどのくらいか)を控えて、かかりつけの獣医師に伝えてください。
中心核ミオパチー(CNM)|生後1か月ごろから筋力の弱さが現れるとされる体質
要点: 中心核ミオパチー(CNM)は、OMIAの記載では生後およそ1か月から筋力低下・筋緊張の低下・進行性の筋萎縮が現れるとされる体質です。原因遺伝子はHACD1(旧称PTPLA)、遺伝形式は常染色体潜性で、ラブラドール・レトリーバーの名前とともに登録されています(OMIA・確認日 2026-09-02)。
EICと並んで検査項目に載ることの多いCNMは、筋肉そのものの体質です。OMIAには「ラブラドールの中心核ミオパチーは、生後およそ1か月から、脱力・筋緊張の低下・不全麻痺・進行性の骨格筋萎縮を示す」とあり、「臨床徴候は当初悪化していくが、およそ1歳で安定することがある」「寒い天候にさらされると徴候が強まることがある」とも記されています(OMIA 001374・確認日 2026-09-02)。
生後1か月は、子犬がまだ生まれた犬舎で母犬や兄弟と過ごしている時期です。つまりCNMは、迎えたあとに飼い主が最初に気づく体質というより、両親犬の検査結果や、同じ実家(犬舎)で生まれた兄弟犬の様子のほうが先に手がかりになりうる体質です。EIC・CNMのどちらも常染色体潜性とされるため、片方の親からだけ受け継いだキャリアの犬は多くの場合症状を示さず、症状のない両親のあいだにも原因遺伝子が隠れていることがあります。
進行性網膜萎縮症(prcd-PRA)|検査の普及とともに変異の頻度が下がったと報告されている型
要点: ラブラドールレトリーバーで知られるPRAは、PRCD遺伝子に関わる「prcd-PRA」です。OMIAには常染色体潜性の体質として登録され、犬種欄にはこの犬種のほか、ラブラドゥードルやゴールデン・レトリーバーなど多数の犬種が並びます(OMIA・確認日 2026-09-02)。
「遺伝子検査の結果票に『prcd-PRA』とあります。ラブラドールの目の病気はこれのことですか」——このような疑問にお答えします。
PRAという病気の仕組みは犬の進行性網膜萎縮症|犬種別・家系で早期発見に譲ります。ここで押さえたいのは2点です。1つめは型の名前。アニコム損保の犬種別まとめでは、進行性網膜萎縮症(PRA)の好発犬種にラブラドール・レトリーバーが挙げられており(確認日 2026-09-02)、OMIAではこの犬種を含む「Progressive rod-cone degeneration, PRCD-related」(犬種固有の呼び名として「prcd」「PRA-PRCD」)が、原因遺伝子PRCD・常染色体潜性の体質として登録されています(OMIA 001298・確認日 2026-09-02)。犬種欄にはラブラドゥードルやゴールデン・レトリーバー、トイ・プードルなど多くの犬種が並び、ラブラドールだけの型ではありません。
2つめは、検査が使われると何が変わるかの記録です。同じOMIAのページには、ラブラドール・レトリーバーを対象にした集団で、この変異(PRCD:c.5G>A)の頻度が、変異の公表前の0.078(7.8%)から公表8〜10年後には0.003(0.3%)へ下がったという報告(Lewis and Mellersh, 2019)が掲載されています(OMIA 001298・確認日 2026-09-02)。日本国内のラブラドール2集団で変異の頻度に違いがみられたという2017年の研究(Takanosu, 2017)も、同ページの文献一覧に載っています(確認日 2026-09-02)。検査会社ごとに項目の組み方は違うので、prcd-PRAが入っているかは申し込む前に項目名で確かめておくと迷いません。
発作性睡眠(ナルコレプシー)|アニコムの好発犬種にラブラドールが載る、もうひとつの体質
要点: アニコム損保の犬種別まとめでは、発作性睡眠(ナルコレプシー)の好発犬種として、ダックスフンド(ミニチュア)・ラブラドール・レトリーバー・ドーベルマン・ピンシャーの3犬種が挙げられています。名前と概要の紹介にとどめます。
アニコム損保の解説では、発作性睡眠(ナルコレプシー)は「オレキシンの受容体が変異することにより、脳脊髄中に伝達されず、脱力発作を引き起こす疾患」とされ、犬では「興奮したり喜んだりといった強い感情の変化に伴い、全身または膝や腰などの姿勢を保つ筋肉が突発的に弛緩する脱力発作(=カタプレキシー)が見られます」と説明されています。あわせて「遺伝病として原因遺伝子が特定されていますが、非遺伝性(=弧発性)のタイプもあるといわれています」ともあります(アニコム「遺伝性疾患と発症が多いおもな犬種」node/1377・確認日 2026-09-02)。
EICが「運動のあと」に語られる体質なら、こちらは「感情が高ぶったとき」に語られる体質で、場面が違います。この記事では両者の見分け方には踏み込みません。気になる場面があれば、その状況を控えて獣医師に相談してください。
単一の遺伝子でわかる体質と、多因子の体質|この犬種での線引き
要点: prcd-PRA(PRCD)・EIC(DNM1)・CNM(HACD1)は、原因遺伝子が1つに特定され、遺伝子検査で「持っているか」を直接調べられる体質です。股関節・肘関節の形成不全は、成長・運動・栄養と遺伝が重なる多因子の体質で、検査で白黒がつくものではありません。
この犬種の検査項目を眺めると、同じ「遺伝性」という言葉でも2種類あることがわかります。1つは、PRCD・DNM1・HACD1のように原因遺伝子が1つに絞られていて、遺伝子検査の結果がクリア/キャリア/アフェクテッドの3通りで返ってくる体質。もう1つは、MSD獣医マニュアルが「過度な成長、運動、栄養、そして遺伝的要因」を挙げる股関節形成不全のように、複数の要因が重なる多因子の体質です(確認日 2026-09-02)。
前者は、両親犬の検査結果が、子が受け継ぎうる範囲をそのまま教えてくれます。後者は、両親のレントゲン評価や健診の指摘が「参考になる情報」ではあっても、子の状態を決めるものではありません。この線引きを知っておくと、検査結果の紙と健診の指摘を、同じ重さで受け止めなくてよいことがわかります。
キャリアという結果、リストの掲載、健診の指摘——3つはどれも「発症」ではない
要点: 遺伝子検査で「キャリア」と返ってきても、JKCリストの犬種だと言われても、健診で関節のことをひと言指摘されても、その日から病気が始まるという知らせではありません。それぞれ意味の違う情報として、分けて受け止めるところから始まります。
prcd-PRA・EIC・CNMはいずれも常染色体潜性の体質で、原因遺伝子を1つだけ持つキャリアは多くの場合発症しないとされています。JKCのリストは犬種単位の「発生リスクが高いと考えられている」という目安で、うちの子1頭の状態を示すものではありません。健診での関節の指摘も、何をいつ確かめるかは、獣医師がその子の年齢・体格・様子を見て個別に判断する事柄です。
うちの子に当てはめてどう考えるかは、この記事では決められません。決められないからこそ、3つの情報を「いつ・誰が・何と言ったか」まで含めて残しておくことが、次の健診で獣医師に相談するときの土台になります。
両親・兄弟の検査結果を、うちの子の観察に生かす
要点: 常染色体潜性の体質では、症状のない両親・兄弟の中に原因遺伝子が隠れていることがあります。この犬種の場合、prcd-PRA・EIC・CNMの3項目の結果と、股関節・肘関節の健診の指摘を、血縁ごとに並べておくと、うちの子をどの角度から見守るかが絞れます。
たとえば、両親犬の検査結果に「EIC キャリア」とあれば、うちの子が原因遺伝子を受け継いでいる可能性は否定できず、激しい運動のあとの様子は気にかけて見る材料になります。逆に両親がともに「クリア」なら、その項目については両親経由で受け継いでいる可能性は低いと考えられます。こうした判断の材料は、両親犬・兄弟犬の情報がそろって初めて使えるものです。
うちのこ家系図には、prcd-PRA・EIC・CNMの検査結果と、股関節・肘関節の健診でのひと言を、両親犬・兄弟犬の分まで並べて残しておけます。同じ実家(犬舎)で生まれた兄弟犬が登録されたときには、その子の検査結果もうちの子を見守る材料になります。原因遺伝子がわかっている体質が多い犬種ほど、血縁の記録がつながったときの価値は大きくなります。
触診・レントゲンでわかるものと、遺伝子検査でわかるもの
要点: 股関節・肘関節の状態は健診の触診やレントゲンで見つかることが多く、prcd-PRA・EIC・CNMは遺伝子検査で原因遺伝子の有無を直接調べられます。どちらを・いつ受けるかは、獣医師と相談して決める事柄です。
検査の入口は2つに分かれます。関節は健診の場で獣医師の触診やレントゲンから気づかれることが多い体質です。prcd-PRA・EIC・CNMは、遺伝子検査でクリア/キャリア/アフェクテッドのいずれかがわかる項目で、検査会社ごとに項目の組み方が違うため、3つが入っているかは申し込む前に項目名で照らし合わせておくと迷いません。検査の種類と限界は犬の遺伝子検査ガイド|種類・費用・何がわかるかで、先天性・遺伝性疾患の保険約款上の扱いはペット保険と先天性疾患・遺伝性疾患|約款の見方で、それぞれ整理しています。受けるかどうかと時期は、うちの子の年齢・繁殖予定の有無・両親の結果を材料に、かかりつけの獣医師と決めてください。
よくある質問
Q. ラブラドールを迎えました。股関節の病気が多いと聞きますが、両親の検査結果を確認しておくべきものなのでしょうか?
JKCの「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」では、ラブラドール・レトリーバーは股関節形成不全症(HD)と肘関節異形成症(ED)の両方の欄に載っています。ただし股関節形成不全は多因子の体質で、両親の評価結果は「参考情報」であって子の状態を決めるものではありません。評価制度の仕組みと、親・兄弟の評価を家系の記録として残す考え方は犬の股関節形成不全|好発犬種と遺伝、家系で備える考え方にまとめています。
Q. 遺伝子検査のセットに『EIC』『CNM』という項目がありました。ラブラドールに特有の病気なのですか?
学術データベースOMIAでは、EIC(DNM1遺伝子)・CNM(HACD1遺伝子)のどちらも、ラブラドール・レトリーバーの名前とともに常染色体潜性の体質として登録されています。この記事で確認したのは、OMIAの犬種欄にラブラドール・レトリーバーがあることまでで、ほかの犬種での報告の有無には触れていません。この犬種向けとして案内される検査セットに含まれることがある2項目です。
Q. ゴールデンレトリーバーとの違いはありますか?
同じレトリーバーでも、目の型が違います。ゴールデンレトリーバーで報告されているのは犬種固有の「GR-PRA1」「GR-PRA2」、ラブラドールで知られるのは多犬種にまたがる「prcd-PRA」です。EIC・CNMは、ゴールデンの記事では扱っていない項目です。詳しくはゴールデンレトリーバーの遺伝病・かかりやすい病気と家系での備えをご覧ください。
Q. 両親がどちらも「キャリア」だと言われました。うちの子の検査は、どの項目を選べばいいですか?
まず、両親の結果票に書かれている項目名(prcd-PRA・EIC・CNMなど)をそのまま控えておいてください。常染色体潜性の仕組み上、両親がともに同じ項目のキャリアであれば、子が原因遺伝子を2つとも受け継ぐ組み合わせがありえます。検査会社によって項目の名称や組み合わせが違うため、同じ名前の項目が入っているかを項目表で照らし合わせたうえで、受けるかどうかと時期はかかりつけの獣医師と相談して決めてください。
まとめ|原因遺伝子がわかっている体質は、家系で追える
- JKCの犬種リストでは、HD欄34犬種・ED欄18犬種の両方にラブラドール・レトリーバーの名前がある
- EIC(DNM1)は激しい運動の直後、CNM(HACD1)は生後1か月ごろから徴候が現れるとされ、どちらもOMIAに常染色体潜性で登録されている
- 目のPRAは多犬種にまたがるprcd-PRA(PRCD)で、この犬種では検査の普及後に変異の頻度が下がったという報告がOMIAに載っている
- 発作性睡眠(ナルコレプシー)は、アニコムの好発犬種にラブラドールが挙がる、感情の高ぶりに伴うとされる体質
- キャリアという結果・リストの掲載・健診の指摘は、それぞれ別の情報で、どれも「発症」ではない
- 3項目の検査結果と関節の健診の指摘を、両親犬・兄弟犬の分まで並べておくことが、この犬種に合った見守り方になる
ラブラドールレトリーバーは、prcd-PRAの変異の頻度が検査の普及とともに下がったという記録が残っている犬種です。それは、1頭ずつの検査結果が積み重なって初めて見えた変化でもあります。うちの子と両親・兄弟の記録も、その続きになります。
本記事は参考情報です。この記事は病気の診断・治療方針を示すものではありません。関節・目・神経・筋肉の状態や治療の要否については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。 記事中のデータは2026年9月2日時点で各公式資料・学術データベースを確認したものです。
出典・参考
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」 (確認日 2026-09-02) https://www.jkc.or.jp/forms/typelist/
- MSD Veterinary Manual(Merck Veterinary Manual)"Hip Dysplasia" (確認日 2026-09-02) https://www.merckvetmanual.com/dog-owners/bone-joint-and-muscle-disorders-of-dogs/hip-dysplasia
- アニコム損害保険「みんなのどうぶつ病気大百科 遺伝性疾患と発症が多いおもな犬種」 (確認日 2026-09-02) https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1377
- OMIA(University of Sydney)"Exercise-induced collapse in Canis lupus familiaris (dog)" (確認日 2026-09-02) https://omia.org/OMIA001466/9615/
- OMIA(University of Sydney)"Centronuclear myopathy, HACD1-related in Canis lupus familiaris (dog)" (確認日 2026-09-02) https://omia.org/OMIA001374/9615/
- OMIA(University of Sydney)"Progressive rod-cone degeneration, PRCD-related in Canis lupus familiaris (dog)" (確認日 2026-09-02) https://omia.org/OMIA001298/9615/
この記事について
内容確認日: 2026-09-02(この日時点の一次情報にもとづいています)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
つづけて読む
ラブラドールレトリーバーの性格と特徴|歴史・被毛と暮らし方
ラブラドール・レトリーバーはどんな犬か。ニューファンドランド沿岸で発祥したとされる成り立ち、盲導犬としても知られる従順な性格の傾向、短毛ダブルコートのお手入れ、大型犬ならではの成長期の長さまで一次情報をもとに解説。健康面の詳しい話は今後、専用記事で紹介予定です。
よむ犬種と健康犬の股関節形成不全|好発犬種と遺伝、家系で備える考え方
犬の股関節形成不全とは、なぜ「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」があるのか、そして股関節の評価制度とは何か。MSD獣医マニュアル・JKCをもとに、病気の基礎知識と、親・兄弟の評価結果を家系の記録として残す考え方を整理しました。治療の是非には踏み込みません。
よむ犬種と健康犬の進行性網膜萎縮症|犬種別・家系で早期発見
犬の進行性網膜萎縮症(PRA)の基礎知識と犬種別リスクを一次情報をもとに解説。遺伝の仕組みや「キャリア」という考え方、見えにくさと暮らす工夫、遺伝子検査でわかることまで。両親犬・兄弟犬の情報を家系図に残す備え方も紹介します。
よむ