犬種と健康 更新
パピヨン(犬)の性格と特徴|歴史・被毛と暮らし方
うちのこ家系図 編集部・更新 ・内容確認日 2026-09-02

目次
「パピヨン」と聞くと、蝶(フランス語でパピヨン)を思い浮かべる方もいるかもしれません。この記事で紹介するのは、その名の由来にもなった、大きく立った耳が特徴の犬種としてのパピヨンです。
先に結論をまとめます。
- パピヨンはフランス・ベルギー原産、用途「愛玩犬」とされる小型犬種
- 体高は28cm以下とされ、体重はFCI犬種標準で1.5〜5kgという幅で定められている
- 性格は「活発で、優美だがたくましく、気品があり」とされる
- 耳が立った「パピヨン」タイプと、垂れた「ファレーヌ」タイプが、同一犬種内のバラエティとして知られている
- 白地に色柄の入った被毛で、シングルコートの飾り毛が特徴
この記事では、パピヨンという犬種そのものの成り立ち・性格の傾向・耳のバラエティを、JKC(ジャパンケネルクラブ)とFCI(国際畜犬連盟)の公式情報をもとに整理しました。健康面の詳しい話はパピヨンの遺伝病・かかりやすい病気にまとめています。
パピヨンはどんな犬か

要点: この記事で扱うパピヨンは、犬種としてのパピヨンです。フランス・ベルギー原産、用途「愛玩犬」とされる小型犬種で、体高は28cm以下とされています。名前は、蝶のような耳の形に由来するとされています。
まず押さえておきたいのが、「パピヨン」という言葉には犬種名以外の意味もあるという点です。この記事で解説するのは、犬種としてのパピヨンに限った内容です。
JKCの犬種紹介によると、パピヨンの原産国はフランス・ベルギーで、用途は「愛玩犬」とされています(確認日 2026-09-02)。体高は「28cm以下」と定められています(同上・確認日 2026-09-02)。名前の由来について、JKCの解説では「パピヨンとはフランス語で蝶のことで、この犬の耳が蝶の羽状に見えることから名付けられ」たとされ、英語では「バタフライ・スパニエル」とも呼ばれると紹介されています(確認日 2026-09-02)。大きく開いた耳が、羽を広げた蝶のように見えることから付けられた名前ということです。
歴史|ヨーロッパの宮廷で愛された小型スパニエル

要点: パピヨンは、スペインのスパニエル犬種から発達したとされる小型愛玩犬です。16世紀フランスの宮廷で好まれ、イタリアのボローニャでも盛んに繁殖されていたとされています。
JKCの解説では、パピヨンは「エパニエルナン」(トイ・スパニエル)と呼ばれるスペインのスパニエル犬種から発達したとされています(確認日 2026-09-02)。16世紀フランスの宮廷では、ルイ14世の時代に好まれていたとされ、イタリアのボローニャでも盛んに繁殖され、高値で取引されていたとも紹介されています(同上・確認日 2026-09-02)。
FCIの犬種標準では、フランス語の正式名称を「エパニエルナン コンチネンタル(Continental Toy Spaniel)」といい、原産国はフランス・ベルギーとされています(FCI-Standard N° 77・確認日 2026-09-02)。ヨーロッパ大陸の宮廷文化とともに育まれてきた、由緒あるトイ・スパニエルのグループに属する犬種ということです。
性格の傾向と個体差

要点: JKCの犬種紹介では「活発で、優美だがたくましく、気品があり、軽快でエレガントな歩様をする」とされています。「賢い」と語られることの多い犬種ですが、これは犬種全体の傾向であり断定ではありません。
「パピヨンを迎えました。賢いと聞きますが、しつけが難しいという記事も見ます。性格の傾向としてどう考えればいいですか」——このように悩むこともあるかもしれません。
JKCの犬種紹介では、パピヨンの性格について「活発で、優美だがたくましく、気品があり、軽快でエレガントな歩様をする」と説明されています(確認日 2026-09-02)。小柄な体つきに反して活動的な性格とされ、学習意欲の高さが語られることも多い犬種です。「賢い」という評判は、裏を返せば頭を使う遊びや一貫したしつけを好む傾向とも言い換えられます。しつけの具体的な方法は、この記事では扱いませんが、犬種の傾向として「難しい」と決めつける必要はありません。
同じ両親から生まれた兄弟でも、活発さや人懐こさの強さには差が出ることがあり、犬種の傾向はあくまで参考として受け止めるのが現実的です。
体つきと被毛|立ち耳と垂れ耳、2つのバラエティ

要点: パピヨンには、耳が立った「パピヨン」タイプと、耳が垂れた「ファレーヌ」タイプがあり、いずれも同一犬種内のバラエティとして扱われています。被毛はシングルコートで、豊かな飾り毛が特徴です。
「パピヨンには耳が立っている子と垂れている子がいると聞きました。同じ犬種なのでしょうか」——この疑問に、一次情報をもとにお答えします。
はい、同じ犬種です。FCIの犬種標準では、耳が立ったタイプを「パピヨン」、耳が垂れたタイプを「ファレーヌ」と呼び、どちらも同一の犬種標準の中で扱われるバラエティであると説明されています(FCI-Standard N° 77・確認日 2026-09-02)。垂れ耳のファレーヌは「耳が眼の高さよりかなり高い位置につき、垂れて、かつよく動く」とされ、波状の飾り毛に覆われた美しい姿が特徴とされています。立ち耳のパピヨンは「耳の内側の縁が水平面と約45度の角度をなす」とされ、決してスピッツのように真上を向いてはならないとされています(同上・確認日 2026-09-02)。この2つのタイプをかけあわせると、中途半端に垂れた「半立ち耳」が生まれることがあるともされていますが、これは犬種標準上「重大な欠点」とされています(同上・確認日 2026-09-02)。
被毛は、FCIの犬種標準で「下毛がなく、豊かで、光沢があり、波状(カーリーと混同しないこと)」とされています(FCI-Standard N° 77・確認日 2026-09-02)。いわゆるシングルコートです。毛色については、JKCの解説では「白地であれば全ての色が認められる」とされ、体や脚には白が優位であることが望ましいとされています(確認日 2026-09-02)。首まわりの豊かな襟毛(ラフ)や、耳・後肢の飾り毛が、この犬種特有の華やかな印象をつくっています。
サイズは、体高は28cm以下と定められています。体重については、私たちが確認できたJKCのページには数値記載が見当たりませんでしたが、FCIの犬種標準では、2.5kg未満のグループと、牡2.5〜4.5kg・牝2.5〜5kg(最小1.5kg)というグループの2区分が定められています(FCI-Standard N° 77・確認日 2026-09-02)。子犬の体重の増え方の一般論は子犬の体重の増え方|月齢ごとの見方と記録のしかたで紹介しています。
お手入れ|飾り毛と耳まわりのケア

要点: シングルコートの被毛は毛玉になりやすく、耳や脚の飾り毛を中心とした定期的なブラッシングが暮らしの基本になります。
パピヨンの被毛は下毛がないぶん、ダブルコートの犬種に比べると抜け毛は少なめとされています。一方で、豊かな飾り毛は絡まりやすく、耳の内側や後ろ脚まわりを中心に、こまめなブラッシングが必要とされています。爪や足まわりの飾り毛は、小型犬にありがちな滑りやすさにも関わるため、日々のお手入れの中で整えておくとよいでしょう。
暮らし方の基本
要点: 活発な性格の小型犬種のため、頭と体を使う遊びの機会と、体の小ささに合わせた住環境の工夫が暮らしの基本になります。
パピヨンは、体は小さくても運動欲求のしっかりある犬種とされています。おもちゃを使った遊びや、簡単な指示を教える時間を取り入れることが、活発な性格との付き合い方につながるとされています。
体高28cm以下、体重も数kg程度の小柄な犬種のため、ソファやベッドからの飛び降り、抱っこの際の落下といった、体の小ささならではの配慮も欠かせません。段差を減らす工夫や、フローリングの滑り止めは、多くの小型犬種と共通する暮らしの基本です。
健康面で知っておきたいこと
要点: パピヨンは、目の病気や膝の病気が報告されている犬種のひとつです。詳しい内容は専用記事で扱っています。
目の病気については、この犬種で報告された進行性網膜萎縮症(PRA)が、学術データベースOMIA(シドニー大学が運営)に単一遺伝子の形質として収載されています。両親から1つずつ受け継いだときに現れやすくなる遺伝のしかたとして登録されており、両親犬の情報が手がかりになるタイプの病気です(OMIA:002723-9615・確認日 2026-09-05)。PRAの仕組みや遺伝の考え方については犬の進行性網膜萎縮症(PRA)の症状と遺伝子検査で詳しく解説しています。
膝についても、小型犬種全般に共通する配慮として、膝のお皿がずれる膝蓋骨脱臼(パテラ)が知られています。アニコム損保の解説では、小型犬において内側方向への脱臼が多くみられるとされています(確認日 2026-09-02)。パピヨンに限った統計は、当サイトで確認できた範囲では見つけられませんでしたが、多くの小型犬種に共通する備えとして知っておく価値があります。詳しくは犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)のグレードとなりやすい犬種で解説しています。パピヨン犬種固有の詳しい話は、パピヨン固有の病気と家系での備えで取り上げています。
気になる様子がある場合は、自己判断せず獣医師にご相談ください。
よくある質問
Q. パピヨンを迎えました。賢いと聞きますが、しつけが難しいという記事も見ます。性格の傾向としてどう考えればいいですか?
JKCの犬種標準では「活発で、優美だがたくましく、気品があり」とされ、学習意欲の高い犬種として知られています。「賢い」という評判は、頭を使う遊びや一貫した接し方を好む傾向とも言い換えられ、「しつけが難しい」と決めつける必要はありません。個体差もあるため、うちの子のペースに合わせて向き合っていくとよいでしょう。
Q. パピヨンには耳が立っている子と垂れている子がいると聞きました。同じ犬種なのでしょうか?
はい、同じ犬種です。FCIの犬種標準では、耳が立ったタイプを「パピヨン」、垂れたタイプを「ファレーヌ」と呼び、いずれも同一の犬種標準の中で扱われるバラエティです。見た目は異なりますが、犬種としての性格の傾向や体つきの基本は共通しています。
Q. パピヨンはどのくらいの大きさになりますか?
FCIの犬種標準では、体高は約28cm、体重は2.5kg未満のグループと、牡2.5〜4.5kg・牝2.5〜5kg(最小1.5kg)というグループの2区分が定められています。子犬期の月齢ごとの増え方の一般論は子犬の体重の増え方で紹介しています。
Q. パピヨンとトイプードルのミックスを迎えました。この記事は当てはまりますか?
耳の形や、人と一緒に何かをしたがる気質など、パピヨン側から伝わりうる部分の手がかりにはなります。一方で被毛は、伸び方から手入れの手間まで、もう一方の親の影響を強く受けます。この記事のシングルコートの説明を、そのままの前提では読めないということです。両親それぞれの系統から見た特徴はパピプーの性格と特徴にまとめています。
まとめ|パピヨンを知ることは、蝶のような耳を持つ宮廷犬というルーツを知ること
- パピヨンはフランス・ベルギー原産、体高28cm以下とされる小型愛玩犬種
- スペインのスパニエル犬種から発達したとされ、16世紀フランスの宮廷やイタリアのボローニャで愛された
- 性格は「活発で、優美だがたくましく、気品があり」という犬種の傾向はあるが、個体差もある
- 立ち耳の「パピヨン」と垂れ耳の「ファレーヌ」は、同一犬種内のバラエティ
- 体重はFCI犬種標準で1.5〜5kgという幅で定められている
- 健康面の詳しい話は目と膝を中心にした健康の記事へ
蝶のような耳を持ち、ヨーロッパの宮廷で愛されてきたというルーツを知ると、目の前で耳を揺らして駆け回るその子の姿がまた違って見えてくるかもしれません。うちの子の記録を、家系図という形でも残してみませんか。
本記事は参考情報です。犬種の傾向は個体差があり、すべての子に当てはまるものではありません。健康に関する記述は診断・治療を目的とするものではなく、気になる症状は獣医師にご相談ください。 記事中のデータは2026年9月2日時点でJKC・FCI・アニコム損保各公式サイトを確認したものです。2026年9月5日に追加・再確認した資料を含みます。
体重は、写真と一緒に 1 回で記録

画面はイメージです(架空の子の見本)。
出典・参考
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「パピヨン」 (確認日 2026-09-02) https://www.jkc.or.jp/breeds/papillon/
- FCI(Fédération Cynologique Internationale)"FCI-Standard N° 77 Epagneul Nain Continental (Continental Toy Spaniel)"(06.04.1998) (確認日 2026-09-02) http://www.fci.be/nomenclature/Standards/077g09-en.pdf
- アニコム損害保険「みんなのどうぶつ病気大百科 遺伝性疾患と発症が多いおもな犬種」 (確認日 2026-09-02。B-05で確認済みの一次資料を再確認) https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1377
- アニコム損害保険「みんなのどうぶつ病気大百科 膝蓋骨脱臼<犬>」 (確認日 2026-09-02。B-04で確認済みの一次資料を再確認) https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/909
- OMIA(University of Sydney)"Retinal atrophy, progressive, CNGB1-related in Canis lupus familiaris (dog)" (確認日 2026-09-05) https://www.omia.org/OMIA002723/9615/
この記事について
内容確認日: 2026-09-02(最後に出典を確かめ直した日。章ごとの確認日は本文と出典の欄のとおりです)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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