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猫が毛玉を吐くのは普通?何度も吐く時の原因と吐いた物の記録
公開 /更新 /2026 年 10 月時点の情報書いた人・確かめた人:うちのこ家系図 編集部

目次
猫が毛づくろいで飲みこんだ毛は胃で固まることがあり、吐いて外に出されることがよくあります(MSD獣医マニュアル)。
ただし、短毛の猫が何度も毛玉を吐くのは、多くの場合、別の慢性の病気の目印だとする総説があります(Cannon 2013)。吐く回数について資料が書いていることは2つ目の章に、吐いた物の記録の書き方は5つ目の章に、病院へ行く目安は6つ目の章にまとめています。
猫が毛玉を吐くのは普通?
毛玉を吐くのは、普通の行動と考える飼い主や獣医師が多いほど、よくあることです(Cannon 2013)。
ただ、普通の行動かどうかは、はっきりしていません。短毛の猫の多くでは、毛玉を何度も吐くのは、別の慢性の病気の目印だと総説は書いています。その病気は、毛を飲みこむ量を増やしたり、胃腸の動きを変えたりするものです(Cannon 2013)。
総説は、毛玉がどのくらいの猫で起こるかを調べた公表データは無いと書いています(Cannon 2013)。吐いた回数は書き留めて、獣医師に伝えましょう。
飲みこんだ毛の塊は、毛球(けだま)とも呼ばれます(世界大百科事典)。この記事では、毛玉で胃や腸に不調が出ることを毛球症とは書かず、「毛玉」と書きます。
参考:Cannon『Hair Balls in Cats: A normal nuisance or a sign that something is wrong?』J Feline Med Surg(2013)、コトバンク『毛球』世界大百科事典
毛玉を吐く回数は、何回までなら普通?
何回までなら普通かを決めた公表データは、今回確かめた資料に見つかりません。資料によって、数字のある文と無い文があり、対象も違います。
次の表は、資料の文を、何についての文かを付けて並べたものです。
毛玉を吐く回数について、資料が書いていること
| 資料 | 書いていること | 何についての文か |
|---|---|---|
| Cannon 総説(2013) | 毛玉がどのくらいの猫で起こるかを調べた公表データは無い | 起こりやすさ。回数の線ではない |
| Cannon 総説(同) | 著者の病院の簡単な調査で、定期的に吐くことを年に2回以上と数えた | 調査の数え方。受診の線ではない |
| MSD獣医マニュアル(飼い主向け) | 毛玉をたびたび吐く時や、何度も吐く時は獣医師に診てもらう | 毛玉。回数の数字は無い |
| MSD(同・長く続く吐き方の段) | 1日に1〜2回より多い吐き方は、詳しい診察が要る | 吐くこと全般。毛玉に限らない |
| Cornell『The Danger of Hairballs』 | 1〜2週に1回ほど毛玉を吐く猫は珍しくないと、獣医師の言葉を紹介している | 毛玉。ありふれていることの紹介 |
| Cornell『Vomiting』 | 週に1回より多く吐く猫は、早めに獣医師に診てもらう | 吐くこと全般。毛玉に限らない |
| 月に1〜2回までなら普通、という言い方 | 上の資料のどれにも、この数字は書かれていない | — |
出典:Cannon『Hair Balls in Cats』J Feline Med Surg(2013)、MSD『Vomiting in Cats』飼い主向け(2024)、Cornell『The Danger of Hairballs』『Vomiting』(2021)
数字は、毛玉に限った文と、吐くこと全般の文が混ざっています。そのため、1つの線にそろえることはできません。この記事も、回数の線は示しません。
総説が挙げるのは、回数よりも、短毛の猫で毛玉を何度も吐くことが別の病気の目印のことがある、という点です(Cannon 2013)。吐いた日と回数を書き留めて、獣医師に伝えましょう。
参考:Cannon『Hair Balls in Cats』(2013)、MSD『Vomiting in Cats』飼い主向け(2024)、Cornell『The Danger of Hairballs』、Cornell『Vomiting』(2021)
毛玉ができるしくみ
猫は毛づくろいで抜け毛の一部を飲みこみます。毛は消化されず、胃の中でくっつきやすく、塊(毛玉)になります(MSD獣医マニュアル)。
お風呂の排水口にたとえると、抜けた髪の毛がたまって塊になるのと同じです。
どの猫も、毎日たくさんの毛を飲みこみます。それでも、多くの猫は毛玉を決まって吐くことはありません。毛玉は、飲みこむ毛が多すぎる時か、胃腸の上の方の動きが変わった時にできると考えられています(Cannon 2013)。
次のような時に、毛玉は多くなることがあります。
- 長毛の猫種。ペルシャやメインクーンなどは、短毛の猫種より毛玉ができやすいことがあります(Cornell猫健康センター)
- 毛の生えかわる季節(Cornell)
- 毛づくろいに長い時間を使う年上の猫。子猫や若い猫は、毛玉ができにくいとされています(Cornell)
長毛のペルシャ猫の手入れや、気をつけたい病気は、ペルシャ猫の性格と特徴|長毛のお手入れと気をつけたい病気にまとめています。
こまめにブラッシングして抜け毛を取ると、飲みこむ毛を減らし、毛玉ができるのを防ぐ助けになります(MSD)。Cornell猫健康センターは、毎日のブラシとくしの手入れを勧めています。
場合によっては、毛玉が胃に長く残って固くなり、胃を刺激したり、消化管をふさいだりすることがあります(MSD)。吐いて出せないことはときどきあり、臨床の経験ではまれですが、病院に来るのはこうした例だと総説は書いています(Cannon 2013)。
毛玉を減らす手入れの種類
毛玉を減らす方法は、毛を飲みこむ量を減らす手入れと、毛玉に配慮したフードの2種類が、資料に出てきます。
毛玉を減らす方法の種類と、資料が書いていること
| 方法 | 資料が書いていること | 出典 |
|---|---|---|
| ブラッシング・コーミング | 毎日ブラシとくしで手入れする習慣を勧めている。毎日の手入れで抜け毛を取ると、飲みこむ毛を減らす助けになるかもしれない。こまめにブラッシングする、という書き方もある | Cornell・Cannon 2013・MSD |
| 毛玉に配慮したフード・おやつ | 毛玉ができるのを防ぐように作られた市販品がある | MSD |
| 繊維 | 市販のフードは、不溶性の繊維を増やして、胃腸の動きを良くすることをねらっている。ただし、効果を調べた公表データは無い | Cannon 2013 |
ブラッシングの回数の目安として、資料が書いているのは、毎日、またはこまめに、という言い方です。週に何回、という数字は、確かめた資料にありません。
フードについて、Cornell猫健康センターは、閉塞を防ぐ・和らげるとうたう市販のフードも、獣医師の承認と指導なしに使わないよう、下剤と同じ助言をしています。フードを変える時は、獣医師に相談しましょう。
手入れをしても何度も吐く時は、このあとの章の表にある、ノミ・皮膚・お腹の病気などの背景も、獣医師に伝えます。
参考:MSD『Vomiting in Cats』飼い主向け(2024)、Cannon『Hair Balls in Cats』(2013)、Cornell『The Danger of Hairballs』
何度も吐く時に考えられること
毛玉を何度も吐く時は、毛を飲みこむ量が増えたり、胃腸の動きが変わったりする背景が、総説などで挙げられています。
毛玉を何度も吐く時に、背景にありうること
| 考えられること | どう関わるか | 出典 |
|---|---|---|
| ノミ | 毛づくろいが増え、飲みこむ毛が増える。ノミのアレルギーが無い猫でも同じ | Cannon 2013 |
| かゆみのある皮膚の病気 | 毛づくろいが増える。食べ物のアレルギーによる皮膚の問題が、毛づくろいのしすぎの目印のこともある | Cannon 2013・Cornell猫健康センター |
| 痛み・不安 | 毛づくろいのしすぎ。長く続く痛みやストレスは、胃腸の動きを変えることもある | Cannon 2013 |
| 慢性のお腹の病気(食べ物が合わない・炎症性腸疾患など) | 胃腸の動きが変わることがある | Cannon 2013 |
| ほかのお腹の病気・ぜんそくなどの呼吸の病気 | たびたびの咳のような動きが、毛玉と関係ないことがある | Cornell猫健康センター |
出典:Cannon『Hair Balls in Cats』J Feline Med Surg(2013)、Cornell猫健康センター『The Danger of Hairballs』
この表は、病名から原因を決めるためのものではありません。総説の著者は、慢性のお腹の病気の短毛の猫で、毛玉を何度も吐いていたことが多かったと、自分の経験から書いています(Cannon 2013)。
かゆみのある皮膚の病気、ノミ、食べ物が合わないことは、見落とせないよくある要因とされています(Cannon 2013)。
参考:Cannon『Hair Balls in Cats』(2013)、Cornell『The Danger of Hairballs』
吐いた物の記録
吐いた物の記録は、吐いた物が毛玉か・食べ物か・液かと、吐いたのか咳のような動きかを分けて書きます。
飼い主は、毛玉を吐くことを、咳をして出すと言い表すことが多いと総説は書いています。続く咳と、毛玉を何度も吐くことを分けて聞き取るのが大事だとしています(Cannon 2013)。たびたびの咳のような動きが、毛玉と関係ないことも、Cornell猫健康センターは挙げています。
吐く(嘔吐)と吐き戻しは違います。吐く前には、よだれ・何度も飲みこむ・えずく・お腹が強く動くことが多く見られます(MSD獣医マニュアル)。
吐き戻しは、お腹に力を入れずに出す動きで、食べ物が消化されないまま、筒の形で出ることがあります(MSD)。吐いた毛玉も、丸くなく、細長い筒の形のことが多いとされています(Cornell猫健康センター)。
よく吐く猫の原因を調べるのは、飼い主からの詳しい聞き取りから始まります(Cornell)。総説は、定期の診察でも、毛玉を吐くかどうかを聞くべきだとしています(Cannon 2013)。
食べ物に反応する慢性のお腹の病気では、吐く・吐き気(吐こうと草をよく食べる)・下痢が出ることがあります(Cannon 2013)。
猫の毛の長さ(短毛・長毛)と、毛の生えかわる季節は、表の下に書き添えておきます。
吐いた物の記録の見本(記入例は架空)
| 日付・時刻 | 吐いた物 | 吐いたか・咳のような動きか | 回数・吐く前の様子 | ブラッシングした日・草を食べたか |
|---|---|---|---|---|
| 10/24 7:30 | 食べ物と液 | 吐いた(お腹が強く動いた) | 1回。直前によだれ | 10/22。草は食べていない |
| 10/26 21:00 | 筒の形の毛の塊 | 吐いた | 1回。直前にえずいた | 10/22。草は食べていない |
| 10/28 夜 | 何も出ない | 咳のような動き | 3回。そのあとも続いた | 10/22。草を食べた |
| ( / ) | ||||
| ( / ) |
猫の毛の長さ:短毛(記入例)。季節:毛の生えかわる頃(記入例)
上の3行は、書き方を見せるための架空の記入例で、実際の猫の様子ではありません。
記録の手順は、次の5つです。
- 吐いたら、日付と時刻を書く。
- 吐いた物が、毛玉か・食べ物か・液か・泡かを書く。
- 吐いたのか、咳のような動きか、吐こうとして出なかったのかを書く。
- 吐く前の様子(よだれ・えずく)と、ブラッシングした日、草を食べたかを書く。
- 回数を書き留め、その記録を持って動物病院へ行く。
記録全般の書き方は、犬・猫の健康手帳とは|何を書く?紙とアプリの選び方にまとめています。
参考:Cannon『Hair Balls in Cats』(2013)、MSD『Vomiting in Cats』飼い主向け(2024)、Cornell『Vomiting』(2021)、同『The Danger of Hairballs』
病院へ行く目安
毛玉をたびたび吐く時や、何度も吐く時は、獣医師に診てもらいましょう。毛玉より重い原因のことがあります(MSD獣医マニュアル)。
次のような時は、記録を持って獣医師に相談してください。
- 毛玉をたびたび吐く。何度も吐く
- 吐こうとしても出ない。吐くことを繰り返す
- ぐったりしている。元気がない
- 食べない
- 吐いた物に血が混じる
- 下痢もある。体重が減ってきた
Cornell猫健康センターの解説は、次のような猫は、すぐに獣医師に診てもらうようにと書いています。ぐったりしている猫、1〜2日より長く食べない猫、吐こうとしても出ないことや吐くことを繰り返す猫です。
病名の判断と治療は、獣医師に任せます。
参考:MSD『Vomiting in Cats』飼い主向け(2024)、Cornell『The Danger of Hairballs』、Cornell『Vomiting』(2021)
よくある質問
Q. 猫は毛玉を月に何回まで吐いてもいいですか?
何回までと決めた公表データは、確かめた資料に見つかりません。吐いた日と回数を書き留めて、獣医師に伝えましょう(Cannon 2013)。
Q. 長毛の猫は、毛玉を吐きやすいですか?
長毛の猫種は、毛玉ができやすいことがあります。ペルシャやメインクーンなどが例に挙がっています(MSD・Cornell猫健康センター)。
Q. 毛玉を減らすために、家でできることはありますか?
資料が挙げるのは、ブラッシングで抜け毛を取る手入れです。毎日の手入れを勧める資料もあります(Cornell・MSD)。
Q. 毛玉を吐こうとして、出ない時はどうしますか?
吐こうとしても出ない、吐くことを繰り返す猫は、すぐに獣医師に診てもらうようにと、Cornell猫健康センターは書いています。
毛玉を何度も吐く時は、吐いた物と回数を書き留めて病院に相談しよう
毛玉を吐くのはよくあることですが、普通かどうかははっきりしていません。短毛の猫が何度も吐く時は、別の病気の目印のことがあります。
吐いた物が毛玉か食べ物か液か、吐いたのか咳のような動きかを分けて、回数と一緒に書き留めておきましょう。その記録を持って、動物病院に相談してください。
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出典・参考
- Cannon M. Hair Balls in Cats: A normal nuisance or a sign that something is wrong? J Feline Med Surg. 2013;15(1):21-29. (PMC https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10816490/ ・全文・確認日 2026-10-24) https://doi.org/10.1177/1098612X12470342
- MSD Veterinary Manual「Vomiting in Cats」(飼い主版・Last updated Sept 2024) (Managing Hairballs in Cats の段・確認日 2026-10-24) https://www.msdvetmanual.com/cat-owners/digestive-disorders-of-cats/vomiting-in-cats
- Cornell Feline Health Center「The Danger of Hairballs」(更新日の表示なし) (確認日 2026-10-24) https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/danger-hairballs
- Cornell Feline Health Center「Vomiting」(Last updated 2021) (確認日 2026-10-24) https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/vomiting
- コトバンク「毛球」(世界大百科事典(旧版)「ネコ」の項・呼び名) (確認日 2026-10-24) https://kotobank.jp/word/毛球-1309884
この記事について
内容確認日: 2026-10-24。一般的な参考情報で、獣医療行為の代わりではありません。
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よむこの記事を書いた人
うちのこ家系図 編集部
編集部の運営者は、実家がブリーダー(犬猫の繁殖)で、出産などの手伝いもしていました。元ペットショップ店長で、2026年9月時点で犬を3頭飼っています。
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