犬種と健康 更新
犬の肉球|ザラザラの正体と、夏の地面・冬の道
うちのこ家系図 編集部・更新 ・内容確認日 2026-10-02

目次
犬の肉球を触ると、表面が少しザラッとして感じることはありませんか。猫の肉球と比べて、違いに気づく人もいるかもしれません。
手がかりになるのは、獣医学の教科書の章です。犬の肉球の表面は小さな突起に覆われ、猫の肉球はなめらか、と書かれています。後半は、夏の熱い地面と、冬に凍結防止剤をまく道の話です。MSD獣医マニュアルと、アメリカの動物愛護団体ASPCAの記述から紹介します。
結論|犬の肉球は、厚い皮膚と脂肪のクッション

要点: 犬の指の肉球は、すべての層がそろった厚い表皮と、クッションの役目をする脂肪でできています。皮膚の層がかみ合っていて、ずれる力にも強いつくりです。
肉球は、足の裏にある、毛のない皮膚です。
獣医学の教科書の章(Hargis と Myers)には、指の肉球(digital pad)の説明があります。犬と猫の指の肉球について、次のように書かれています。
- 表皮が厚く、すべての層がそろっている
- 脂肪のかたまりがあり、クッションの役目をしている
- 表皮と真皮がかみ合っていて、ずれる力に強い
同じ章の図の説明も、ひとつ紹介します。毛のない皮膚は、毛のある皮膚より細胞の層が多く、いちばん外側の層(角質層)も厚いそうです。そのため英語では、thick skin(厚い皮膚)と呼ばれます。犬の肉球の図につけられた説明です。
ここで読めるのは、肉球のつくりまでです。肉球が丈夫かどうか、どのくらい傷つきにくいかを決める文ではありません。
ザラザラの正体|犬は小さな突起、猫はなめらか

要点: 犬の肉球の表面は、円すい形の小さな突起(乳頭)に覆われています。猫の肉球の表面は、なめらかです。
犬と猫の違いは、同じ教科書の段落に、1文で書かれています。
| 犬 | 猫 | |
|---|---|---|
| 表面のようす | 円すい形の突起(conical papillae)に覆われている | なめらか |
| 厚い表皮と、脂肪のクッション | ある | ある |
犬の肉球を触って「ザラザラする」と感じる人は、多いかもしれません。教科書は、触ったときの感じには触れていません。ただ、犬の肉球の表面に突起があって、猫はなめらか、というつくりの違いは、はっきり書かれています。
この文は、つくりの説明です。触った感じがいいか悪いかを、判断する文ではありません。
猫の肉球については、色と指の数の話を別の記事にまとめました。→ 猫の肉球の色と指の数
足にも汗腺がある|熱を逃がす主役は呼吸

要点: 犬の足には汗腺があり、体を冷やすのに少し役立つかもしれません。ただ、熱を逃がす主な方法は、口を開けたハアハアという呼吸とよだれです。
「犬は肉球で汗をかくの?」と気になる人もいるでしょう。
MSD獣医マニュアル(飼い主向け)は、犬の足に汗腺があると書いています。体を冷やすのに少し役立つかもしれない、という控えめな書き方です。
そのうえで、犬が体の余分な熱を逃がす主な方法は、パンティング(口を開けたハアハアという呼吸)とよだれだ、と続けています。
体を冷やす役目としては、足の汗は脇役、ということです。
犬が体の熱をどう逃がすか、平熱が資料でどう書かれているかは、犬の体温|平熱の目安が資料で違うわけと、鼻を触って分かるかで紹介しています。
夏|熱いアスファルトと肉球

要点: ASPCAは、気温がとても高いときは、犬を熱いアスファルトの上に長くいさせないよう書いています。敏感な肉球は、やけどすることがあるからです。
夏の地面は、肉球にとって、熱いことがあります。
ASPCAの暑い日の安全をまとめたページには、犬についての項目があります。気温がとても高いときは、熱いアスファルトの上に犬を長くいさせない、というものです。理由として、次の2つが挙げられています。
- 犬は地面に近いので、体がすぐ熱くなる
- 敏感な肉球は、やけどすることがある
そうした時間帯の散歩は、最小限にする。これがASPCAの書き方です。
肉球は厚い皮膚でできています。それでも、ASPCAは敏感な肉球と書いています。つくりが厚いことと、熱い地面でも平気なことは、別の話です。
何度の地面なら、どのくらいの時間まで、という数字は、確かめた資料には書かれていません。この記事も、線を引きません。
冬|凍結防止剤をまく道と、散歩のあとの足洗い

要点: ASPCAは、塩や薬剤をまいた道を歩くときの注意を書いています。外に出る前に、ワセリンや獣医師が認めた保護剤をすり込む。散歩のあとは、足を洗って乾かす。毛の長い犬は、指の間の毛も忘れずに。
冬は、道に凍結防止剤(塩や薬剤)がまかれることがあります。
ASPCAの寒い日の安全をまとめたページから、こうした道を歩くときに関わる項目を3つ紹介します。1つ目と2つ目は、犬と猫を合わせたペット向けのページに、犬に限らない書き方で載っている項目です。3つ目は、犬についての項目です。
1. 外に出る前に、保護剤をすり込む(ペット向け)
ASPCAは、塩や薬剤から守るために、外に出る前に、ワセリンや獣医師が認めた肉球の保護剤を、肉球にすり込むと書いています。
読むときのポイントは、塩や薬剤をまいた道を歩く場面の話、という点です。毎日の手入れとして、塗るように勧めた文ではありません。
2. 散歩のあとに、足を洗って乾かす(ペット向け)
散歩のたびに、足とおなかを洗って乾かし、氷や塩や薬剤を落とす、とASPCAは書いています。
3. 毛の長い犬は、指の間の毛も忘れずに(犬向け)
ASPCAは、毛の長い犬について、氷の玉や塩の結晶、凍結防止剤がつきにくいように毛を整えることを勧めています。そのとき、指の間の毛も忘れずに、と続けています。
これは冬の、凍結防止剤の道の話です。肉球のまわりの毛を、いつも切るべきだという意味ではありません。切り方の手順も、この記事では扱いません。
季節ごとの肉球を、写真で残しておく

要点: 春夏秋冬で、肉球の写真を1枚ずつ撮っておくと、あとで見比べて楽しめます。いつもの様子を残しておく、というだけのことです。
この章は、出典のない、当サイトのアイデアです。
季節がひとめぐりするあいだに、犬の足もとは意外と変わります。夏は熱い地面、冬は凍結防止剤の道。散歩のコースも、季節で変えている人は多いでしょう。
そこで、季節ごとに肉球の写真を1枚、撮っておく。日付と、その日の散歩の道(土・アスファルト・雪道など)を、ひとこと添えるだけでかまいません。いつもの様子を残しておくと、あとで見返すのが楽しくなります。
何を書いておくと役に立つかは、健康手帳に何を書いておくかでまとめています。
よくある質問
Q. 犬の肉球は、ケアしたほうがいいですか?
この記事で確かめた資料で書かれているのは、季節の注意です。夏は、気温がとても高いとき、熱いアスファルトに長くいさせないこと(ASPCA)。冬は、凍結防止剤の道に出る前の保護剤と、散歩のあとの足洗い(ASPCA)。ふだんの手入れが必要かどうかは、確かめた資料には書かれていません。気になるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。
Q. 肉球クリームは必要ですか?
ASPCAは、塩や薬剤から守るために、外に出る前に、ワセリンや獣医師が認めた保護剤をすり込む、と書いています。冬の、凍結防止剤をまく道を歩く場面の話です。日常的に必要かどうか、どんなものを選ぶかは、確かめた資料には書かれていません。かかりつけの動物病院に相談してください。
Q. ワセリンを塗っても大丈夫ですか?
ASPCAは、冬に塩や薬剤をまいた道へ出る前に肉球にすり込むものとして、ワセリン(petroleum jelly)の名前を挙げています。ほかの場面で塗ってよいか、どのくらいの量かは、確かめた資料には書かれていません。気になるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。
Q. 犬と猫の肉球は、何が違いますか?
獣医学の教科書の章によると、どちらも厚い表皮と脂肪のクッションがあります。表面は、猫はなめらかで、犬は円すい形の小さな突起に覆われています。猫の肉球の色や指の数は、猫の肉球の色と指の数で紹介しています。
まとめ|つくりを知ると、季節の注意がつながる
つくり。 犬の指の肉球は、厚い表皮と脂肪のクッション。表面は円すい形の突起で、猫はなめらか。
夏。 気温がとても高いときは、熱いアスファルトに長くいさせない。敏感な肉球はやけどすることがある(ASPCA)。
冬。 塩や薬剤をまいた道では、外に出る前に保護剤を、散歩のあとは足洗いを(ASPCA)。
肉球は、散歩のとき、いちばん地面に近いところにあります。いつもと違うと感じたら、動物病院に相談してください。
本記事は参考情報です。犬の体や健康についての診断・助言ではありません。気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。 教科書の章(Hargis と Myers)・MSD獣医マニュアル・ASPCAの記述は、2026年10月2日に確認したものです。
体重は、写真と一緒に 1 回で記録

画面はイメージです(架空の子の見本)。
出典・参考
- Hargis AM, Myers S. "The Integument". In: Zachary JF (ed.) Pathologic Basis of Veterinary Disease. 2017:1009-1146.e1. doi:10.1016/B978-0-323-35775-3.00017-5 (獣医学の教科書の章・確認日 2026-10-02・Chrome UAでHTTP 200。Specialized Structures の肉球の段落と Figure 17-2 の説明を原文照合) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7895312/
- Merck Veterinary Manual(飼い主版)"Structure of the Skin in Dogs"(Karen A. Moriello, DVM, DACVD) (確認日 2026-10-02・HTTP 200。Skin Appendages の節) https://www.merckvetmanual.com/dog-owners/skin-disorders-of-dogs/structure-of-the-skin-in-dogs
- ASPCA "Hot Weather Safety Tips" (確認日 2026-10-02・HTTP 200) https://www.aspca.org/pet-care/general-pet-care/hot-weather-safety-tips
- ASPCA "Cold Weather Safety Tips" (確認日 2026-10-02・HTTP 200) https://www.aspca.org/pet-care/general-pet-care/cold-weather-safety-tips
この記事について
内容確認日: 2026-10-02(最後に出典を確かめ直した日。章ごとの確認日は本文と出典の欄のとおりです)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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