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犬のペット保険は何を補償する?年齢別の診療費と自己負担の計算

公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

うちの子の家系図を撮ってはじめる
イラスト:明るいリビングのソファで、1枚の白い紙を見る男性と、足元でくつろぐ柴犬
目次
  1. 1犬のペット保険は何を補償する?
  2. 2犬に多い病気と診療費
  3. 3自己負担の計算
  4. 4犬で確かめておく条件
  5. 5他人や他の犬にけがをさせた時
  6. 6よくある質問
  7. 7犬の保険は、年間診療費で自己負担を計算してから、審査と更新の条件を確かめよう

犬のペット保険は、主に病気やけがの通院・入院・手術の費用を、決めた割合で限度額まで補償します(日本損害保険協会)。補償の割合は、50%や70%などがあります(公開されている重要事項説明書)。この記事では、保険会社の契約犬の集計から、年間診療費と自己負担の計算を書きます。

犬のペット保険は何を補償する?

犬のペット保険は、主に通院・入院・手術の費用を補償します。ただし、保険金が支払われない場合もあります。

実際にかかった治療費に対して、限度額の範囲内で、決まった割合が補償されます(日本損害保険協会)。

たとえると、治療費を保険会社と割り勘にして、保険会社が決まった割合を出すようなものです。ただし、保険会社が出す額には上限があります。その上限が限度額です。

補償される例と、対象にならない例を、表1にまとめました。

表1 補償される例と、対象にならない例(犬)

区分例資料の書き方
通院犬が皮膚炎にかかり、通院治療が必要になった補償される例
手術犬がソファーから飛び降りて骨折し、手術した補償される例
予防できた病気・わざとのけがワクチンを接種していれば予防できる病気。飼い主がわざとけがをさせた場合の治療費など一般的に補償の対象とはなりません
予防・健診・先天性など健康な犬が受けるワクチンなどの予防接種、病気予防の診療、健康診断、去勢・避妊手術などの費用。先天性・遺伝性の異常など補償の対象とはならない場合があります

出典:日本損害保険協会「ペット保険」(2022年1月18日更新)

下の2行は、言い方が違います。上は一般的に対象とならないもの、下は対象にならない場合があるものです。

参考:日本損害保険協会『ペット保険』(2022年1月18日更新) https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html

犬に多い病気と診療費

保険会社の契約犬(0〜12歳)で、1年に1回でも保険金の請求があった犬の割合は、消化器の病気で25.6%、皮膚の病気で24.8%でした(アニコム『家庭どうぶつ白書2025』)。

この割合を、白書は「請求割合」と呼んでいます。保険に入っている犬のうち、1年のうちに1回でも保険金の支払いがあった犬の割合のことです。たとえると、1年のうちに1回でも保健室に行った子の割合のようなものです。

白書の病気の分類は15あります。請求割合が10%以上の5つを、白書の並びのまま表2に載せます。

表2 犬の病気の分類ごとの請求割合(10%以上の5分類)

分類(白書の並び)請求割合
消化器(胃や腸など)25.6%
耳15.4%
筋骨格(骨・関節・筋肉)10.5%
皮膚24.8%
全身性(体全体にかかわる分類)11.9%

出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(11・12ページ)。保険会社の契約犬741,919頭(0〜12歳)の集計です。年齢ごとの頭数をそろえて計算した値です。

犬の病気の分類ごとの請求割合を比べた横棒グラフ。消化器25.6%、耳15.4%、筋骨格10.5%、皮膚24.8%、全身性11.9%
犬の病気の分類ごとの請求割合(10%以上の5分類)出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(11・12ページ)。保険会社の契約犬741,919頭(0〜12歳)の集計です。年齢ごとの頭数をそろえて計算した値です。

この数字は、保険会社の契約犬の集計で、全国の犬の数字ではありません。白書は、新しく契約するときに年齢の制限があることなどにより、若い犬が多いと書いています(アニコム)。

では、請求のあった犬の1年間の診療費を見ます。3つの年齢帯では、平均値も中央値も、年齢が上がるほど大きくなっています(アニコム)。

平均値は、全部の額を足して、犬の数で割った値です。中央値は、額を小さい順に並べたときの、ちょうど真ん中の値です。たとえると、クラスのみんなを背の順に並べたときの、まん中の子の背の高さです。

表3 請求のあった犬の1年間の診療費(年齢帯別)

年齢帯平均値中央値
0〜4歳52,613円21,860円
5〜9歳88,362円39,358円
10歳以上172,742円99,346円

出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(60ページ)。保険会社で2023年4月〜2024年3月に契約を始めた犬801,127頭(0〜15歳)のうち、請求のあった犬の年間診療費です。通院・入院・手術を含みます。

請求のあった犬の1年間の診療費を年齢帯別に比べた横棒グラフ。平均値は0〜4歳52,613円、5〜9歳88,362円、10歳以上172,742円。中央値は21,860円、39,358円、99,346円
請求のあった犬の1年間の診療費(年齢帯別)出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(60ページ)。保険会社で2023年4月〜2024年3月に契約を始めた犬801,127頭(0〜15歳)のうち、請求のあった犬。通院・入院・手術を含みます。

この診療費は、請求のあった犬だけの額で、犬全体の1頭あたりの平均ではありません。一度の請求で、いくつかの病気やけがをまとめて請求した分は、集計から除かれています。窓口で払った総額か、保険金の額かは、白書の第2部には書かれていません。

参考:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部 どうぶつの疾患統計 https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2.pdf

自己負担の計算

免責と限度額を入れなければ、自己負担は、年間診療費に「1 − 補償割合」をかけると出ます。

たとえると、補償割合が70%なら、割り勘で保険会社が7割、自分が3割を出す形です。

この計算は、年間診療費を窓口で払った額とみなした場合です。免責金額(自分で払うと決めてある額)と限度額(保険会社が出す額の上限)は入れていません。保険料も入れていません。保険料との比べは、このあとの見出しで計算します。

計算の式は1行です。

自己負担 = 年間診療費 × (1 − 補償割合)

10歳以上の平均値172,742円で、補償割合が70%のときは、次のとおりです。

172,742円 × (1 − 0.7) = 51,822.6円 → 51,823円(円未満は四捨五入)

表3の6つの額を、補償割合50%と70%で計算しました。

表4 年間診療費と、補償割合別の自己負担

年齢帯と値年間診療費補償50%の自己負担補償70%の自己負担
0〜4歳の平均値52,613円26,307円15,784円
0〜4歳の中央値21,860円10,930円6,558円
5〜9歳の平均値88,362円44,181円26,509円
5〜9歳の中央値39,358円19,679円11,807円
10歳以上の平均値172,742円86,371円51,823円
10歳以上の中央値99,346円49,673円29,804円

出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(60ページ)。保険会社で2023年4月〜2024年3月に契約を始めた犬801,127頭(0〜15歳)のうち、請求のあった犬の年間診療費(通院・入院・手術を含む)です。自己負担の額は、この記事の計算です。

年間診療費の自己負担を、補償割合50%と70%で比べた横棒グラフ。10歳以上の平均値は50%で86,371円、70%で51,823円。0〜4歳の中央値は50%で10,930円、70%で6,558円
年間診療費の自己負担(補償割合50%と70%)出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(60ページ)をもとにした、この記事の計算です。

実際の自己負担は、免責金額や限度額、商品の決まりで変わります。この表は、診療費の全額を窓口で払った場合の、割合だけの計算です。

あわせて読む:ペット保険の比較はどこを見る?補償割合・限度額・免責で受取額を計算

毎月の費用の全体は、保険料も含めて別の記事で計算しています。

あわせて読む:犬を飼い始めてからの月々の費用はいくら?内訳と年間の計算

保険料はいくら?元はとれる?

保険会社が契約者にたずねた調査では、犬1頭の保険料は年44,879円、月にすると3,740円でした(アニコム損害保険)。2025年の1年間の平均で、回答は3,974頭、平均年齢は5.6歳です。

補償70%なら、1年の診療費が64,113円を超えると、受け取る額が保険料44,879円を上回ります(この記事の計算)。

「元はとれる?」には、判定では答えません。請求が無い年に受け取る額は0円です。年齢帯ごとに請求がある犬の割合の資料は、読んだ中にありません。受け取る額の平均は出せないので、請求があった年の計算だけを載せます。

受け取る額は、年間診療費から表4の自己負担を引いた額です。保険料との差は、受け取る額から44,879円を引いて出します。

10歳以上の平均値で、補償割合が70%のときは、次のとおりです。

172,742円 − 51,823円 = 120,919円(受け取る額)、120,919円 − 44,879円 = 76,040円(保険料との差)

表3の6つの額で、受け取る額と保険料との差を計算しました。

表5 請求があった年に受け取る額と、保険料(年44,879円)との差

年齢帯と値年間診療費補償50%で受け取る額保険料との差補償70%で受け取る額保険料との差
0〜4歳の平均値52,613円26,306円−18,573円36,829円−8,050円
0〜4歳の中央値21,860円10,930円−33,949円15,302円−29,577円
5〜9歳の平均値88,362円44,181円−698円61,853円+16,974円
5〜9歳の中央値39,358円19,679円−25,200円27,551円−17,328円
10歳以上の平均値172,742円86,371円+41,492円120,919円+76,040円
10歳以上の中央値99,346円49,673円+4,794円69,542円+24,663円

出典:アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部(60ページ)、アニコム損害保険『2025最新版 ペットにかける年間支出調査』(2026年3月11日)。受け取る額と差は、この記事の計算です。

請求があった年の計算です。請求が無い年に受け取る額は0円です。

保険料44,879円は、保険会社の契約者にたずねた2025年の平均(回答3,974頭・平均5.6歳)です。年齢ごと・補償割合ごとの額ではありません。0〜4歳と10歳以上の行にも同じ額を当てたのは、比べられる額がこれしか無いためです。

診療費は白書(2023年4月〜2024年3月に契約を始めた犬のうち、請求のあった犬)、保険料は別の調査です。免責金額と限度額は入れていません。

平均の話で、1頭ごとに違います。

保険料と同じ額を受け取る年間診療費は、補償50%で89,758円(44,879円 ÷ 0.5)、補償70%で64,113円(44,879円 ÷ 0.7 = 64,112.9円、四捨五入)です。

表3と比べます。0〜4歳は、平均値も中央値も、2つの額に届きません。5〜9歳は、平均値が64,113円を超え、89,758円には届きません。中央値は、2つの額に届きません。10歳以上は、平均値も中央値も、2つの額を超えます。

保険料は、犬の年齢が上がると変わることがあります(公開されている重要事項説明書)。

入る前に、表3の年齢と自分の犬の年齢を合わせて見ておきましょう。

参考:アニコム損害保険『2025最新版 ペットにかける年間支出調査』(2026年3月11日) https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2025/20260311/

犬で確かめておく条件

犬の保険は、入る前に、加入年齢、加入の審査と更新の条件、待機期間を確かめます。表6に、日本損害保険協会と、公開されている重要事項説明書にあることを分けて書きます。

表6 犬の保険で確かめておく条件

確かめること書かれていること
加入年齢新しく入れる年齢に制限がある保険会社があります。
加入の審査・更新の条件公開されている重要事項説明書にある例を、表の下に3つ書きます。
待機期間新しく入ったあと、しばらくの間の病気が補償の対象にならない期間(待機期間)を決めている商品があります。けがには待機期間が無い商品もあります。長さは重要事項説明書で確かめます。

出典:日本損害保険協会「ペット保険」(2022年1月18日更新)、公開されている重要事項説明書

「加入の審査・更新の条件」には、次の3つがあります。

  • 加入の審査で、特定の病気を補償の対象外にする条件で引き受けることがあります。
  • 更新のときに、契約の期間中の保険金の支払い実績によって、引き受けの条件を変えると示す商品があります。断る商品もあります。
  • 商品の改定で、保険料や補償の内容が変わったり、自動では契約が継続しなかったりすることがあります。

3つとも、公開されている重要事項説明書にある条件です。

加入するときは、いまの健康状態と、これまでにかかった病気やけがを、正確に伝える決まりがあります。これを告知義務といいます。病院の問診票に、いまの様子と前の病気を正直に書くようなものです。過去の病気によっては、加入できない場合もあります(日本損害保険協会)。

持病がある時の加入は、告知の前に、保険会社の窓口で確かめましょう。

先天性・遺伝性の異常は、補償の対象とならない場合があります(日本損害保険協会)。くわしくは別の記事で書いています。

あわせて読む:ペット保険と遺伝性疾患|先天性疾患は補償される?

参考:日本損害保険協会『ペット保険』(2022年1月18日更新) https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html

他人や他の犬にけがをさせた時

保険会社によっては、「ペット賠償責任特約」を取り扱っています。特約とは、基本の補償に付け足す補償のことです。

犬が、他人や他人のペットにけがをさせたり、他人の物を壊したりした時のための特約です。それで法律上の損害賠償責任を負った場合に補償します(日本損害保険協会)。

一般的に、補償の限度額が決まっています。保険会社の承認を得て支出した訴訟費用や弁護士費用なども、補償される場合があります(日本損害保険協会)。

この特約は、自動車保険などの個人賠償責任特約と、補償が重なることがあります(公開されている重要事項説明書)。契約中の保険を確かめましょう。

参考:日本損害保険協会『ペット保険』(2022年1月18日更新) https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html

よくある質問

犬のペット保険は、何歳まで入れる?

新しく入れる年齢に制限がある保険会社があります。上限の年齢は、重要事項説明書で確かめます。

持病がある犬でも、ペット保険に入れる?

加入するときは、いまの健康状態とこれまでの病気やけがを、正確に伝える決まりがあります。過去の病気によっては、加入できない場合もあります(日本損害保険協会)。

犬が他人にけがをさせたときは、ペット保険で補償される?

保険会社によっては「ペット賠償責任特約」があり、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償します(日本損害保険協会)。

犬の保険は、年間診療費で自己負担を計算してから、審査と更新の条件を確かめよう

犬の保険は、年間診療費に「1 − 補償割合」をかけて、自己負担を計算してみましょう。たとえば10歳以上の平均値172,742円を、窓口で払った額とみなして計算します。免責と限度額を入れなければ、補償割合70%で自己負担は51,823円です。

そのうえで、加入の審査と更新の条件、補償の対象外になるものを、重要事項説明書で確かめましょう。賠償の特約は、契約中の保険と重なっていないかも見ておきましょう。

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出典・参考

  • アニコム『家庭どうぶつ白書2025』第2部 どうぶつの疾患統計(1冊版) (確認日 2026-10-24・HTTP 200。印字 p.11〔請求割合の定義〕・p.12〔2-1-1 犬の疾患(大分類単位)の請求割合〕・p.60〔2-3-2 犬の年齢帯別の年間診療費〕。PDF n 枚目=印字 p.(n+10)) https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2.pdf
  • 日本損害保険協会「ペット保険」 (更新 2022-01-18・確認日 2026-10-24・HTTP 200) https://www.sonpo.or.jp/insurance/pet/index.html
  • アニコム損害保険株式会社「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」(2026年3月11日) (契約者へのインターネットのアンケート・犬のペット保険料〔ページ内の表の画像〕・HTTP 200)(確認日 2026-10-24) https://www.anicom-sompo.co.jp/news-release/2025/20260311/

この記事について

内容確認日: 2026-10-24。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。

この記事を書いた人

うちのこ家系図 編集部

編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。

  • 血統書・犬猫の健康・暮らしの手続きを、公的機関や登録団体の資料にあたって書いています。
  • 記事の下書きと図の作成には AI を使っています。サイトの方針と出典の基準は運営者が決めています。照合は AI が行い、その結果を運営者が報告で確認しています。公開してよいかは、運営者が決めて承認した基準で判断します(書いたものとは別の AI の監査と機械の検査)。
  • 獣医師の監修はまだ付いていません。監修が付いた記事には、その旨を記事に表示します。

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