猫のはなし

猫が亡くなったときの手続きと血統書|届出・マイクロチップ・記録

内容確認日 2026-09-02うちのこ家系図 読みもの

猫の首輪と血統書が並ぶ窓辺。犬とは異なり、猫には自治体への登録制度がない
目次
  1. 1猫には狂犬病予防法の登録・死亡届がない|役所への死亡届は原則不要
  2. 2必要になるのはマイクロチップの届出|猫も対象です
  3. 3猫の血統書は団体ごとに扱いが違う|JCCは死亡日を書いて郵送、ZCCは案内なし
  4. 4血統書を送る前に、控えておきたいこと
  5. 5ペット保険・そのほかの連絡
  6. 6残した記録は、いつか兄弟猫の家族の手がかりになるかもしれません
  7. 7よくある質問
  8. 8まとめ|猫の場合に「やること」は少ない

猫を見送ったあとに「役所に何か出さないといけないのでは」と不安になる方は少なくありません。犬を飼っていた経験がある方ほど、そう感じやすいようです。先にお伝えすると、猫の場合、犬のような役所への届出は原則ありません。期限を気にしなければならないのは、マイクロチップを入れている場合の届出くらいです。

急いで読む必要はありません。必要になったときに、必要な箇所だけ開いていただければ十分です。

猫には狂犬病予防法の登録・死亡届がない|役所への死亡届は原則不要

要点: 犬の登録・鑑札・死亡届は狂犬病予防法第4条にもとづく制度で、同条は「犬の所有者」だけを対象にしています。猫は同法で登録や死亡届の対象になっていません。岐阜市の案内にも「猫は犬の場合のような登録、転居、死亡の届出は不要です」と明記されています。

「猫が亡くなりました。犬のように役所に届け出る必要はありますか?何をしなければいけないのか分かりません」

犬の飼い主に課されている登録や鑑札の交付は、厚生労働省が「犬の鑑札、注射済票について」で説明しているとおり、狂犬病予防法にもとづく犬だけの制度です。同ページは「犬の飼い主には、(1)現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること」と犬を主語にして書かれており、猫に関する記述はありません(確認日 2026-09-02)。

法律の条文で見ると、狂犬病予防法第4条は「犬の所有者は…犬の登録を申請しなければならない」と定め、同条第4項で「登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき…三十日以内に…届け出なければならない」としています。猫については、同法第2条が狂犬病発生時の措置(第7〜9条・第11条・第12条・第14条)に限って適用すると定めており、登録や死亡届の規定は猫には及びません(e-Gov法令検索「狂犬病予防法」・確認日 2026-09-02)。

自治体側の案内も同じです。岐阜市の「飼い犬や猫が亡くなったら」というページには、「猫は犬の場合のような登録、転居、死亡の届出は不要です。」と書かれています(岐阜市公式サイト・令和6年3月28日更新・確認日 2026-09-02)。同じページで犬については「犬の登録を抹消する必要があります」と案内されており、犬と猫で扱いがはっきり分かれていることがわかります。

例外があるとすれば、自治体独自の制度に登録していた場合です。地域猫活動の登録や、不妊手術の助成を受けた際の届出など、自治体によっては猫を対象にした独自の仕組みを持っていることがあります。そうした制度を使った記憶があれば、その窓口にだけ一報しておけば足ります。使った覚えがなければ、役所に関して急ぐことはありません。

必要になるのはマイクロチップの届出|猫も対象です

要点: マイクロチップを装着している猫は、環境省の指定登録機関に死亡の届出をする必要があります。手数料はかからず、オンラインでも紙でも手続きできます。届出には登録証明書が必要です。

役所への届出が不要な猫でも、マイクロチップを入れている場合だけは、ひとつ手続きが残ります。

環境省が公開している「犬と猫のマイクロチップ情報登録に関するQ&A」には、「飼っている犬や猫が死亡した場合に、何か手続が必要ですか。」という問いがあり、その答えとして「指定登録機関に死亡の届出をする必要があります。」「オンライン又は紙による届出ができます。」「こちらの手続には、手数料はかかりません。」「この届出の際にも、登録証明書が必要になりますので、なくさないように気をつけてください。」と書かれています(環境省・確認日 2026-09-02)。東京都動物愛護相談センターの案内でも、「犬や猫が死亡した場合にも届出が必要です。(手数料無料)」とされています(確認日 2026-09-02)。

届出先は、環境省の指定登録機関が運営する「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のサイトです。ここには飼い主向けの手続きとして「死亡等の届出」の入口が用意されています(確認日 2026-09-02)。

環境省は「令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されています」と案内しています(確認日 2026-09-02)。2022年6月以降にブリーダーやペットショップから迎えた猫は、この義務化の後の子にあたるため、若い猫ほどマイクロチップが入っている可能性が高くなります。迎えたときに受け取った「登録証明書」が届出に必要になるので、まずはその書類の在りかだけ確かめておいてください。保護猫や、それ以前に迎えた猫でマイクロチップが入っていなければ、この手続きもありません。

猫の血統書は団体ごとに扱いが違う|JCCは死亡日を書いて郵送、ZCCは案内なし

要点: 猫の血統書は主に5団体が発行しており、亡くなったときの扱いも団体ごとに異なります。JCCは死亡年月日を欄外に記入して郵送するよう案内し、返却を希望すれば返信用切手の同封で戻してもらえます。ZCCのFAQには死亡時の項目がありません。

「血統書はどうすればいいですか?返さないといけないものでしょうか。この子の記録は残しておきたいです」

猫の血統書は、国内のZCC・ICC・JCCと、国際団体のTICA・CFA、あわせて5団体が発行しています(団体の見分け方は猫の血統書の見方|CFA・TICA等5団体ガイドにまとめています)。犬のJKCのように1団体に集約されていないため、「猫の血統書は亡くなったらこうする」という共通ルールは存在しません。手元の血統書に書かれている団体名を見て、その団体の案内を確認することになります。

今回、私たちが公開情報で確認できたのは次の2団体です。

  • JCC(ザ・ジャパンキャットクラブ): 公式サイト「猫血統書」の「□ 猫死亡時」の項に、「必ず血統証書を死亡年月日を欄外に記入し事業所までご郵送ください」とあります。あわせて「死亡猫の血統証書をご入用の場合は 返信用切手同封の上その旨を付記していただければ お返しいたします」と案内されています(JCC公式サイト・確認日 2026-09-02)。つまり、いったん送る前提ではあるものの、希望すれば手元に戻る仕組みです。
  • ZCC(全国キャットクラブ): 公式サイトの「よくある質問」は全16問で、名義変更・猫名の変更・紛失時の再発行・他団体からの切り替えなどが並んでいますが、猫が亡くなったときの項目はありません(ZCC公式サイト・確認日 2026-09-02)。案内がない以上、返却の要否は団体に直接尋ねるのが確実です。

ICC・TICA・CFAについては、死亡時の血統書の扱いを明記した公開ページを今回は見つけられませんでした。いずれの団体でも、電話やメールで問い合わせれば案内してもらえます。急ぐ手続きではないので、気持ちが落ち着いてからで構いません。

血統書を送る前に、控えておきたいこと

要点: 血統書を団体に送る場合でも、そこに書かれた情報は控えとして残せます。猫の血統書は毛色・柄・キャッテリーネーム(実家の名前)が家系をたどる手がかりになります。

JCCのように血統書を郵送する団体の場合、返却を希望しなければ原本は手元からなくなります。送る前に、書かれている内容を写真や書き写しで控えておくことをおすすめします。

猫の血統書で特に残しておきたいのは、登録名に含まれるキャッテリーネームです。これはその子の実家(キャッテリー)の名前にあたり、同じ実家で生まれた兄弟猫や親猫をたどるときの手がかりになります。加えて、猫の血統書には毛色と柄の表記が細かく書かれています。犬と違って、同じ両親から生まれても柄が大きく分かれることが多い猫では、この表記が「どの子か」を特定する材料になります。

控えた内容は、うちのこ家系図に猫の家系図として残しておけます。血統書の原本を団体に送ったあとでも、記録そのものが消えることはありません。猫の家系図の作り方は猫の家系図の作り方|血統書から無料でたどる方法で紹介しています。

この子の記録を、家系図に残しておく(うちのこ家系図

ペット保険・そのほかの連絡

要点: ペット保険に入っていた場合は、保険会社ごとの手続きがあります。葬儀や火葬の方法・業者の比較は、この記事では扱いません。

猫には役所の登録がないぶん、亡くなったことを証明する公的な書類も存在しません。ペット保険の解約や、亡くなる前の治療費の請求では、動物病院の書類などを求められることがあります。何が必要かは保険会社ごとに違うため、加入先の窓口に確認してください。

葬儀・火葬については、自治体の施設、民間の業者など選択肢がありますが、この記事はその比較や費用には触れません。手続きと記録の話だけを扱っています。

残した記録は、いつか兄弟猫の家族の手がかりになるかもしれません

要点: 猫は保護猫や譲渡猫の割合が高く、血統書のない子も多い動物です。血統書のある子の記録は、その分だけ希少な手がかりになることがあります。

猫は、犬に比べて血統書を持つ子の割合が低い動物です。だからこそ、血統書のある猫の記録は、同じ実家で生まれた兄弟猫や、その子どもたちを迎えた家族にとって、数少ない手がかりになることがあります。何年か先に、同じキャッテリーネームを持つ猫と暮らす誰かが家系をたどったとき、その記録に行き当たるかもしれません。

気持ちの整理や思い出の残し方については、ペットの思い出の残し方|記録とメモリアルでまとめています。シニア期の猫と暮らしている方には猫のシニア期は何歳から?目安と暮らしの変化・記録のしかたも参考になるかもしれません。犬を見送ったときの手続きは、犬が亡くなったときの手続き|血統書と家系の記録はどうするで別に整理しています。

よくある質問

Q. 猫が亡くなりました。犬のように役所に届け出る必要はありますか?何をしなければいけないのか分かりません

原則、役所への届出はありません。犬の登録・死亡届は狂犬病予防法にもとづく犬だけの制度で、岐阜市の案内でも「猫は犬の場合のような登録、転居、死亡の届出は不要です」と明記されています。やることがあるとすれば、マイクロチップを入れている場合の指定登録機関への届出(手数料無料)と、自治体独自の猫の制度に登録していた場合の連絡だけです。

Q. 血統書はどうすればいいですか?返さないといけないものでしょうか。この子の記録は残しておきたいです

発行団体によって違います。JCCは死亡年月日を欄外に書いて郵送する案内があり、返信用切手を同封して希望を書き添えれば戻してもらえます。ZCCのFAQには死亡時の項目がなく、ICC・TICA・CFAも公開情報では確認できなかったため、団体に直接尋ねるのが確実です。どの団体であっても、送る前に内容を控えておけば、家系の記録は手元に残せます。

Q. マイクロチップの登録証明書が見当たりません。届出はできますか?

環境省のQ&Aでは、死亡の届出にも登録証明書が必要とされています。見当たらない場合の手順は、「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトの案内や問い合わせ窓口で確認できます。迎えたときの書類一式(契約書・ワクチン証明書など)と一緒に保管されていることが多いので、まずそちらを探してみてください。

Q. 多頭飼いで、残された子のことも心配です

同居していた猫が、鳴き続けたり、食べる量が減ったりと、いつもと違う様子を見せることがあります。食欲不振や元気のなさが続くときは、かかりつけの獣医師に相談してください。

まとめ|猫の場合に「やること」は少ない

  • 猫には狂犬病予防法の登録・死亡届(第4条)がない。役所への死亡届は原則不要(岐阜市の案内で明記)。自治体独自の猫の制度に登録していた場合だけ一報する
  • マイクロチップを入れている猫は、指定登録機関への死亡の届出が必要(手数料無料・オンライン可・登録証明書が必要)
  • 血統書の扱いは5団体それぞれ。JCCは死亡日を記入して郵送(返却希望可)、ZCCは案内なし、他3団体は要問い合わせ
  • 血統書を送る前に、キャッテリーネームと毛色・柄の表記を控えておくと、家系の記録が残る
  • 葬儀・火葬・保険の手続きは急ぎではない。この記事では比較や費用は扱わない

手続きが少ないぶん、その子の記録をどう残すかに時間を使えるのが、猫を見送るときの数少ない救いかもしれません。


この記事は参考情報です。届出の要否・様式・期限は、お住まいの自治体、血統書の発行団体、保険の契約内容によって変わります。実際の手続きは、それぞれの窓口に直接確認してください。残された猫の体調については、かかりつけの獣医師に相談してください。 記載内容は2026年9月2日に各公式サイトで確認したものです。

出典・参考

この記事について

内容確認日: 2026-09-02(この日時点の一次情報にもとづいています)

本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。