ビションフリーゼのかかりやすい病気と遺伝病|ひざ・目・尿路と寿命・家系での備え
内容確認日 2026-09-04・うちのこ家系図 読みもの

目次
「両親犬の目の検査結果を実家(お迎え元)が見せてくれました。この犬種で気にしておく病気は何ですか」——ビションフリーゼの飼い主から、こうした質問を受けることがあります。
この記事では、ビションフリーゼで名前が挙がる病気を、ひざ(膝蓋骨脱臼)・目(遺伝性白内障)・尿路(結石)の3系統に整理し、MSD獣医マニュアルなどの一次情報をもとに紹介します。あわせて、寿命について言われていることと、家系でどう備えるかもお伝えします。この犬種の性格・特徴そのものはビションフリーゼの性格と特徴|パウダーパフの被毛とトイプードルとの違いにまとめています。
結論|この犬種で名前が挙がる病気は「ひざ・目・尿路」

要点: ビションフリーゼでは、ひざ(膝蓋骨脱臼)・目(遺伝性白内障)・尿路(シュウ酸カルシウム結石)の3つの分野で名前が挙がります。それぞれ家系で備えられる範囲があります。
小型犬に共通する体質と、この犬種で特に報告されるものが組み合わさっているのが、ビションフリーゼの健康面の特徴です。この記事で扱うのは、それぞれの病気の輪郭と、家系で備えられることの2つです。
ひざ|膝蓋骨脱臼(パテラ)

要点: 膝のお皿がずれる膝蓋骨脱臼は、小型犬全般で報告されやすい病気です。仕組みや家系での備え方は別の記事に詳しくまとめています。
膝のお皿(膝蓋骨)がずれる膝蓋骨脱臼は、小型犬に広く見られる体質のひとつで、ビションフリーゼもその範囲に含まれます。病気の仕組み、犬種別の傾向、家系での備え方は犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)|犬種別に家系で発見で詳しく解説しています。歩き方に気になる様子があれば、自己判断せず獣医師にご相談ください。
目|遺伝性の白内障

要点: MSD獣医マニュアルの犬種別発症年齢の一覧には、ビションフリーゼで2〜6年とされる遺伝性白内障の報告が含まれています。仕組みや検査は横断の記事に譲ります。
MSD獣医マニュアルが示す犬種別の遺伝性白内障の発症年齢の一覧には、ビション・フリーゼが2〜6年という報告とともに挙げられています(MSD Veterinary Manual「Disorders of the Lens in Dogs」・確認日 2026-09-04)。遺伝性白内障がどんな病気で、原因遺伝子や他の犬種の広がりがどうなっているかは犬の白内障|遺伝性が報告される犬種と、家系で残す目の記録にまとめています。目が白っぽく見える、見えにくそうにしているといった変化に気づいたら、自己判断せず獣医師の診察を受けてください。
尿路|シュウ酸カルシウム結石の報告のある犬種として

要点: MSD獣医マニュアルは、シュウ酸カルシウム結石が報告されやすい小型犬種の1つとしてビション・フリーゼの名前を挙げています。この記事は、家庭でできる記録に絞って紹介します。
MSD獣医マニュアルは、シュウ酸カルシウム結石はどの犬種にも起こりうるものの、複数の小型犬種でより多く報告されるとし、その例としてミニチュア・シュナウザー、チワワ、ビション・フリーゼ、ヨークシャー・テリア、シー・ズーなどの名前を挙げています(MSD Veterinary Manual「Urolithiasis in Dogs」・確認日 2026-09-04)。シュウ酸カルシウム結石は中高齢の犬に形成されやすい傾向があるとされる一方、若い犬でも起こりうるとも説明されています(同上)。
家庭でできることとして記録しておく価値があるのは、飲水量やトイレの様子といった日々の変化です。いつもと違う様子(排尿の回数が増える・血が混じる等)があれば、自己判断せず早めに獣医師にご相談ください。
被毛と皮膚|お手入れの一般論

要点: 巻き毛の被毛は毛玉になりやすく、皮膚の様子が見えにくくなることがあります。気になる変化があれば、自己判断せず獣医師にご相談ください。近親交配についての一般論は、別の記事に譲ります。
JKCの犬種標準は、この犬種の被毛を「大変ゆるいホワイトのコークスクリュー状の巻き毛」と記しています(JKC「ビション・フリーゼ」・確認日 2026-09-04)。この巻き毛は、こまめなブラッシングを怠ると毛玉になりやすく、毛玉の下の皮膚の状態が見えにくくなることがあります。トリミングやブラッシングのたびに、皮膚の様子をひと通り見ておくことが、変化に早く気づく助けになります。気になる変化があれば、自己判断せず獣医師にご相談ください。被毛のお手入れそのものはビションフリーゼの性格と特徴でも紹介しています。
血統の近さ(近親交配)と病気の関係についての一般論は、犬の近親交配とは|近交係数の意味と血統書の見方にまとめています。特定の繁殖者や個体を対象にした話ではなく、あくまで一般論としての紹介です。
寿命について言われていること・家系で備える

要点: ペットフード協会の調査では、小型犬(ビションフリーゼの体格が含まれる区分)の平均寿命は14.78歳(2024年)とされています。犬種間の比較や「何歳まで生きる」という断定はできません。両親犬・兄弟犬の記録を家系図に残しておくことが、この犬種の3つの体質(ひざ・目・尿路)を見守るときの手がかりになります。
ペットフード協会が実施した「2024年 全国犬猫飼育実態調査」では、犬の平均寿命は全体で14.90歳、体格別では超小型犬15.13歳、小型犬14.78歳、中・大型犬14.37歳という結果が示されています(ペットフード協会「2024年 全国犬猫飼育実態調査」・確認日 2026-09-04)。ビションフリーゼは体重の目安が約5kgの小型犬にあたるため、このうち小型犬の区分がおおよその目安になります。ただし、これは犬種別ではなく体格区分の集計であり、「ビションフリーゼは◯歳です」と言い切れる数字ではありません。
この数字がどんな集団の集計なのかも、あわせて知っておきたいところです。同調査の集計ベースは「現在犬または猫飼育者」で、PDFの注記には、平均寿命の算出元データが「(一般世帯で)過去10年間に飼育された犬猫」であるため、野良犬・猫や、販売の段階で亡くなった犬・猫は算出対象に含まれないと明記されています(同上)。一般家庭で暮らしてきた犬猫を対象にした数字であって、「日本の犬全体の平均寿命」ではない、ということです。個体差や暮らしの環境によって差が出ることとあわせて、目安として受け止めてください。
寿命を延ばす方法についてこの記事では扱いません。かわりに、この犬種で名前が挙がるひざ・目・尿路の3つの体質について、両親犬・兄弟犬に報告があったかどうかを記録に残しておくことが、健診のたびに獣医師と相談する材料になります。
- 両親犬・兄弟犬の膝・目・尿路について、お迎え元から聞いている情報(わかる範囲で)
- 健診で指摘を受けたことがあるか(あれば日付とともに)
- 生まれた犬舎(うちの子の実家)やお迎え元、誕生日
うちのこ家系図では、わかる範囲の情報から家系図を作れます。血統書から親・祖父母をたどる手順は血統書から無料で家系図をたどる方法に、健診をどのくらいの間隔で受けるかという目安は年に何回受けるかの考え方と、結果の残し方にまとめました。
よくある質問
Q. 結石は遺伝しますか?
MSD獣医マニュアルはシュウ酸カルシウム結石が報告されやすい犬種の1つとしてこの犬種を挙げていますが、遺伝の仕組みがすべて解明されているわけではなく、この記事では断定しません。気になる場合は獣医師にご相談ください。
Q. 遺伝子検査は受けたほうがいいですか?
検査の要否は獣医師と相談する事項です。遺伝子検査全般でわかること・わからないことの一般論は犬の遺伝子検査ガイド|種類・費用・何がわかるかを参考にしてください。
Q. トイプードルと同じ病気ですか?
犬種が違えば報告される病気の傾向も異なります。トイプードルで名前が挙がる病気はトイプードルで報告される遺伝病7種と家系での見つけ方に、この犬種との違い(被毛・毛色・サイズ区分)はビションフリーゼの性格と特徴にまとめています。
まとめ|「ひざ・目・尿路」の3系統と、家系での備え
- ひざ(膝蓋骨脱臼)は小型犬全般で報告されやすい体質
- 目は遺伝性白内障の報告があり、2〜6年という発症年齢の紹介もある
- 尿路はシュウ酸カルシウム結石の報告のある犬種として名前が挙がる
- 被毛の巻き毛は毛玉になりやすく、皮膚の変化に気づきにくくなることがある
- 寿命は小型犬の区分で14.78歳(2024年・ペットフード協会)が目安のひとつだが、断定はできない
- 両親犬・兄弟犬のひざ・目・尿路の記録を残しておくことが、健診での相談の手がかりになる
治療の前に、記録できることがあります。ひざ・目・尿路という3つの視点を持っておくことが、この犬種と長く暮らすうえでの土台になります。
本記事は参考情報です。この記事は病気の診断・治療方針を示すものではありません。気になる様子があれば、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。 記事中のデータは2026年9月4日時点でMSD獣医マニュアル・ペットフード協会の各資料を確認したものです。
出典・参考
- MSD Veterinary Manual(Merck Veterinary Manual)「Urolithiasis in Dogs」 (確認日 2026-09-04。ページ本文を取得し、シュウ酸カルシウム結石の好発犬種・年齢層をgrepで逐語照合) https://www.msdvetmanual.com/urinary-system/urolithiasis-in-small-animals/urolithiasis-in-dogs
- MSD Veterinary Manual(Merck Veterinary Manual)「Disorders of the Lens in Dogs」 (確認日 2026-09-04。B-43で確認済みの犬種別発症年齢の表〈ビション・フリーゼ 2-6年〉を再確認) https://www.msdvetmanual.com/dog-owners/eye-disorders-of-dogs/disorders-of-the-lens-in-dogs
- 一般社団法人ペットフード協会「2024年 全国犬猫飼育実態調査」主要指標サマリー(p.26-27「犬猫 平均寿命の推移」) (確認日 2026-09-04。PDFを取得し〈通常UA・HTTP 200・1,502,139バイト〉、pdftotext でテキスト化して犬のサイズ別平均寿命〈2024年: 全体14.90歳・超小型15.13歳・小型14.78歳・中・大型14.37歳〉の出現をgrepで確認した〈14.90=2件/15.13=1件/14.78=1件/14.37=2件〉。初版が記載していた /pdf/data/2023/3.pdf には4数値がいずれも0件で、同PDFの2023年値は14.62/15.07/14.29/13.86であり本文と矛盾するため、2026-09-04に正しい2024年版へ差し替えた。集計ベースは「現在犬または猫飼育者」、算出元データは「(一般世帯で)過去10年間に飼育された犬猫」) https://petfood.or.jp/pdf/data/2024/3.pdf
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「ビション・フリーゼ」 (確認日 2026-09-04。ページ本文を取得し〈通常UA・HTTP 200〉、被毛(一般外貌)の記述をgrepで逐語照合) https://www.jkc.or.jp/breeds/bichon-frise/
この記事について
内容確認日: 2026-09-04(この日時点の一次情報にもとづいています)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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