犬種と健康 更新
犬の遺伝子検査でわかることは?種類・費用とクリア・キャリアの読み方
公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

目次
犬の遺伝子検査でわかるのは、調べた項目の遺伝子の型です。体の具合の診断ではありません。編集部が確かめた国内3社の1項目の料金は、4,950〜10,700円でした(2026-10-25 確認・変わることがあります)。
検査の種類、費用の表、クリア・キャリアの結果の読み方を、順に並べます。
犬の遺伝子検査で何がわかる?何がわからない?
うちのこ家系図 編集部が、国内で申し込める3社と米国の大学の検査機関1つの公開ページを開いて確かめました。1項目の料金は、国内3社が4,950円〜10,700円(ページの表示のまま・確認日 2026-10-25)、米国の大学の検査機関が$58(確認日 2026-10-24)です。料金は変わることがあります。各機関の料金は、費用と流れの目安の表に並べています。
遺伝子検査でわかるのは、調べた項目の遺伝子の型です。
たとえば目の病気(PRA)の検査には、PRCDという型を調べるものがあります。結果は、その型のPRAについて言えることだと説明されています(UC Davis 獣医遺伝学研究所・UC Davis VGL)。
調べていない病気や、遺伝子以外の原因は、この検査ではわかりません。
遺伝子を体の設計図にたとえると、検査は、設計図の決まったページだけを読む作業です。
検査の種類|遺伝病・毛色などの特徴・親子判定
検査には、遺伝の病気の型を調べるもの、毛色などの特徴を調べるもの、親子の関係を確かめるものがあります。大学の検査機関の一覧にも、この3つが並んでいます(UC Davis VGL)。
- 遺伝の病気の型:目の病気のPRAや、柴犬のGM1という病気の検査が並んでいます
- 毛色などの特徴:毛色のもようの検査が並んでいます
- 親子の確認:DNAの型を比べて、親子の関係を確かめる検査が並んでいます
犬種を調べる犬種鑑定は、病気の検査とは別の検査です。ミックス犬の犬種鑑定は、ミックス犬のDNA検査にまとめています。
血統書(血統証明書)は、JKCに血統登録された父母犬から生まれた子犬に発行されます。人間にたとえると「出生届」にあたる記録です(JKC)。
JKCのDNA登録で集めたデータは、登録犬を見分ける(個体識別)ことを目的に管理されます(JKC)。病気の遺伝子を調べる検査とは、目的が違います。くわしくはJKCのDNA登録とはにあります。
参考:UC Davis VGL(検査一覧)、JKC(血統証明書)
結果の読み方|クリア・キャリア・アフェクテッド
両親から1つずつ受け継ぐと発症する型(常染色体潜性遺伝)の病気では、結果はふつう3つに分かれます。

結果の書き方は、検査機関で少し違います。見本の③には、変化を持たない「ノーマル」、1つ持つ「キャリア」、2つ持つ「アフェクテッド」が並びます。変化を持たない結果を、「クリア(ノーマル)」と書く機関もあります。
両親から1冊ずつもらった2冊の本にたとえると、変化のあるページを含む本が0冊・1冊・2冊のどれかで、結果が分かれます。
たとえばPRAのうちPRCDという型の検査では、結果は次のように説明されています。Nはノーマル(変化なし)、PRCDは変化のある型の記号です(UC Davis VGL)。
- 変化を持たない型(N/N):この型のPRAにはなりません(UC Davis VGL)
- 1つ持つ型(N/PRCD):この型のPRAを発症しないと考えられる、キャリア(保因)です(UC Davis VGL)
- 2つ持つ型(PRCD/PRCD):この型のPRAを発症すると考えられます(UC Davis VGL)
親から子へのこの変化の伝わり方は、犬の遺伝のしくみ入門にまとめています。
キャリア・アフェクテッドと出たら
キャリア(1つ持つ)は、その型では発症しないと考えられています。アフェクテッド(2つ持つ)は発症すると考えられています(UC Davis VGL)。
ただ、PRCD型では、2つ持っていても、10〜13歳で症状の無い犬が例外的に見つかっています(UC Davis VGL)。
結果は、その型についてだけです。同じ病気のほかの型は、わかりません(UC Davis VGL)。
キャリアやアフェクテッドと出たら、結果の紙を持って、かかりつけの獣医師に相談します。体の具合の診断は、獣医師が行います。
参考:UC Davis VGL(PRA-prcd)、Orivet Japan(よくある質問)
費用と流れの目安
検査は、口の中の細胞を採って検査機関に送り、結果を待つ流れです。

細胞は、頬の内側と歯ぐきをブラシでこすって採ります(UC Davis VGL)。
検査機関が公表している料金と、結果までの日数を、表にまとめました。
検査機関が公表している犬の遺伝子検査の料金と申し込みの道(4機関・確認日は表のとおり)
| 検査機関(国内は五十音順、海外は最後) | 申し込みの道 | 公表されている料金(ページの表示のまま・1頭1項目) | 税の表示 | 結果まで | 子犬の受付 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| アモマグ・福岡の会社(検査は国内のラボ) | 一般向けの頁から申し込み、キットが届く。口の中を自分で採って返送 | 1項目 5,500円 | 税込 | 検体到着後5営業日以内 | ページに記載なし | 2026-10-25 |
| Orivet Japan・国内の窓口(検査は米国のラボ) | 無料のスワブを注文し、口の中を自分で採って返送 | 単検査(1検査)¥10,700/ 頭(セット検査は¥21,400/ 頭)。サンプルを検査会社へ送る費用は別 | ページに記載なし | 返送から通常4〜7週間程度 | 生後1日目から | 2026-10-25 |
| VEQTA・国内のラボ(福岡) | オンラインストアで申し込み、キットが届く。口の中を自分で採る。難しければ動物病院で採ってもらう(血液でも可) | 1項目 4,950円 | 税込 | 検体到着後6営業日以内(よくある質問の頁には「7~10営業日程度」とある) | 年齢の指定なし。授乳中は控え、少なくとも離乳後に | 2026-10-25 |
| UC Davis VGL・米国の大学の検査機関 | ブラシが郵送で届く。頬と歯ぐきをこすって返送 | $58(PRAのPRCD型の頁の1頭1項目の値) | ページに記載なし | 15営業日以上 | 生後3週以上を勧める | 2026-10-24(10-25は頁を開けなかった) |
出典:アモマグ(一般向け 遺伝子検査注文)、Orivet Japan(料金一覧・よくある質問・検査の流れ)、VEQTA(検査料金・犬の遺伝子検査・よくあるご質問)、UC Davis VGL(PRA-prcd)
うちのこ家系図 編集部が、各機関の公開ページを 1 つずつ開いて書き写した表です(確認日は右の列)。各機関が公表している料金で、変わることがあります。税込と書いているのはアモマグとVEQTAで、Orivet JapanとUC Davis VGLのページには税の扱いが書かれていません。
国内の3つの検査機関が公表している1項目の料金は、4,950円〜10,700円です(ページの表示のまま・2026-10-25)。米国の大学の検査機関は$58です(確認日 2026-10-24)。
表のうち米国の大学の検査機関の金額は、PRAのPRCD型の頁に載っている1頭1項目の値です(UC Davis VGL)。
子犬の受付は機関で違い、生後すぐから受け付ける機関も、3週以上を勧める機関もあります。
参考:アモマグ(一般向け 遺伝子検査注文)、Orivet Japan(料金・検査の流れ・よくある質問)、VEQTA(検査料金)、UC Davis VGL(PRA-prcd)
受ける前に知っておくこと|いつ・どこで・犬種ごとの項目
結果は調べた遺伝子についてだけで、気になる症状がある時の診断は獣医師が行います。
結果を見て体のことが気になる時は、結果の紙を持ってかかりつけの獣医師に相談します。
いつ受けるか
目の病気のPRAでは、多くの犬種で、症状が出る前に、遺伝子を2つ持つ犬と1つ持つ犬(キャリア)を見分ける遺伝子検査があります(Merck獣医マニュアル・Merck)。
検査を受け付ける時期は、機関で違います。生後1日目から受け付ける機関も、生後3週以上や、授乳が終わった後を勧める機関もあります。受ける時期に迷ったら、かかりつけの獣医師に相談できます。
どこで受けるか
キットを家に送ってもらい、口の中を自分でこすって送り返す方法が多くあります。
動物病院で口の中や血液を採ってもらい、検査機関に送る方法を案内している機関もあります。料金は、動物病院で確かめます。
犬種ごとの主な検査項目
検査機関が犬種ごとに案内している項目の例を、犬種の記事とあわせて並べます。左の列は国内の検査機関(VEQTA)の犬種別の一覧、右の列はほかの機関の例です。
| 犬種(記事) | 国内の検査機関の犬種別の一覧にある病気の項目(VEQTA) | ほかの機関の一覧で、その犬種名が付いた項目や検査の対象の例(VGL・Orivet) |
|---|---|---|
| トイ・プードルの遺伝病の記事 | 変性性脊髄症(DM)、進行性網膜萎縮症(prcd)、遅発性運動失調症、フォンヴィレブランド病 type1 | VGL:PRAのprcd型の検査の対象にプードル(トイを含む)、トイ・プードルのGM2ガングリオシドーシス(サンドホフ病)。Orivet:ガングリオシドーシスGM2(プードル系) |
| 柴犬の遺伝病の記事 | GM1ガングリオシドーシス、緑内障 | VGL:柴犬のGM1ガングリオシドーシス。Orivet:GM1・GM2(柴犬系) |
| ミニチュア・シュナウザーの遺伝病の記事 | 先天性筋強直症、第Ⅶ因子欠乏症、変性性脊髄症、進行性網膜萎縮症、高尿酸尿症 | Orivet:進行性網膜委縮症(タイプA PRA)(ミニチュアシュナウザー系)など |
| マルチーズの遺伝病の記事 | グリコーゲン蓄積症、進行性網膜萎縮症(prcd)、高尿酸尿症、変性性脊髄症 | Orivet:糖原病/グリコーゲン貯蔵症/グリコーゲン蓄積症(IA型)(マルチーズ系) |
| ヨークシャー・テリアの遺伝病の記事 | 進行性網膜萎縮症(prcd)、フォンヴィレブランド病 type1 | VGL:PRAのprcd型の検査の対象にヨークシャー・テリア。Orivet:L2ヒドロキシグルタル酸尿症(ヨークシャーテリア系) |
| フレンチ・ブルドッグの遺伝病の記事 | 高尿酸尿症、進行性網膜萎縮症(CORD1)、変性性脊髄症 | VGL:PRAのrcd4型の検査の対象にフレンチ・ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグのヘルスパネル1。Orivet:嚥下困難/嚥下障害(フレンチブルドッグ) |
| チワワの遺伝病の記事 | セロイドリポフスチン症(CLN7)、進行性網膜萎縮症(prcd)、フォンヴィレブランド病 type1、変性性脊髄症 | VGL:PRAのprcd型の検査の対象にチワワ |
| ダックスフンドに多い椎間板ヘルニアの記事(ミニチュア・ダックスフンド) | 進行性網膜萎縮症(CORD1)、セロイドリポフスチン症(PPT1)、骨形成不全症 | VGL:ダックスフンドの骨形成不全症、PRAのrcd4型の検査の対象にダックスフンド。Orivet:骨形成不全症 SERPINH1(ダックスフンド系) |
| ポメラニアンの遺伝病の記事 | 高尿酸尿症、進行性網膜萎縮症(prcd)、フォンヴィレブランド病 type1、変性性脊髄症 | VGL:PRAのprcd型の検査の対象にポメラニアン。Orivet:先天性メトヘモグロビン血症(プードルおよびポメラニアンタイプ) |
出典:VEQTA(犬の遺伝子検査)、UC Davis VGL(検査一覧・PRA-prcd・PRA-rcd4)、Orivet Japan(犬のDNA検査)
検査機関が、その犬種で受け付けている項目の一覧です。その犬種がなりやすい病気の順ではなく、ここに無い病気にならないという意味でもありません。機関によって項目は違い、変わることがあります(確認日 2026-10-25。VGLは2026-10-24)。
検査の対象になっていることと、その犬種にその病気の報告があることは、別のことです。
ほかの犬種や病気の全体は、犬の遺伝病を一覧にした記事にまとめています。
参考:VEQTA(犬の遺伝子検査)、Orivet Japan(犬のDNA検査)、UC Davis VGL(検査一覧)、UC Davis VGL(rcd4型)
よくある質問
Q. 犬の遺伝子検査は、何歳から受けられますか?
機関で違います。生後1日目から受け付ける機関も、生後3週以上や離乳の後を勧める機関もあります(各機関の案内)。
Q. 遺伝子検査の結果は、何日で届きますか?
機関で違います。検体が届いてから5〜6営業日以内とする機関から、返送から4〜7週間程度の機関まであります(各機関の案内)。
Q. クリア(ノーマル)なら、一生その病気になりませんか?
PRAのPRCD型の検査では、ノーマルならその型のPRAにはならないと説明されています。同じ病気のほかの型は、わかりません(UC Davis VGL)。
Q. 遺伝子検査は、動物病院でも受けられますか?
家でキットを使う方法のほか、動物病院で口の中や血液を採ってもらい、検査機関に送る方法を案内している機関もあります(VEQTA)。
遺伝子検査でわかるのは遺伝子の型まで。結果を家系の記録に残そう
遺伝子検査でわかるのは、調べた遺伝子の型までです。結果は、診断ではなく、うちの子の記録のひとつになります。
血統書をスマホで撮ると、親や兄弟の名前を家系図に残せます。検査の結果はメモとして残せます(うちのこ家系図)。
結果のレポートは、日付といっしょにしまっておきましょう。無料の会員登録をしておくと、兄弟かもしれない子や同じ実家の子があとから登録された時に、お知らせが届きます。
体重は、写真と一緒に 1 回で記録

画面はイメージです(架空の子の見本)。
出典・参考
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「血統証明書について」 (血統証明書とは・※3 DNA登録番号・確認日 2026-10-24) https://www.jkc.or.jp/pedigrees/
- UC Davis Veterinary Genetics Laboratory「Find Tests」(Dog) (確認日 2026-10-24) https://vgl.ucdavis.edu/dna-tests/dog
- UC Davis Veterinary Genetics Laboratory「Progressive Rod-Cone Degeneration (PRA-prcd)」 (Explanation of Results・Turnaround Time・Price・Sample Collection・確認日 2026-10-24) https://vgl.ucdavis.edu/test/pra-prcd
- Orivet Japan「検査料金一覧」 (料金の行のみ・確認日 2026-10-25) https://orivet.jp/pages/fee
- Orivet Japan「よくある質問」 ・「検査の流れ」 https://orivet.jp/pages/flow (日数・受付の条件・申し込みの流れ・結果の表記の語のみ・確認日 2026-10-25。検査の流れは 2026-10-24) https://orivet.jp/pages/faq
- 株式会社VEQTA「検査料金」 ・「犬の遺伝子検査」 https://www.veqta.jp/service/dog-test/ ・「よくあるご質問」 https://www.veqta.jp/faq (料金・日数・受付の条件・犬種別検査項目リストのみ・確認日 2026-10-25) https://www.veqta.jp/kensaprice/
- アモマグ株式会社「一般向け 遺伝子検査注文」 (料金・日数・申し込みの流れのみ・確認日 2026-10-25) https://amomag.com/genemetry-order-2/
- Orivet Japan「犬のDNA検査」 (申し込み欄の項目名のみ・確認日 2026-10-25) https://orivet.jp/pages/dna-test-dog
- UC Davis Veterinary Genetics Laboratory「Progressive Retinal Atrophy rcd4 (rcd4-PRA)」 (Breeds appropriate for testing・確認日 2026-10-24) https://vgl.ucdavis.edu/test/progressive-retinal-atrophy-rcd4-pra
- Merck Veterinary Manual「Disorders of the Retina, Choroid, and Optic Disk (Ocular Fundus) in Dogs」(Sept 2024) (確認日 2026-10-24) https://www.merckvetmanual.com/dog-owners/eye-disorders-of-dogs/disorders-of-the-retina-choroid-and-optic-disk-ocular-fundus-in-dogs
この記事について
内容確認日: 2026-10-25。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。
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この記事を書いた人
うちのこ家系図 編集部
編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。
- 血統書・犬猫の健康・暮らしの手続きを、公的機関や登録団体の資料にあたって書いています。
- 記事の下書きと図の作成には AI を使っています。サイトの方針と出典の基準は運営者が決めています。照合は AI が行い、その結果を運営者が報告で確認しています。公開してよいかは、運営者が決めて承認した基準で判断します(書いたものとは別の AI の監査と機械の検査)。
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