記録とくらし 更新
犬・猫の健康手帳とは|何を書く?紙とアプリの選び方
うちのこ家系図 編集部・更新 ・内容確認日 2026-09-05

目次
動物病院で「前回のワクチンはいつでしたか」「体重はどう変わりましたか」と聞かれて、うまく答えられなかった——そんな経験はありませんか。ペットの健康手帳は、そういう場面のために、日頃の記録を1か所にまとめておくためのものです。この記事では、何を書いておくと役に立つのか、紙とアプリどちらが向いているのかを、中立に整理します。
ペットの健康手帳とは|人でいう母子手帳にあたるもの

要点: ペットの健康手帳は、人間でいう母子手帳のように、ワクチン歴・体重・通院歴などを1か所にまとめておくためのものです。紙のノート、市販の手帳、アプリなど、形はいろいろあります。
「ペットの健康手帳」という決まった1つの製品があるわけではありません。手書きのノート、動物病院やペットショップで配布される手帳、フードメーカーが作る記録帳、スマホアプリなど、形はさまざまです。共通しているのは、その子の健康に関する情報を、その都度ばらばらに覚えておくのではなく、1か所にまとめておくという考え方です。
「そんな手帳が本当に存在するのか」と思われるかもしれませんが、犬の登録団体そのものが同じ趣旨の冊子を出しています。JKC(ジャパンケネルクラブ)が頒布している「犬の健康管理手帳」は、公式の説明によれば「1冊につき1頭の予防接種、駆虫、健康検査の実施等を記録することができます」というもので、「ご愛犬の日常における健康管理にご活用ください」と案内されています(確認日 2026-09-05)。予防接種・駆虫・健康検査という3つが、記録の中心に置かれているということです。
人間でいえば母子手帳に近い役割です。予防接種の記録や成長の記録を、家族以外の人(今回であれば動物病院のスタッフ)にも伝えやすい形にしておく、という機能だと考えるとわかりやすいでしょう。
何を書いておくと役に立つのか|診察で聞かれること
要点: ワクチン歴・体重の推移・持病や薬・かかりつけ病院の連絡先は、診察のときに伝えることになる項目です。記録は自己診断の材料ではなく、獣医師に伝えるための材料です。
何を書けばいいか迷ったら、「動物病院で聞かれること」を基準にすると選びやすくなります。目安として、次のような項目が挙げられます。
- ワクチン接種の日付と種類
- 体重の推移
- 既往症・持病・服用中の薬
- かかりつけの動物病院の連絡先
- フードやアレルギーの有無
これらは、体調に変化があったときに獣医師へ正確に伝えるための材料です。この「伝えるための材料」という位置づけは、診療ガイドラインの側からも裏づけられます。AAHA(米国動物病院協会)の犬の生活段階ガイドラインは、診察の結果を決まった書式で記録することが、意思疎通・推移の見守り・診療の継続性に役立つとしています。また、成熟期・シニア期の病気の早期発見は、飼い主の気がかりや見え方を引き出すこと、丁寧な身体検査、そしてバイタル評価の推移を観察することによって達成されうる、とも述べています(確認日 2026-09-05)。飼い主が持っている情報が診察室に届くかどうかは、獣医療の側から見ても中身のある論点だということです。証明書や接種の記録は残し方の記事で扱っています。
一方で、記録そのものが病気を判断する材料ではないという点は、はっきりさせておきたいところです。気になる変化があれば、記録を持って動物病院に相談するのが確実です。健診の結果をどう並べておくかは犬の健康診断は年に何回?頻度の目安と、結果の残し方で扱っています。連絡先を書いておくと、急いで電話をかけたい場面でも迷わずにすみます。猫がチョコレートを口にしたときの例は猫がチョコレートを食べたら|量に関わらず、すぐかかりつけへ電話をで紹介しています。
犬が人を舐めた場面の残し方は、舐めた場面の記録の見本にあります。便に血が混じったときの書き方は、血便の記録シートの見本にあります。
留守番中の様子を動画と時刻で残す書き方は、犬の分離不安症とは?見られる様子と、留守番中の記録のつけ方にあります。猫が吐いた物の書き分け方は、猫が毛玉を吐くのは普通?何度も吐く時の原因と吐いた物の記録にあります。シャンプーした日と、その後の皮膚の様子の書き方は、犬のシャンプーの頻度は?資料は月1回〜3か月に1回にあります。
子犬の時期は、体重が「右肩上がりの曲線」で急速に増えていく時期でもあります。月齢ごとの見方や記録のしかたは子犬の体重の増え方|月齢ごとの見方と記録のしかたで詳しく解説しています。大型犬種の場合は成長期がより長く続く傾向があり、たとえばゴールデンレトリーバーの月齢別の体重推移はゴールデンレトリーバーの体重推移と成長曲線で紹介しています。
紙とアプリ、それぞれの向き・不向き

要点: 紙は思い立った瞬間にすぐ書けて一覧性が高く、アプリは検索や通知、写真との紐づけがしやすいという特徴があります。特定の商品を選ぶより、続けやすい方を選ぶのがポイントです。
「健康手帳を買おうか、アプリにしようか迷っている」——ここで迷う場面もあります。それぞれに向き・不向きがあります。
紙のノートや手帳は、思い立ったときにすぐ書き込める手軽さと、ページをめくって一覧できるわかりやすさが強みです。一方で、持ち歩き忘れると記録できず、後から検索するのも手間がかかります。
アプリは、体重の変化をグラフで見返しやすかったり、写真と一緒に記録できたり、通知で記録を思い出させてくれたりする点が強みです。一方で、操作に慣れるまで少し時間がかかることもあります。どちらが優れているというより、「どちらならずぼらでも続けられそうか」で選ぶのが現実的です。
続けるコツ|全部書かない。1日ひとつでいい

要点: 毎日すべてを記録しようとすると続きません。「体重だけ」「写真だけ」など、1日ひとつに絞ると続けやすくなります。
健康手帳が続かない一番の理由は、「全部きちんと書かなければ」と気負ってしまうことです。毎日の食事量から便の状態まで細かく記録しようとすると、たいてい数日で止まってしまいます。
続けるコツは、欲張らないことです。今日は体重だけ、今日は写真だけ、というように、1日ひとつだけ残す日があってもかまいません。ゼロの日が続くより、少しずつでも積み重なっていく方が、あとから見返したときの価値は大きくなります。
災害のときに持ち出せる形にしておく

要点: 健康記録は、平常時の記録であると同時に、災害時に持ち出す情報でもあります。同行避難の制度や、持ち出す記録の中身については、専用記事にまとめました。
「災害で避難することになったとき、うちの子の情報をすぐ持ち出せるようにしておきたい」と考える方もいるかもしれません。健康手帳は、平常時の記録であると同時に、いざというときに持ち出す情報でもあります。兵庫県動物愛護センターが公開している「ペット健康防災手帳」は、ペットのプロフィールや健康記録に加え、預け先の情報や災害時のシミュレーションまでを1冊にまとめる構成になっています(兵庫県動物愛護センター・確認日 2026-09-01)。同行避難の制度や、持ち出す記録の中身についてはペットの防災|同行避難の備えと、持ち出せるようにしておく記録で詳しく解説しています。
家系の情報も「記録」のひとつ

要点: ワクチンや体重だけでなく、血統書や家系の情報もまた、健康を考えるうえでの記録の一部です。血統書のデジタル控えを残しておくという考え方もあります。
健康手帳というと、ワクチンや体重を思い浮かべがちですが、家系の情報もまた記録の一部です。両親や祖父母がどんな子だったかという情報は、遺伝的な傾向について獣医師に相談するときの材料になることがあります。
紙の血統書は、なくしたり傷んだりすることもあります。血統書が手元に届くまでの流れは血統書はいつ届く?届かない時の目安と確認方法で解説していますが、届いたあとは、デジタルの控えを残しておくという考え方も、記録のひとつです。
うちのこ家系図の健康手帳でできること

要点: うちのこ家系図には、体重や日々の記録を家系図と一緒に残せる健康手帳の機能があります。無料で使え、日常の記録に課金の壁はありません。
うちのこ家系図の健康手帳は、体重や日々の写真を、家系図と同じ場所に記録できる機能です。ワクチンや通院のメモも残しておけるので、動物病院で聞かれたときにすぐ見返せます。日常の記録機能は無料で使えます。
よくある質問
Q. 健康手帳は、いつから始めればいいですか?
決まったタイミングはありませんが、お迎えした初日から始めると、その後の変化がわかりやすくなります。お迎え初日の過ごし方は子犬お迎え初日の過ごし方と「残しておきたい記録」で紹介しています。
Q. 亡くなったあとの記録はどうすればいいですか?
記録を消す必要はありません。亡くなったあとの手続きや、記録の残し方については犬が亡くなったときの手続き|血統書と家系の記録はどうするで扱っています。その前の時間、最期の準備として何を記録しておけるかについては、看取りの前に家族で決めることと記録でも紹介しています。
Q. 多頭飼いの場合はどうすればいいですか?
1頭ずつ分けて記録するのが基本です。JKCが頒布している「犬の健康管理手帳」も「1冊につき1頭」を記録する体裁になっています(確認日 2026-09-05)。似た時期に体調を崩しやすい多頭飼いの環境では、それぞれの記録があると、獣医師にも状況を伝えやすくなります。先住犬がいる家に後から1頭を迎えたときの2頭分の家系・健康記録を分けて残す考え方は別の記事で扱っています。
まとめ|まずは1項目、書いてみることから
- 健康手帳は、人でいう母子手帳にあたるもの。ワクチン・体重・持病などを1か所にまとめておく。JKCが頒布する冊子も、予防接種・駆虫・健康検査を1冊につき1頭ぶん記録する体裁になっている
- 記録は自己診断の材料ではなく、獣医師に伝えるための材料。決まった書式で残しておくことが意思疎通と推移の見守りに役立つと、AAHAの診療ガイドラインも述べている
- 紙とアプリ、それぞれに向き不向きがある。続けやすい方を選ぶ
- 全部書こうとせず、1日ひとつでいい
- 災害時に持ち出せる形にしておくことも、記録の役割のひとつ
うちの子のことを、いちばんよく知っているのは飼い主さんです。その記憶を、形にして残しておく。今日の1項目から、始めてみませんか。
本記事は参考情報です。記録項目は動物病院で確認されやすい内容の紹介であり、自己診断の指標ではありません。体調の変化が気になる場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。 兵庫県動物愛護センターの記述は2026年9月1日、JKC公式サイトとAAHA診療ガイドラインの記述は2026年9月5日に確認したものです。
体重は、写真と一緒に 1 回で記録

画面はイメージです(架空の子の見本)。
出典・参考
- 兵庫県動物愛護センター「ペット健康防災手帳をつくろう!」 (確認日 2026-09-01) http://hyogo-douai.sakura.ne.jp/petpocketbook.html
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「犬の健康管理手帳について」 (確認日 2026-09-05) https://www.jkc.or.jp/merchandise/publications/
- American Animal Hospital Association(AAHA)「2019 AAHA Canine Life Stage Guidelines」(Creevy KE ほか, J Am Anim Hosp Assoc 2019, 55(6), 267-290) (確認日 2026-09-05) https://www.aaha.org/wp-content/uploads/globalassets/02-guidelines/canine-life-stage-2019/2019-aaha-canine-life-stage-guidelines-final.pdf
この記事について
内容確認日: 2026-09-05(最後に出典を確かめ直した日。章ごとの確認日は本文と出典の欄のとおりです)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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