猫のはなし 更新
猫のおしっこの回数|家での数え方と、数え漏れ
公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

目次
うちの子は、1日に何回おしっこをしているのだろう。トイレの砂をかえながら、ふとそう思うことがあります。
この記事では、トイレの上にビデオを置いて14日間数えた研究(2017年)を紹介します。健康な猫の回数と、家で数えるときの数え漏れが分かります。
先に伝えておくと、この研究で目立ったのは「回数の目安」よりも、「家で数えると少なく出やすい」という点でした。そこで後半は、数え方の決め方と、記録の残し方、病院へ行く目安を書きます。
結論|ビデオで数えた研究では、健康な猫は1日2回ほど
要点: ビデオで14日間数えた2017年の研究で、健康な猫11頭の1日の平均は2.1回でした。ふたの無いトイレを使う室内の猫の数字で、「何回までが普通」と決める線ではありません。
猫は1日に何回おしっこをするのか。その答えのひとつが、米国のミシガン州立大学の研究チームが2017年に獣医内科学の学術誌へ発表した研究にあります。
研究では、19頭の猫のトイレの上にビデオを置き、14日間記録しました。
内訳は、健康な猫11頭(去勢したオス7頭・避妊したメス4頭)と、おしっこの様子が変わりうる病気のある猫8頭です。
ビデオで数えた1日あたりの平均は、健康な猫11頭で2.1回でした。
この数字には、前置きがあります。対象は1〜15歳の完全室内の猫で、トイレは4つまで。どれもふたの無いトイレでした。
つまり2.1回は、「この11頭の平均」です。猫全体の基準として使える数字ではありません。
うちの子のおしっこの様子を、日付といっしょに残しておく方法は、うちの子の家系図をつくる(無料)で始められます。
飼い主の目では、4回に1回ほどしか気づけなかった
ビデオと飼い主の報告を合わせて632回のおしっこがあり、飼い主が気づいたのは169回(約27%)でした。毎日、記録用紙をつけていても、この差が出ています。
同じ研究では、飼い主にも毎日、決まった記録用紙におしっこの回数をつけてもらい、ビデオの記録と比べました。
19頭・14日間の合計は、次のとおりです。
| 数えたもの | 回数 | 全体(632回)に対する割合 |
|---|---|---|
| ビデオ | 623回 | 99% |
| 飼い主の記録 | 169回 | 27% |
飼い主が気づけたのは、全体の4回に1回ほどでした。19頭のうち5頭は、14日間、一度も飼い主にトイレで見られていません。
1日あたりにすると、ビデオは2.5回、飼い主の記録は0.6回で、4倍ほどの差がありました。
この2.5回は、19頭すべての平均です。前の見出しの、健康な猫の2.1回とは、数えた猫の集まりが違います。

この研究の範囲では、家で数えた数字は、実際より少なく出ていました。
ただし、これは家で数えると見落としが出やすいという話で、少なく見えても心配いらないという意味ではありません。いつもと違うと感じたら、動物病院に相談してください。
回数は日によって変わる
ビデオで見ると、健康な猫11頭のうち9頭は、日によって回数が1回を超えて変わっていました。1日分だけでは、ふだんの回数をつかみにくいようです。
同じ猫でも、毎日同じ回数とは限りません。
研究では、ビデオで見ると、健康な猫11頭のうち9頭が、日によって1日の回数が1回を超えて変わっていました。飼い主の記録でも、11頭のうち5頭に同じ変化がありました。
論文は、おしっこの回数は、量や体の状態のほかにも変わりうると書いています。暮らしの環境、気持ち、食べ物や飲む水の量などです。
ですから、その猫のふだんの回数をつかむには、1日分では足りません。何日か続けて数えると、ふだんの回数に近づけます。
では、何回から多いと言えるのでしょうか。論文の著者は、回数が多いと言える線を数字ではっきり決めた研究を知らない、と書いています(2017年の論文)。
この記事も、数字の線は引きません。2017年より新しい研究として、2026年に発表された予備的な研究も確かめました。家で暮らす健康な猫9頭のトイレの出入りを記録した研究です。ただ、おしっこと便を分けずに数えていて、1日のおしっこの回数の数字は載っていません。
家での数え方|時間と方法を決めておく
論文は、飼い主が数え漏れやすくなる理由をいくつか挙げています。2017年の時点で決まった数え方は無く、方法を組み合わせるのがよいかもしれない、とも書いています。数え方の工夫は、この記事の一般的な考え方です。
論文の冒頭は、飼い主が回数を正確に数えにくくなる理由として、次のようなことを挙げています。
- 直接見ていられる時間が限られる
- 家にトイレ、猫、世話をする人が複数いる
- トイレが人目につかない場所にある
- ふた付きのトイレを使っている
- 人目を避けたり、夜にしたりする猫がいる
- あとから思い出して記録する
これは研究の結果ではなく、論文の冒頭で、数えにくくなる理由として整理されていることです。
論文は、家で暮らす猫のトイレの様子を数える方法に、決まった正解はまだ無いとも書いています(2017年の論文)。いくつかの方法を組み合わせるのがよいかもしれない、という書き方です。
ここからは、この記事の考えです。研究が勧める方法ではありません。
数え漏れを減らすには、「いつ、どう数えるか」を先に決めておくのが近道です。
- 期間を決める:1日だけでなく、何日か続けて数える
- 場面を決める:トイレそうじのときに数えて書く。見かけたら、そのときもメモする
- 家の条件を書いておく:トイレの数、猫の数、世話をする家族を、最初に書いておく
- 同じ方法で続ける:途中で数え方を変えない
- 完璧をめざさない:数え漏れは出るものだと割り切る
固まる砂なら、そうじのときの固まりの数が目安になります。ただし、固まりが重なったり、猫が複数いて誰のものか分からなかったりします。
正確な回数としては扱わず、「数え方つきの目安」として残しておきます。
数えた回数を、日付と一緒に残す
数えた回数は、日付と数え方をそえて残すと、あとから見返せます。「いつもの回数」が分かれば、「いつもと違う」に気づく手がかりになります。
回数の数字そのものより、「いつ、どう数えた数字か」が分かる記録のほうが、あとで役に立ちます。
1日1行で十分です。日付、数えた回数、数え方(そうじのときに数えた、など)の3つがあれば足ります。
数え方が変わると、前の数字と比べられなくなります。数え方も一緒に書いておくと、見返したときに数字の意味が分かります。
表 おしっこの回数の記録の見本(記入例)
| 日付 | 数えた回数 | 数え方 |
|---|---|---|
| 10月1日 | 2回 | そうじのときに固まりを数えた |
| 10月2日 | 3回 | そうじのときに数え、見かけた1回を足した |
| 10月3日 | 2回 | そうじのときに固まりを数えた |
うちのこ家系図 編集部作成(記入例は架空です)
水を飲む量や尿の量の記録については、水を飲む量や尿の量を残しておく意味で紹介しています。
毎日ぜんぶ書かなくても続けられます。記録を続けるコツもあわせてどうぞ。
病院へ行く目安
おしっこが、ほとんど出ない時は、記録をつける前にすぐ動物病院へ。尿道がふさがる「尿道閉塞」は、ただちに治療が必要な緊急事態とされています。
猫の下部尿路の病気について、Cornell Feline Health Center の頁は、おしっこの時に次のような様子が見られると書いています。
- 出しにくそう、痛そうにしている
- おしっこの回数が増える
- おしっこをしながら鳴く
- おしっこに血が混じる
- トイレ以外の場所でする
- 陰部をしきりになめる
そのうち、尿道がふさがった猫は、同じような様子に加えて、おしっこがほとんど出ないか、まったく出ないとされています。力んだり、何度もトイレに行ったりするのに、ほとんど出ません。時間がたつにつれて、苦しがって鳴くことが多くなるとも書かれています。
同じ頁は、尿道閉塞を、ただちに獣医師の治療が必要な絶対的な緊急事態と説明しています。完全にふさがってから死に至るまでの時間は、24〜48時間より短いこともあるため、すぐ治療を受けることが欠かせない、とされています。
おしっこが出ない、トイレに何度も行くのにほとんど出ない時は、様子を見ずに、すぐ動物病院に連絡してください。夜間や休日は、夜間に診てくれる動物病院を探します。
上のほかの様子(血が混じる、トイレ以外でする、回数が増えるなど)も、いつもと違うと感じたら動物病院に相談してください。回数の数字は、いつもとの違いに気づく手がかりです。何回なら大丈夫、という線を決めるものではありません。
おしっこに血が混じる時の見方と記録は、猫の血尿|原因と一緒に見る様子・おしっこの記録と病院へ行く目安にまとめています。
参考:Cornell Feline Health Center「Feline Lower Urinary Tract Disease」(2016年10月更新)
よくある質問
Q. 猫は1日に何回おしっこをしますか?
ビデオで14日間数えた2017年の研究では、この研究の健康な猫11頭の1日の平均は2.1回でした。ふたの無いトイレを使う室内の猫の数字で、日によっても変わります。猫全体の基準ではありません。
Q. 何回以上だと多いのでしょうか?
回数がどこから多いかを数字で決めた研究を知らない、と2017年の論文の著者は書いています。この記事も線を引きません。いつもと違うと感じたら、動物病院に相談してください。
Q. おしっこがほとんど出ない時は、どうすればよいですか?
尿道がふさがった緊急事態の場合があります。完全にふさがってから死に至るまで24〜48時間より短いこともあるため、すぐ動物病院へ連絡してください。
Q. 実験室で飼われた猫と、家の猫で回数は違いますか?
論文によると、家の猫(健康な11頭)の2.1回は、実験室で飼われた猫の数字より低めでした。
論文は、別の研究も紹介しています。実験室で1頭ずつ専用のケージで飼われた健康な成猫が、1日2.4〜3.0回だったという内容です。
研究どうしは、猫の環境も数え方も違います。数字だけを並べて、多い少ないを決めることはできません。
回数の数字を探すより、数え方を決めて日付つきで残そう
- ビデオで14日間数えた2017年の研究では、健康な猫11頭の1日の平均は2.1回(ふたの無いトイレを使う室内の猫)
- 飼い主が気づけたのは、全632回のうち169回(約27%)。19頭のうち5頭は、一度もトイレで見られなかった
- 健康な猫11頭のうち9頭は、日によって回数が1回を超えて変わっていた
- 回数がどこから多いかを数字で決めた研究を、2017年の論文の著者は知らないと書いている
- 期間・場面・方法を先に決めて、日付と数え方をそえて残しておく
- おしっこがほとんど出ない時は尿道閉塞のおそれがあり、記録より先にすぐ動物病院へ(Cornell)
回数の数字を探すより、自分の家での「いつもの回数」を、同じやり方で知っておくことが役に立ちます。いつもと違うと感じたら、動物病院に相談してください。
本記事は参考情報です。この記事は猫のおしっこの回数についての一般的な紹介であり、診断・治療方針を示すものではありません。うちの子の様子については、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。 論文(J Vet Intern Med 2017)の記述は2026年10月2日に、Cornell Feline Health Center の頁の記述は2026年10月24日に確認したものです。
出典・参考
- Dulaney DR, Hopfensperger M, Malinowski R, Hauptman J, Kruger JM. "Quantification of Urine Elimination Behaviors in Cats with a Video Recording System." J Vet Intern Med. 2017;31(2):486-491. doi:10.1111/jvim.14680 (確認日 2026-10-02・Chrome UAでHTTP 200。Abstract・Study Population・Outcomes・Results・Discussion を原文照合) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5354006/
- Cornell Feline Health Center. Feline Lower Urinary Tract Disease(Updated October 2016) (確認日 2026-10-24・HTTP 200。Clinical Signs・尿道閉塞の段を原文照合。受診の目安の章だけに使用) https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/feline-lower-urinary-tract-disease
- Migny R, Concordet D, Reynolds BS. "Characterising individual feeding and elimination behaviours in healthy cats using a connected smart feeder and litter box: a preliminary study." J Feline Med Surg. 2026. doi:10.1177/1098612x251414320 (確認日 2026-10-02・Chrome UAでHTTP 200。Methods・Results を原文照合。対象の頭数と暮らし方、尿と便を分けずに記録していることの確認に使用。1日の排尿回数の数字は無い) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12905059/
この記事について
内容確認日: 2026-10-02。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。
つづけて読む
猫の健康診断|頻度の考え方と、結果を「推移」で残すということ
猫は不調を隠すとされ、健康診断のタイミングを決めかねている飼い主も多いはずです。米国の団体(AAHA/AAFP)が公表しているライフステージ別ガイドラインをもとに頻度の考え方を整理し、健診で見ている項目、そして結果を「推移」で残すことがなぜ役立つのかを紹介します。
よむ猫のはなし猫の遺伝病一覧|猫種ごとに報告が多いとされる病気と家系での備え
猫の遺伝性疾患には、心臓、腎臓、骨・関節など、体のどこに関わるかで様々な種類があります。埼玉県獣医師会・東京都動物愛護相談センターの情報をもとに、猫種によって報告の傾向が異なるとされる理由から、代表的な病気の全体像、遺伝子検査という選択肢まで整理しました。
よむ猫のはなし猫の肥大型心筋症(HCM)|報告が多いとされる猫種と家系での備え
猫の肥大型心筋症(HCM)とは何か。メインクーン・ラグドールで報告される遺伝子変異、心雑音との関係、遺伝子検査でわかることとわからないことを、MSD獣医マニュアルと学術論文をもとに整理しました。診療助言・治療法には触れません。
よむこの記事を書いた人
うちのこ家系図 編集部
編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。
- 血統書・犬猫の健康・暮らしの手続きを、公的機関や登録団体の資料にあたって書いています。
- 記事の下書きと図の作成には AI を使っています。サイトの方針と出典の基準は運営者が決めています。照合は AI が行い、その結果を運営者が報告で確認しています。公開してよいかは、運営者が決めて承認した基準で判断します(書いたものとは別の AI の監査と機械の検査)。
- 獣医師の監修はまだ付いていません。監修が付いた記事には、その旨を記事に表示します。
