パグの性格と特徴|歴史・暑さとの付き合い方と家系の話
内容確認日 2026-09-04・うちのこ家系図 読みもの

目次
しわの寄った顔に、くるりと巻いた尾。パグの見た目の印象は誰にでもすぐ分かりますが、犬種標準にはその見た目以上に「愛嬌」「威厳」「活発」という言葉が並んでいます。
先に要点をまとめます。
- 原産国は中国、用途は「コンパニオン・ドッグ」(JKC・FCI共通)
- 理想体重は6.3〜8.1kg。「サブスタンスと過体重を混同してはならない」と犬種標準に明記
- 犬種標準の性格欄は「かなりの愛嬌があり、威厳と理解力がある。安定した性格で、愉快で、活発な性格」
- 毛色はシルバー・アプリコット・フォーン・ブラックの4色。トレース(背中のライン)とマスクのコントラストがはっきりしていることが条件
- 東洋起源とされ、オランダ東インド会社の商人とともに1500年代にヨーロッパへ渡ったと伝えられている
この記事で使うのは、JKCの日本語版とFCIの英語版、2つの犬種標準の原文です。健康面は末尾で軽く触れるにとどめ、壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)ほかで報告のある傾向と家系での備えに譲ります。
成り立ち|東洋起源とされ、東インド会社の商人とともにヨーロッパへ
要点: 原産国は中国とされ、短吻犬(短い鼻づらの犬)が古くから好まれてきた土地です。オランダ東インド会社の商人とともに1500年代にヨーロッパへ渡り、王室のシンボルにもなったと伝えられています。
「パグの成り立ちについて知りたいです」——JKCが紹介する沿革を見てみます。
JKCの沿革はこう説明しています。「この犬種の起源については幾つか推測されているが、どうやら東洋から来たようである。この犬種の原産国には短吻犬が常に好まれてきた中国が挙げられている。オランダの東インド会社の商人と共にヨーロッパに渡り、オランダで称賛されたのは1500年代まで遡る。実際、パグは王室のシンボルにもなっている。パグはウィリアムⅢ世が王位についた際にイギリスに到着した」。
毛色の歴史についても具体的な記述があります。「1877年まではフォーンのみがみられたが、その年に東洋からペアのブラックが紹介された」(JKC)。現在は複数の毛色が認められている犬種ですが、ブラックが記録に登場するのは19世紀後半になってからだったことが分かります。
性格|「かなりの愛嬌」と「威厳」を併せ持つ気質

要点: 犬種標準の性格欄は「かなりの愛嬌があり、威厳と理解力がある。安定した性格で、愉快で、活発な性格」と説明しています。FCI原文の「Great charm, dignity and intelligence」がその核になっています。
JKCは性格をこう記します。「かなりの愛嬌があり、威厳と理解力がある。安定した性格で、愉快で、活発な性格である」。FCI犬種標準の原文はこれを「Great charm, dignity and intelligence. Even-tempered, happy and lively disposition.」——大きな愛嬌・威厳・知性を持ち、気質は安定して幸せで活発、と表現しています(FCI)。
「愛嬌」と「威厳」という一見相反しそうな2つの言葉が並んでいるのが、この犬種標準の特徴です。人懐こく愉快な一面と、堂々とした落ち着きのある一面の両方が、犬種として求められる性質として明記されています。
大きさ・体重の目安|「サブスタンスと過体重を混同してはならない」

要点: 理想体重は6.3〜8.1kg。犬種標準は「堅固な筋肉質だが、サブスタンスと過体重を混同してはならない」と明記しています。
JKCのサイズの項は「理想体重:6.3 kg〜8.1 kg」「堅固な筋肉質だが、サブスタンスと過体重を混同してはならない」としています。一般外貌の項にも「明らかにスクエアで、コビーで、『入れ物は小さくても内容は豊富』である体躯はコンパクトで、引き締まったプロポーションで、筋肉は堅く、決して脚が短かったり、長く見えたりしてはならない」とあります。
「サブスタンス(筋肉質でがっしりした体つき)」と「過体重」を明確に区別する一文が犬種標準に含まれているのは、この犬種が体重管理の面で注意を要すると考えられていることの表れとも読めます。
体のつくりと暑さとの付き合い方

要点: パグは短頭種と呼ばれる犬種のグループに含まれます。体のつくりに由来する暑さとの付き合い方については、犬種を横断した専用記事に詳しくまとめています。
しわの寄った顔立ちと短い鼻づらは、この犬種を一目で見分ける特徴です。この体のつくりに由来する暑さとの付き合い方は、パグだけの話ではなく、複数の短頭種にまたがる話題のため、短頭種気道症候群とは|短頭種の犬種と、暮らしで知っておきたいことで犬種横断に整理しています。しわの手入れの頻度や方法についても、この記事の範囲を超えるため、気になる場合は獣医師にご相談ください。
毛色|シルバー・アプリコット・フォーン・ブラックの4色

要点: 犬種標準が認める毛色はシルバー・アプリコット・フォーン・ブラックの4色です。トレース(首から尾にかけてのブラックのライン)とマスクのコントラストがはっきりしていることが条件とされています。
JKCの毛色の項は「シルバー、アプリコット、フォーンまたはブラック。どの色も大変明瞭で、トレース(オクシパットから尾にかけてのブラックのライン)やマスクのコントラストもはっきりしている。マーキングは明瞭である。マズル、マスク、耳、頬の上のほくろ、サム・マーク、前頭部のダイヤモンド、トレースは黒いほどよい」としています。聞き慣れない言葉が並びますが、「マスク」は鼻づらまわりの黒い部分、「サム・マーク」は額に親指を押しつけたように見える黒い斑、「前頭部のダイヤモンド」は額に現れるひし形のしわのことです。単なる色の種類だけでなく、こうしたコントラストの明瞭さという質の面まで犬種標準に規定されているのが特徴です。毛色が受け継がれる仕組みについては犬の毛色はどう決まる?遺伝のしくみをやさしく図解で扱っています。
健康面で知っておきたいこと
要点: JKCが公開する2疾患のリスト(股関節形成不全症・肘関節異形成症)には、この記事の執筆時点でパグの名前がありません。神経・呼吸・目まわりで報告のある体質は、専用記事で扱っています。
JKCが公開している「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」を確認したところ、股関節形成不全症(HD)34犬種・肘関節異形成症(ED)18犬種のいずれの欄にもパグの名前はありませんでした。このリストに載っていないことは「発症しない」という意味ではなく、あくまで掲載されている犬種の範囲を示す資料です。
一方で、体のつくりに由来する体質として、神経・呼吸・目まわりの傾向が資料の中で挙げられています。深掘りはパグのかかりやすい病気と遺伝病|壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)と寿命・家系での備えにまとめました。気になる様子があれば、自己判断せず獣医師に相談してください。
家系でできること

要点: 血統書には両親犬とお迎え元が記されています。犬種標準が「サブスタンスと過体重を混同してはならない」と書く体つきが、両親犬の代でどうだったかを残しておくと、うちの子の体格を見るときの物差しになります。
がっしりした体つきなのか、それとも重さがついてきたのか。その線引きは、犬種標準の数字だけでは決まりません。両親犬がどんな体格だったか、同じ実家(お迎え元)の兄弟犬がどう育ったかを並べて見ると、うちの子の変化に気づきやすくなります。両親犬をたどる出発点は血統書で、その読み方は血統書の見方にまとめています。
よくある質問
Q. パグとビーグルを交配した「パグル」について知りたいです。参考になりますか?
一部は手がかりになります。愛嬌のある気質やしわの寄った顔立ちは、パグ側から出ていることが多い特徴です。ただし体格・被毛・鼻づらの長さは、掛け合わせた相手の影響を強く受けます。この記事の犬種標準の数字を、そのまま当てはめて考えることはできません。どの犬種同士の組み合わせがあるかはミックス犬(雑種)の種類|組み合わせ別一覧で紹介しています。
Q. いびきが大きいのですが、これは体のつくりのせいですか?
鼻づらが短い犬種で共通して語られる話題で、パグに固有のものではありません。犬種をまたいだ整理は短頭種気道症候群とはにまとめています。音の大きさや呼吸の様子で気になることがあれば、獣医師にご相談ください。
Q. 病気について知りたいです。
体質として名前が挙がる病気はパグのかかりやすい病気と遺伝病|壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)と寿命・家系での備えにまとめています。
まとめ|「愛嬌」と「威厳」を併せ持つ短頭種
- 理想体重は6.3〜8.1kg。「サブスタンスと過体重を混同してはならない」と犬種標準に明記
- 性格欄は「かなりの愛嬌があり、威厳と理解力がある。安定した性格で、愉快で、活発」
- 毛色はシルバー・アプリコット・フォーン・ブラックの4色。トレースとマスクのコントラストが条件
- 東洋起源とされ、東インド会社の商人とともに1500年代にヨーロッパへ渡ったと伝えられている
- 短頭種として、体のつくりに由来する暑さとの付き合い方が知られている
- 健康面は壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)ほかの傾向と家系での備えへ
その体つきと愛嬌が、どの代から続いているのか。血統書をきっかけに、うちの子の家系図を組み立ててみませんか。
本記事は参考情報です。ここで紹介した犬種標準の文言は、犬種を審査するための基準として書かれたもので、飼い方の手引きではありません。うちの子の体重や体調についての判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。 記事中のデータは2026年9月4日にJKCの犬種ページとFCI-Standard No.253のPDFで確認したものです。
出典・参考
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「パグ」 (確認日 2026-09-04。最終更新日2025年03月05日・FCIスタンダードNo.253準拠と明記。Chrome UAでHTTP 200取得し、沿革・一般外貌・習性/性格・毛色・サイズの各項を逐語照合) https://www.jkc.or.jp/breeds/pug/
- FCI(Fédération Cynologique Internationale)"FCI-Standard N° 253 PUG"(07.09.2023/EN) (確認日 2026-09-04。PDF原文を取得しBRIEF HISTORICAL SUMMARY・BEHAVIOUR AND TEMPERAMENTの項を逐語照合) https://www.fci.be/Nomenclature/Standards/253g09-en.pdf
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「発生リスクが高いと考えられている犬種リスト」 (確認日 2026-09-04。HTMLのtable要素を直接取得して機械的に抽出。HD欄34犬種・ED欄18犬種のいずれにもパグの記載はない) https://www.jkc.or.jp/forms/typelist/
この記事について
内容確認日: 2026-09-04(この日時点の一次情報にもとづいています)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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