猫のはなし

ブリティッシュショートヘアの性格と特徴|ブルーの毛色と気をつけたい病気

内容確認日 2026-09-03うちのこ家系図 読みもの

室内で静かに過ごすブリティッシュショートヘアと飼い主。ブルーという毛色の呼び方とかかりやすい病気を理解する
目次
  1. 1「ブリティッシュブルー」の前に|この猫種の輪郭
  2. 2古代ローマの猫の末裔と語られてきた歴史
  3. 3「素っ気ない」と「愛情深い」は両立する
  4. 4被毛と毛色|「ブリティッシュブルー」はこの猫種で人気の毛色
  5. 5オス17ポンドという目安と、寿命の数字がない理由
  6. 6資料で名前が挙がる病気
  7. 7家系でできること
  8. 8よくある質問
  9. 9まとめ|ブルーは毛色の名前、猫種はひとつ

「『ブリティッシュブルー』という呼び方を見かけたのですが、毛色の名前なのか、別の猫種なのか分かりません」——この猫種を調べていると、こうした疑問にぶつかることがあります。答えを、この記事で整理していきます。

「ブリティッシュブルー」の前に|この猫種の輪郭

床で体を横たえる、丸い顔と密な青灰色の被毛・銅色の目の猫と、その肩に手を触れてしゃがむ女性

要点: この猫種の気質を、猫種登録団体CFA(The Cat Fanciers' Association)は「穏やかで静か。人と過ごすことを好む」と要約しています。ずんぐりとした体つきと、プラッシュ(密でふかふか)な被毛が特徴で、「ブリティッシュブルー」はこの猫種で人気の毛色の通称です。

歴史の古い猫種として知られ、ずんぐりとした体つきと落ち着いた気質が特徴です。CFAはこの猫種を、猫種紹介ページで「穏やかで静か。人と過ごすことを好む」と要約しています(CFA)。

古代ローマの猫の末裔と語られてきた歴史

要点: CFAは、古代ローマの猫の現代版と位置づけられ、19世紀末から20世紀初頭にかけてロンドン・クリスタルパレスで開かれた猫の展覧会で公の場に登場したと説明しています。両大戦は遺伝的な多様性に影響を与え、ペルシャや「モギー」と呼ばれる無作為交配の家庭猫との交配が必要になった時期もあったとされています。

CFAが猫種紹介ページの歴史欄に書いているのは、「古代ローマの猫の現代版とみなされ、ブリティッシュショートヘアは19世紀末から20世紀初頭にかけてロンドンのクリスタルパレスで開かれた猫の展覧会で、初めて公の場に登場した」ということです(同上)。あわせて「両方の世界大戦は遺伝子プールに大きな打撃を与え、タイプを維持し、さらに向上させるために、ペルシャや『モギー(無作為に交配された家庭の短毛猫)』との交配がある程度必要になった」とも説明されています(同上)。歴史の古い猫種であり、成立の過程には複数の猫が関わってきたことがうかがえます。

「素っ気ない」と「愛情深い」は両立する

キッチンの流しに向かう男性の少し後ろの床に座り、男性を見上げる青灰色の密な被毛の猫

要点: CFAは「穏やかで静か」としつつ、家族一人ひとりに関心と愛情を向けるとも紹介しています。アニコム損保も、静かに過ごすのを好む一方で、忠実で愛情深い一面があると説明しています。

「抱っこを嫌がるけれど、性格が悪いわけではないですよね」という声を聞くことがあります。CFAは猫種の特徴として、「家族の誰か一人を選ぶのではなく、家族の一人ひとりに関心と愛情を向ける」「穏やかでのんびりしていて、日々の出来事に時折コメントするような一面もある」とも紹介しています(同上)。

アニコム損保の解説も、「跳び回って遊ぶより、静かに過ごすのが好きな穏やかで優しい猫です」としながら、「自立心が強く堂々としていますが、人と一緒にいることも大好き」「飼い主さんに忠実で愛情深く、そばにいるのも好きですが、過度に人の気を引こうとすることはありません」と紹介しています(アニコム損保)。静かで自立した一面と、家族への愛情深さは、どちらもこの猫種の傾向として同時に成り立つものです。

被毛と毛色|「ブリティッシュブルー」はこの猫種で人気の毛色

床に並んで座る2頭の丸い顔で密な被毛の猫。左は青灰色、右はクリーム色。左に座って手を伸ばす女性

要点: CFAは猫種の特徴を「ずんぐりして頑丈、プラッシュな被毛」と要約しています。ずんぐりして頑丈というのは体つきのことで、被毛にかかるのは「プラッシュ」です。毛色は幅広く存在しますが、その中でも「ブルー」と呼ばれるグレーの毛色が特に人気で、「ブリティッシュブルー」という通称は毛色を指す呼び方であり、別の猫種ではありません。

CFAは、この猫種の特徴を「ずんぐりして頑丈、プラッシュな被毛(Stocky, sturdy, plush coat)」と要約しています(同上)。ずんぐりして頑丈というのは体つきのことで、被毛にかかるのは「プラッシュ(plush)」=密でふかふかした質感です。品種標準のCOATの項では、被毛を「短く、とても密で、しっかりしていて、手ざわりは硬め。パリッとした弾力のある質感」と定め、「ダブルコートでも羊毛状でもない」とも規定しています(同上)。

毛色は「ブルーがとても人気ですが、他の色もあります」とされています(同上)。品種標準のブルーの項には「均一な色合いの、健全な色調のブルー」とあり、続けて「タビーの柄や白がどこにもないこと」とも書かれています(同上)。

アニコム損保も「さまざまな毛色や柄がありますが、特に『ブルー』と呼ばれるグレーの毛色が人気で『ブリティッシュブルー』とも呼ばれています」と紹介しています(アニコム損保)。つまり「ブリティッシュブルー」は、この猫種のなかの毛色を指す呼び方であり、独立した別の猫種ではありません。ブルー系の毛色は遺伝的には「希釈(うすめ)」と呼ばれる仕組みに分類されます。どの毛色がどう受け継がれるのかは、毛色と柄が受け継がれる仕組みにまとめました。

オス17ポンドという目安と、寿命の数字がない理由

両腕で持ち上げられた、体つきの厚い青灰色の密な被毛の猫と、それを見上げる女性

要点: CFAは「成熟がゆっくりで、完全な大きさになるのはおよそ3歳」としたうえで、「オスは17ポンド(約7.7kg)ほどまで成長することがあり、メスはやや小柄」と説明しています。平均寿命は、アニコム損保の資料でも「品種自体の数字ははっきりしない」とされています。

体つきについて、CFAは「成熟がゆっくりな猫種で、完全な大きさに達するのはおよそ3歳」としたうえで、「オスは17ポンド(約7.7kg)ほどまで成長することがあり、メスはやや小柄」と説明しています。さらに「幅広くしっかりした胸、丈夫で筋肉質な脚、力強い胴体」を特徴として挙げています(同上)。子猫の時期に体重の増え方がゆるやかに見えても、この猫種では大きくなりきるまでに時間がかかるということです。

平均寿命については、アニコム損保が「家庭どうぶつ白書2017」による猫全体の平均寿命(14.2歳)を紹介する一方で、「ブリティッシュ・ショートヘアーという品種自体の平均寿命ははっきりしていません」と述べています(アニコム損保)。品種ごとの平均寿命を一律の数字で語れない猫種もある、ということです。体重や健康状態は、個体ごとに確認していく必要があります。年齢を重ねてからの暮らしの変わり方は、猫のシニア期はいつから?にまとめてあります。

資料で名前が挙がる病気

診察台に座る青灰色の密な被毛の猫の胸に聴診器を当てる獣医師と、猫の背に手を添える男性

要点: 同じ猫種について、資料の書きぶりが分かれています。公益社団法人埼玉県獣医師会はこの猫種の項目に肥大型心筋症と多発性囊胞腎症を置き、CFAは気がかりな猫種特有の健康上の問題はないとしています。病気ごとの詳しい話は専用記事に譲ります。

公益社団法人埼玉県獣医師会が公開している猫の遺伝性疾患の解説では、ブリティッシュショートヘアーの項目に、肥大型心筋症と多発性囊胞腎症の2つが書かれています(埼玉県獣医師会)。ただし、この一覧の並び順は2019年に保険会社が公表した人気の順位をなぞったもので、病気の起こりやすさを比べた順番ではありません。また、同じ資料が病気ごとに挙げている好発品種の一覧には、この猫種の名前は入っていません。

アニコム損保の解説は、肥大型心筋症を「猫に多い心臓病のひとつ」とし、「遺伝的な背景も関係していると言われています」と紹介しています。あわせて、遺伝的な関与が疑われるものとして「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん。腎臓の変形が進む病気。腎不全を伴う)」を挙げています(アニコム損保)。他方でCFAは、「ブリティッシュショートヘアには、気がかりな猫種特有の健康上の問題はない」としています(CFA)。同じ猫種について、書きぶりの異なる資料が並んでいるということです。心配なことがあれば、かかりつけの獣医師に相談してみてください。病気の中身は心臓の壁が厚くなる病気腎臓に嚢胞ができる病気に、検査で何がわかるかは猫の遺伝子検査でわかること・わからないことに書いています。

家系でできること

棚に猫の顔の写真が入った写真立てを2つ並べて置く男性と、その足元に座る青灰色の密な被毛の猫

血統書がなくても、うちのこ家系図には両親猫・兄弟猫の毛色や体重を書き残しておけます。ブルーという毛色がどの世代から現れたのか、資料で名前が挙がる病気が家系内にあったのかは、記録を積み重ねていくうちに見えてくるものです。CFAは、この猫種について血液型にも触れており、猫にはよく知られた血液型が2つあってA型が優勢であること、ブリティッシュショートヘアの系統にはB型を持つものが多いことを説明しています(CFA)。うちの子1頭を見ているだけでは気づきにくく、家系をたどってはじめて意味を持つ情報もある、ということです。生後まもない時期の体重をどう残すかは子猫の体重の増え方と記録のしかたで、団体ごとの血統書の読み方は猫の血統書の見方で紹介しています。

よくある質問

Q. 抱っこを嫌がるのですが、性格が悪いわけではないのでしょうか?

抱っこを嫌がることは、この猫種の性格が悪いことを意味しません。CFAの猫種紹介ページは「穏やかで静か」としながら、家族への愛情深さも紹介しています。抱っこの好き嫌いは個体差の範囲と考えてよいでしょう。

Q. 「ブリティッシュブルー」という呼び方を見ました。毛色の名前ですか、別の猫種ですか?

毛色の通称です。ブリティッシュショートヘアのなかで、グレーがかった「ブルー」という毛色が特に人気で、その毛色を指して「ブリティッシュブルー」と呼ばれています。独立した別の猫種ではありません。

Q. PKDの検査はどこで受けられますか?

多発性嚢胞腎(PKD)は遺伝子検査の対象になっていることがあります。仕組みや検査でわかることは猫の多発性嚢胞腎(PKD)猫の遺伝子検査ガイドで詳しく解説しています。

まとめ|ブルーは毛色の名前、猫種はひとつ

  • CFAの猫種紹介ページでは「穏やかで静か」とされ、自立心と家族への愛情深さをあわせ持つ猫種
  • 古代ローマの猫の現代版とされ、19世紀末から20世紀初頭のロンドンで公の場に登場した歴史の古い猫種
  • 「ブリティッシュブルー」は毛色の通称であり、別の猫種ではない
  • 成熟はゆっくりで、完全な大きさになるのはおよそ3歳とされている
  • 品種自体の平均寿命は、アニコム損保の資料でも「はっきりしていません」と書かれている
  • 病気の名前を挙げる資料(埼玉県獣医師会)と、猫種特有の問題はないとする資料(CFA)があり、書きぶりは一致していない

毛色の呼び方も、体質の傾向も、知っておくと家系の記録がより意味を持ちます。


本記事は参考情報です。猫種の傾向は個体差があり、すべての子に当てはまるものではありません。健康に関する記述は診断・治療を目的とするものではなく、気になる症状は獣医師にご相談ください。 記事中のデータは2026年9月3日時点でCFA公式サイト・アニコム損保公式サイト・埼玉県獣医師会公式サイトを確認したものです。

出典・参考

  • The Cat Fanciers' Association (CFA) "British Shorthair" (確認日 2026-09-03。Chrome UAでHTTP 200を取得しHTMLをgrep逐語照合) https://cfa.org/breed/british-shorthair/
  • アニコム損害保険「猫との暮らし大百科 チェシャ猫のモデル|ブリティッシュ・ショートヘアーってどんな性格?体の特徴や気をつけたい病気は?」 (確認日 2026-09-03。Chrome UAでHTTP 200を取得しHTMLをgrep逐語照合。猫全体の平均寿命14.2歳は同ページが引用する同社発行「家庭どうぶつ白書2017」の集計値=保険会社発行の自社集計統計としてTier2扱い/解説記事の本文そのもの(性格・疾患等)はTier3として扱う) https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/1646.html
  • 公益社団法人埼玉県獣医師会「猫の遺伝性疾患について」 (確認日 2026-09-03。Chrome UAでHTTP 200を取得しHTMLをgrep逐語照合。K12/K13/K14の台帳を転記せず自ら取得した=帰属7条) https://www.saitama-vma.org/topics/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E9%81%BA%E4%BC%9D%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

この記事について

内容確認日: 2026-09-03(この日時点の一次情報にもとづいています)

本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。