猫のはなし 更新

猫のくしゃみが続くのはなぜ?主な原因と受診の目安・記録

公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

うちの子の家系図を撮ってはじめる
イラスト:明るいリビングで、床に座った飼い主が、クッションの上に座る短い毛の猫を横から見守っている
目次
  1. 1猫のくしゃみが続くのはなぜ?
  2. 2くしゃみと一緒に見ておくこと
  3. 3病院で伝える記録シート
  4. 4病院へ行く目安
  5. 5ワクチンと暮らしでできる備え
  6. 6よくある質問
  7. 7くしゃみが続いたら、回数と鼻水の色を書き留めて相談しよう

猫のくしゃみや鼻水が急に出る原因で最も多いのは、ウイルスの感染です(MSD獣医マニュアル。米国・カナダでは Merck Veterinary Manual の名前)。

ほかに、鼻に入った異物・歯の根の膿・鼻の中のできものなども原因になります(MSD獣医マニュアル)。病院で伝える記録の書き方は3つ目の章に、病院へ行く目安は4つ目の章にまとめています。

猫のくしゃみが続くのはなぜ?

くしゃみは、鼻の中の炎症(鼻炎)でよく見られる様子です。鼻炎は、鼻の粘膜(鼻の中の、しめった内側の壁)が炎症を起こした状態です。急に起こるものと、長引くものがあります(MSD獣医マニュアル)。

くしゃみは、鼻の中の鼻水などを外に出そうとする動きです。玄関にたまったごみを、ほうきで掃き出すようなものです。急な鼻炎で最もよく見られ、長引く鼻炎では出たり出なかったりします(MSD獣医マニュアル)。

1回だけ・連発・何日も続く、で何が違う?

1回だけで、ほかの様子が変わらないときは、直前の煙やほこりを書き留め、続くかどうかを記録シートで見ます。病院へ行く目安に1つでも当たれば相談します。

煙や、刺激のあるガス・ほこりを吸うこと、鼻に入った異物も、急な鼻炎の原因として挙げられています(MSD獣医マニュアル)。直前に煙やほこりが立つことがなかったかを、日付といっしょに書き留めておきます。

上のとおり、何度も続けて出るくしゃみは、急な鼻炎でよく見られます。猫の呼吸器の感染症では、始まりに熱や鼻水、目の炎症などと一緒に、くしゃみが何度も出ることがあります(MSD獣医マニュアル)。回数は、3つ目の章の記録シートに、朝・昼・夜で書きます。

飼い主向けの頁にも、長引く鼻炎では出たり出なかったりすると書かれています(MSD獣医マニュアルの飼い主版)。

猫ヘルペスウイルスによる病気(猫ウイルス性鼻気管炎)では、症状が軽いと5〜10日、重いと6週間まで続くことがあります(MSD獣医マニュアルの飼い主版)。これは病気の経過の説明で、病院へ行く日数の線ではありません。

鼻水やくしゃみは、ウイルスや細菌の感染のほか、鼻の中のできものや異物のしるしのこともあります。長引くときは、レントゲンやCT(体の断面を撮る検査)、鼻の中を見る内視鏡などで、さらに詳しく調べることがあります(MSD獣医マニュアルの飼い主版)。病院へ行く目安は、4つ目の章にまとめています。

猫のくしゃみ・鼻水の主な原因と、一緒に見られやすい様子

原因一緒に見られやすい様子
ウイルスの感染(猫ヘルペスウイルス・カリシウイルス)目やにや涙、結膜炎(目のまわりの膜の炎症)、よだれ、口内炎、熱
細菌の感染(ほかの原因のあとに続くことが多い)鼻水が粘る。膿が混じる
煙や、刺激のあるガス・ほこりを吸うこと—
鼻に入った異物急に片方の鼻だけから鼻水が出る。顔を前足でこする
歯の根の膿—
カビ(真菌)・鼻の中のできもの片方から両方に広がる鼻水。血が混じる鼻水
アレルギー(多くない)—

表の出典:MSD獣医マニュアル『Rhinitis and Sinusitis in Dogs and Cats』(2024)リンク・『Feline Respiratory Disease Complex』(2024)リンク

「—」は、参考にした頁に、一緒に見られる様子の記述がない所です。

猫の呼吸器の感染症を起こす主な病原(病気のもと)は、4つです。猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジア、マイコプラズマです。長引く鼻炎は、急なウイルス感染のあとに続いて起こることが多いとされています(MSD獣医マニュアル)。

ウイルスの感染から急な鼻炎のくしゃみと鼻水が出ること、長引く鼻炎はそのあとに続いて起こることが多いという流れと、異物・歯の根の膿・カビ・できものなどのほかの原因を並べた、くしゃみの原因の図
猫のくしゃみの原因の流れ(ウイルスから始まる流れと、ほかの原因)出典:MSD Veterinary Manual の『Rhinitis and Sinusitis in Dogs and Cats』(2024)をもとに作成

症状が治まっても、ウイルスは多くの場合、体の中に残ります。特にストレスがかかる時に、再び症状が出ることがあります(MSD獣医マニュアル)。眠っていたものが目を覚ますようなものです。

病原ごとの出方の違いや、症状が治まった後に残るウイルスのことは、猫風邪とは?原因のウイルス・菌ごとの違いとうつり方にまとめています。

参考:表の出典の2頁と、飼い主版(2026)リンク、飼い主版『Rhinitis and Sinusitis in Cats』(2024)リンク・『Introduction to Lung and Airway Disorders of Cats』(2024)リンク

くしゃみと一緒に見ておくこと

くしゃみのほかに、鼻水・目・口・食欲・息の様子も見ておくと、病院で伝えやすくなります。猫の鼻炎や呼吸器の感染症では、次のような様子が一緒に見られることがあります(MSD獣医マニュアル)。

  1. 鼻水の変化。初めは透明でさらさらしていて、やがて量が増え、粘りや膿が混じることがあります
  2. 鼻水が出るのは片方の鼻だけか、両方か
  3. 目やに、涙、目のまわりの赤み(結膜炎)
  4. よだれ、口の中の炎症(口内炎)
  5. 顔を前足でこする様子
  6. 元気と食欲
  7. 口を開けて息をしていないか

全部がそろう必要はありません。気づいた分だけ書き留めましょう。

参考:MSD獣医マニュアル(専門家版『Rhinitis and Sinusitis in Dogs and Cats』『Feline Respiratory Disease Complex』と飼い主版。リンクは1つ目の章)

病院で伝える記録シート

鼻炎の原因は、経過の聞き取りと診察、画像の検査(特にCT)、鼻の中を見る内視鏡などで調べます(MSD獣医マニュアル)。

経過の聞き取りでは、いつから、どんな様子かを聞かれます。天気を毎日メモすると、変わり目が見えてくるように、日付つきの記録は変化を伝える助けになります。

記録シートの見本(1週間分・記入例は架空)

日付くしゃみの回数(朝・昼・夜)鼻水(色・片方か両方か)そのほか
10/1朝2・昼5・夜3透明・両方食欲あり。目やに少し
10/2朝4・昼6・夜5白くて粘る・両方食欲あり
10/3朝6・昼8・夜7黄みがかる・右だけ食べる量が減った。目やにが増えた
( / )
( / )
( / )
( / )

上の3行は、書き方を見せるための架空の記入例で、実際の猫の様子ではありません。

「そのほか」の欄には、目やにや涙、食欲と水を飲む様子、体温、口を開けて息をしていないか、を書きます。体温の平熱の幅と、測る場所による違いは、猫の体温|平熱の幅と、測る場所で値が違うということで書いています。

参考:『Rhinitis and Sinusitis in Dogs and Cats』(2024)リンク

あわせて読む:犬・猫の健康手帳とは|何を書く?紙とアプリの選び方、猫の健康診断|頻度の考え方と、結果を「推移」で残すということ

病院へ行く目安

次のような時は、早めに動物病院に相談しましょう。

  • 食べない。元気がない
  • 呼吸が苦しそう。口を開けて息をしている
  • 熱がある
  • 片方の鼻からだけ鼻水が出る
  • 鼻水に血が混じる
  • 子猫や、高齢の猫
  • くしゃみが長引いて、体重が減ってきた

子猫と高齢の猫は、上気道(鼻からのどまでの空気の通り道)の感染にかかりやすいとされています。重くなると、呼吸が苦しくなったり、肺炎になったりすることもあります(MSD獣医マニュアル)。

病名の判断と治療は、獣医師に任せます。

参考:『Feline Respiratory Disease Complex』(2024)リンク・飼い主版(2026)リンク

ワクチンと暮らしでできる備え

世界小動物獣医師会(WSAVA)の2024年版の指針は、猫に打つ中心のワクチン(コアワクチン)を、3つのウイルスから守るワクチンとしています。猫汎白血球減少症ウイルス(FPV)、猫カリシウイルス(FCV)、猫ヘルペスウイルス1型(FHV-1)です(WSAVA)。

2024年版では、猫白血病ウイルス(FeLV)が流行している地域で、FeLVのワクチンもコアとして考えるとしています。対象は、1歳未満の猫と、外に出る猫や外に出る猫と暮らす猫です(WSAVA)。

ただし、コアのうちFCVとFHV-1のワクチンの防御効果は、FPVのワクチンには及ばないとされています。接種をきちんと受けた大人の猫にも、FCVの感染や発症が起こることがあります(WSAVA)。

感染を防げるFHV-1のワクチンはありません。感染したウイルスは神経の組織に潜むことが多く、ストレスがかかる時期に再び活性化することがあります(WSAVA)。

そのうえで、Cornell猫健康センターは、ヘルペスのワクチンはすべての猫に勧められるとしています。今のワクチンで感染を必ず防げるわけではありませんが、病気の重さとウイルスの排出をはっきり減らすとされています(Cornell)。

ワクチンをきちんと受けた大人の猫では、ウイルスによる重い上気道の病気はまれです(MSD獣医マニュアル)。

どのワクチンを打つかは、かかりつけの獣医師と相談して決めます。

ワクチンと、暮らしの工夫を組み合わせると、上気道の病気はよく防げるとされています。工夫の例は、具合の悪い猫に会わせない、猫を詰め込みすぎない、ストレスを減らす、です(MSD獣医マニュアル)。

うつる道は、くしゃみなどの小さな飛沫(しぶき)と、汚れた物です。世話をする人の手で運ばれることもあります(MSD獣医マニュアル)。

猫ヘルペスウイルスとカリシウイルスは、猫だけにうつり、人にうつる危険は知られていません。猫のクラミジアによる人の結膜炎は、報告があります(MSD獣医マニュアル)。

参考:『Feline Respiratory Disease Complex』(2024)リンク・飼い主版(2026)リンク、WSAVA『2024 guidelines for the vaccination of dogs and cats』(JSAP 2024・p.4・p.16・p.19)リンク・Cornell Feline Health Center『Respiratory Infections』(2018)リンク

よくある質問

猫のくしゃみは、人にうつる?

主な原因の2つのウイルス(猫ヘルペスウイルス・カリシウイルス)は猫だけのもので、人にうつる危険は知られていません。例外は猫のクラミジアで、人の結膜炎の報告があります(MSD獣医マニュアル)。くわしくは上の「ワクチンと暮らしでできる備え」の章に書きました。

ワクチンを打っていれば、猫のくしゃみは防げる?

ワクチンで感染を必ず防げるわけではありませんが、病気の重さは減らせます(Cornell)。きちんと受けた大人の猫では、重い病気はまれです(MSD獣医マニュアル)。

猫のくしゃみが止まらない・連発するときは?

連発は急な鼻炎でよく見られます。猫ヘルペスウイルスの病気は、軽いと5〜10日、重いと6週間続くこともあります(MSD獣医マニュアル)。日数を待たず、病院へ行く目安に当たれば相談します。

くしゃみが続いたら、回数と鼻水の色を書き留めて相談しよう

猫のくしゃみが続いたら、回数と鼻水の色、片方か両方かを日付つきで書き留めて、動物病院に相談しましょう。

急に出たくしゃみの原因で最も多いのはウイルスの感染ですが、ほかの原因のこともあるので、原因の判断は獣医師に任せます。病院へ行く目安に当てはまる時は、記録を待たずに相談しましょう。

無料の会員登録をしておくと、兄弟かもしれない子や同じ実家の子があとから登録された時に、お知らせが届きます。

出典・参考

この記事について

内容確認日: 2026-10-24。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。

この記事を書いた人

うちのこ家系図 編集部

編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。

  • 血統書・犬猫の健康・暮らしの手続きを、公的機関や登録団体の資料にあたって書いています。
  • 記事の下書きと図の作成には AI を使っています。サイトの方針と出典の基準は運営者が決めています。照合は AI が行い、その結果を運営者が報告で確認しています。公開してよいかは、運営者が決めて承認した基準で判断します(書いたものとは別の AI の監査と機械の検査)。
  • 獣医師の監修はまだ付いていません。監修が付いた記事には、その旨を記事に表示します。

運営者について見る記事のつくり方・編集方針を見る