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犬の狂犬病|症状・潜伏期・予防注射が義務の理由

公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

うちの子の家系図を撮ってはじめる
イラスト:明るい玄関で、父親と子どもが散歩から帰った中型の雑種犬を迎え、子どもが首輪の小さな札に触れている
目次
  1. 1狂犬病とはどんな病気?
  2. 2犬に出る症状と、うつってから出るまでの期間
  3. 3日本と世界の発生状況
  4. 4日本で犬の予防注射が義務になっている理由
  5. 5海外で動物にかまれた時は?
  6. 6よくある質問
  7. 7日本は今、狂犬病の発生がない国。犬の予防注射と登録で、万一の侵入に備えよう

狂犬病は、ウイルスを持つ犬・猫・コウモリなどの動物にかまれたり引っかかれたりして主にうつる病気で、症状が出るとほぼ100%亡くなります(国立健康危機管理研究機構)。ただし人は、感染した疑いがあるとき、かまれた直後からワクチンを続けて受けると、発症を抑えられます(厚生労働省)。

日本では今、犬などを含めて狂犬病の発生はありません(厚労省)。海外で動物にかまれた時の動きは、5つ目の章にまとめています。

狂犬病とはどんな病気?

狂犬病は、人を含むすべての哺乳類がかかるウイルスの病気です(厚生労働省)。症状が出ると、人も動物もほぼ100%亡くなります。ただし人は、かまれた直後からワクチンを続けて受けると、発症を抑えられます(厚労省)。

人の場合、かまれてから症状が出るまでは1〜3か月ほどです。はじめは、発熱・食欲不振・かまれた所の痛みやかゆみが出ます。そのあと、不安感、水や風を怖がる、興奮、まひ、幻覚、混乱などの神経の症状が出ます(厚労省)。

うつるのは、主に狂犬病にかかった動物にかまれ、だ液(つば)の中のウイルスが傷口から体に入る時です(厚労省)。動物は前足をなめるので、ウイルスの付いたツメで引っかかれても、うつることがあります(厚生労働省検疫所)。ふつう、人から人にはうつりません(厚労省)。

傷口を家の戸のすきまにたとえると、ウイルスはそのすきまから入りこみます。

人の狂犬病のうち、最大99%は犬からうつったものとされています(WHO)。

参考:厚労省『狂犬病』(確認日 2026-10-24)リンク

参考:厚労省『狂犬病に関するQ&A』(Q1・Q2・Q10)リンク

参考:国立健康危機管理研究機構『狂犬病』(2025)リンク

参考:WHO『Rabies』(2026・Key facts と Overview の段)リンク

参考:検疫所『狂犬病(Rabies)』(2024)リンク

犬に出る症状と、うつってから出るまでの期間

犬は、ウイルスがうつってから症状が出るまでに、2週間から2か月ほどかかります(厚生労働省)。

この症状が出るまでの期間は「潜伏期」と呼ばれます(厚労省)。種をまいてから芽が出るまでの間にたとえると、まだ何も見えない時間です。

犬の狂犬病には、「狂騒型」と「麻痺型」と言われるタイプがあります(厚労省)。

犬の狂犬病の2つのタイプ

タイプ様子
狂騒型ひどく興奮して、攻撃的な行動を見せる
麻痺型体の後ろ半分から前のほうへまひが広がり、食べ物や水を飲み込めなくなる

出典:厚生労働省『狂犬病に関するQ&A』(Q6)

狂犬病の少ない地域では、特に診断が難しいとされています。初めのうちは、ほかの病気やふつうの攻撃的な性質と取り違えやすいと、MSD獣医マニュアルは書いています。

ここに書いたのは、狂犬病にかかった犬の経過の説明です。日本の発生状況は、次の章にまとめています。

参考:厚労省『狂犬病』(確認日 2026-10-24)リンク

参考:厚労省『狂犬病に関するQ&A』(Q6)リンク

参考:MSD『Rabies in Dogs』(2024)リンク

日本と世界の発生状況

日本国内では、人は1956年、動物は1957年の猫を最後に発生がなく、今の日本は狂犬病の発生のない国です(厚生労働省)。なお、海外の流行国で犬にかまれ、日本で発症した例が、1970年に1例、2006年に2例、2020年に1例あります(厚労省)。

日本の狂犬病の発生状況(人の死者数と犬の発生数)

年人の死者数犬の発生数輸入症例(かまれた国)
1953年3人176頭—
1954年1人98頭—
1955年0人23頭—
1956年1人6頭—
1970年1人発生なしネパールで犬にかまれ、帰国後に発病
2006年2人発生なしフィリピンで犬にかまれ、帰国後に発病
2020年1人発生なしフィリピンで犬にかまれ、入国後に発病

出典:厚生労働省『狂犬病』(わが国における発生状況の表)

表の犬の発生数を、グラフにしました。

日本の犬の狂犬病の発生数の棒グラフ。1953年176頭、1954年98頭、1955年23頭、1956年6頭
日本の犬の狂犬病の発生数(1953〜1956年)出典:厚生労働省『狂犬病』の表をもとに作成

狂犬病は、日本、英国、スカンジナビア半島の国々など一部を除いて、世界中にあります(厚労省)。狂犬病がとくに深刻なのは、アジアとアフリカです(WHO)。世界では毎年数万人が亡くなり、その4割は15歳未満の子どもだと、WHOは書いています。

死者数の推計は、資料の版によって年が違います。

世界の狂犬病による年間の死者数の推計

推計の年年間の死者数載っている資料
2021年44,203人WHOの今の資料
2017年59,000人(アジア35,000人・アフリカ21,000人)厚生労働省が載せるWHOの数

出典:WHO『Rabies』(2026)、厚生労働省『狂犬病』

2つは年が違う推計なので、数の差は比べられません。WHOは、実際の死者数は不確かだとも書いています。監視の弱さや見落とし・誤診のために、かなり少なく数えられている可能性があるためです(WHO)。

参考:厚労省『狂犬病』(確認日 2026-10-24)リンク

参考:厚労省『狂犬病に関するQ&A』(Q8)リンク

参考:WHO『Rabies』(2026)リンク

日本で犬の予防注射が義務になっている理由

日本で飼い犬への予防注射が義務なのは、犬の間で広がるのを防ぎ、人への被害を防ぐためです。狂犬病が入ってきた時に備える意味もあります(厚生労働省)。

狂犬病を広げる動物は限られていて、アジアなどの流行国では、犬が主に広げています(厚労省)。犬には、予防として年1回の予防接種が義務づけられています(厚労省)。

日本は、狂犬病予防法のもとで、犬の登録・予防注射・野犬などの抑留を徹底し、7年で国内の狂犬病をなくしました(厚労省)。抑留は、野犬などを捕まえて留めておくことです。

それでも、日本のまわりの国を含む世界のほとんどの地域では、狂犬病がまだ発生しています。日本にいつ入ってきてもおかしくないため、万一の侵入に備えた対策が大切です(厚労省)。

みんなが家の戸じまりをしておくと、町全体の守りが固くなるようなものです。

犬の飼い主は、社会への務めとして、犬の登録と年1回の予防注射を必ず行うよう求められています(厚労省)。

91日齢以上の犬の所有者は、その犬を所有してから30日以内に、市町村に犬の登録をします。鑑札の交付を受け、予防注射を受けさせて注射済票の交付も受けます。鑑札と注射済票は、必ず犬に付けます(厚労省)。

登録していない・予防注射を受けさせていない・鑑札や注射済票を付けていない所有者は、20万円以下の罰金の対象です。そうした犬は、捕獲・抑留の対象にもなります(厚労省)。

日本の犬の登録頭数と、予防注射を受けた頭数は、厚生労働省が毎年度まとめています。

日本の犬の登録頭数と予防注射頭数(令和2〜6年度)

年度登録頭数予防注射頭数注射頭数 ÷ 登録頭数
令和2年度6,107,548頭4,286,980頭70.2%
令和3年度6,095,250頭4,320,473頭70.9%
令和4年度6,067,716頭4,299,587頭70.9%
令和5年度6,054,519頭4,251,135頭70.2%
令和6年度6,048,725頭4,281,702頭70.8%

出典:厚生労働省『犬の登録頭数と予防注射頭数等の年次別推移』。右の列は編集部の割り算で、厚生労働省が出した率ではありません

この割り算は、登録した犬のうち何頭が受けたかを表すとは限りません。厚生労働省の表に載っているのは、それぞれの頭数だけです。

受ける時期・場所・手数料の手続きは、別の記事にまとめています。

あわせて読む:犬の狂犬病予防接種はいつ・どこで・いくら?2027年の通年化も

あわせて読む:子犬のワクチンのスケジュール|法律で決まっているものと、そうでないもの・残しておく紙の話

猫の場合の役所の手続きは、猫が亡くなったときの手続きと血統書|届出・マイクロチップ・記録に書いています。

参考:厚労省『狂犬病に関するQ&A』(Q20・Q22・Q24)リンク

参考:厚労省『犬の登録頭数と予防注射頭数等の年次別推移』(昭和35年〜令和6年度)リンク

参考:厚労省『狂犬病』(確認日 2026-10-24)リンク

海外で動物にかまれた時は?

日本国内では狂犬病の発生がないので、国内でかまれても、狂犬病がうつる心配はありません(厚生労働省)。かまれた傷そのものの手当ては、ふだんどおり病院で受けてください。

海外の流行国で、狂犬病が疑われる犬・猫・野生動物にかまれたら、まず傷口を石けんと水でよく洗い流します。そして、できるだけ早く医療機関を受診してください。かまれたのに受診しないまま帰国した場合は、最寄りの保健所か医療機関に相談してください。

人のワクチンには、かまれた後に受ける曝露後ワクチンと、かまれる前に受ける曝露前ワクチンがあります。

曝露後ワクチンは、感染した可能性があるとき、できるだけ早く始めます。初回だけでなく、決まった回数を何回か受ける必要があります(厚労省)。WHOは、前に予防接種を受けた記録がはっきりしている人なら、接種初日と3日後の2回とすると、厚生労働省は紹介しています。

曝露前ワクチンは、流行地へ行く人のうち、動物との接触を避けられない人や、近くに医療機関がない地域に長く滞在する人に勧められています。渡航前に3回受けるのが推奨で、WHOは少なくとも2回が重要としています(厚労省)。

曝露前に受けていても、かまれて感染した可能性があれば、曝露後のワクチンが必要です。日本で医薬品として流通している狂犬病ワクチンは1種類です。受け方は、医師とよく相談してください(厚労省)。

参考:厚労省『狂犬病に関するQ&A』(Q11・Q13・Q14・Q17)リンク

よくある質問

Q. 日本国内で犬にかまれたら、狂犬病にうつりますか?

日本国内では狂犬病の発生がないので、感染の心配はありません。かまれた傷の手当ては、ふだんどおり病院で受けてください(厚生労働省)。

Q. 犬に予防注射を受けさせないと、どうなりますか?

予防注射を受けさせていない所有者は、20万円以下の罰金の対象です。その犬は、捕獲・抑留の対象にもなります(厚生労働省)。

Q. 狂犬病を発症したら、治療できますか?

発症すると効果的な治療法はなく、ほぼ100%の人が亡くなります。感染した疑いがあれば、直後から続けてワクチンを受けると、発症を抑えられます(厚生労働省)。

Q. 犬は、うつってからどのくらいで症状が出ますか?

犬は、ウイルスがうつってから症状が出るまでに、2週間から2か月ほどかかります。この期間を潜伏期と呼びます(厚生労働省)。

Q. 日本で最後に狂犬病が出たのはいつですか?

国内では人が1956年、動物は1957年の猫が最後です。海外で犬にかまれ、帰国後に発症した人は、1970年・2006年・2020年にいます(厚生労働省)。

日本は今、狂犬病の発生がない国。犬の予防注射と登録で、万一の侵入に備えよう

日本では今、犬などを含めて狂犬病の発生はありません。ただ、まわりの国ではまだ発生していて、いつ入ってきてもおかしくありません(厚生労働省)。犬の飼い主は、犬の登録と年1回の予防注射を、決まりとして守りましょう。

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体重は、写真と一緒に 1 回で記録

4.0kg3.0kg2.0kg1.0kg0.0kg3.2kg8月3.3kg9月3.4kg10月
トイ・プードルのココ

画面はイメージです(架空の子の見本)。

出典・参考

この記事について

内容確認日: 2026-10-24。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。

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この記事を書いた人

うちのこ家系図 編集部

編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。

  • 血統書・犬猫の健康・暮らしの手続きを、公的機関や登録団体の資料にあたって書いています。
  • 記事の下書きと図の作成には AI を使っています。サイトの方針と出典の基準は運営者が決めています。照合は AI が行い、その結果を運営者が報告で確認しています。公開してよいかは、運営者が決めて承認した基準で判断します(書いたものとは別の AI の監査と機械の検査)。
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