犬種と健康 更新
シーズーの性格と特徴|長い被毛のお手入れと暮らし方
うちのこ家系図 編集部・更新 ・内容確認日 2026-09-05

目次
鼻の上から放射状に生えた毛が、まるで菊の花のように見える——シーズーの顔立ちを表すのに、こんな言い方をされることがあります。丸くて穏やかな顔立ちの裏には、かつて中国の皇宮で暮らしていたとされる、意外にも由緒ある歴史があります。
先に結論をまとめます。
- シーズーはチベットにルーツを持ち、中国の宮廷で発展したとされる犬種
- 性格は「理解力があり、活動的で、敏活である。友好的で、自立心がある。」とされるが、個体差は大きい
- 被毛は伸び続けるタイプで、フルコートかカットかを暮らしに合わせて選ぶ犬種
以下では、成り立ち、性格の傾向、そして伸び続ける被毛との付き合い方の3つを扱います。よりどころにしたのは、JKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種紹介と、FCI(国際畜犬連盟)犬種標準No.208の英語原文です。病気の詳細はシーズーの遺伝病|目・皮膚・腎臓と家系での備えが担当します。
シーズーはどんな犬か

要点: シーズーは原産国「チベット(中国)」、用途は「コンパニオン・ドッグ」とされる犬種です。体高は27cmを超えてはならず、体重は4.5kg〜8kg(理想体重4.5kg〜7.5kg)と定められています。
JKCの犬種紹介によると、シーズーの原産国は「チベット(中国)」とされ、用途は「コンパニオン・ドッグ」と説明されています。体高は「27cmを超えてはならない」とされ、体重は「4.5kg〜8kgである。理想体重は4.5kg〜7.5kg」と定められています(確認日 2026-09-02)。
原典であるFCIの犬種標準(No.208・09.10.2017版)でも数値は同じで、"Height at the withers: Not more than 27 cm" "Weight: 4.5 to 8 kg. Ideal weight 4.5 - 7.5 kg" とあります。興味深いのは、体高の直後に添えられた一文です。"Type and breed characteristics of the utmost importance and on no account to be sacrificed to size alone."(犬種のタイプと特徴が最も重要であり、サイズだけのためにそれらを犠牲にしてはならない)——サイズの数字よりも犬種らしさを優先せよ、と標準自身が釘を刺しています(確認日 2026-09-05)。また原標準では原産国のほかに「育成国(PATRONAGE)」としてイギリスが挙げられています。
毛色については「あらゆる毛色が許容される」とされており、犬種標準として色の制限が設けられていない珍しい犬種のひとつです(確認日 2026-09-02)。
歴史|チベット・中国の宮廷犬から

要点: シーズーはチベットにルーツを持ち、中国の皇宮で発展したとされる犬種です。ラサ・アプソとは異なる犬種として1930年代に認識されるようになりました。
JKCの解説によると、「ラサ・アプソとシー・ズーを混同してしまう人々がいるが、この二つの犬種間には数々の顕著な違いがある」とされ、「この犬種のルーツはチベットであるが、発達したのは、このような犬が皇宮に住んでいた中国である」と説明されています。中国は1912年に共和国となり、これらの犬種は西洋に向かいましたが、「イギリスへの最初の輸入記録は1931年までなかった」といいます。「1934年に他の東洋犬種とは別の犬種として認識され、1940年には英国KCで別犬種として登録されるようになり、1949年からはチャレンジ・サーティフィケイト(CC)を付与することも認められた」とされています(確認日 2026-09-02)。
この年表は、FCI原標準の沿革欄をそのまま訳したものです。原文は "China became a republic in 1912 after which examples of the breed found their way to the West, though the first recorded importation to Britain was not until 1931. It was recognised as a breed separate from other Oriental breeds in 1934 and granted a separate register by the Kennel Club in 1940, with challenge certificates on offer from 1949." です(確認日 2026-09-05)。ここでいう Kennel Club は英国のケネルクラブを指し、この犬種の育成国として原標準に記されている国と一致します。
JKCの解説はこの犬種の魅力について、「シー・ズーの最大の魅力は鼻梁から上向きに生えている毛によって菊の花のように見える頭部である」とも述べています(確認日 2026-09-02)。原標準も一般外貌の欄で "chrysanthemum-like' face"(菊のような顔)という表現を使っており、この言い回しは犬種標準の用語そのものです(確認日 2026-09-05)。宮廷という限られた世界で愛されてきた犬種が、20世紀に入って西洋に渡り、独立した犬種として世界中に広まっていった——それが、シーズーのたどってきた道のりのようです。
性格の傾向と個体差

要点: JKCの犬種紹介では「理解力があり、活動的で、敏活である。友好的で、自立心がある。」とされていますが、これは犬種全体の傾向であり断定ではありません。
「シーズーはどんな性格ですか?穏やかと聞きますが、頑固な面もあると聞いて気になっています」——評判が分かれて聞こえるぶん、迷いやすい点です。
JKCの犬種紹介では、シーズーの性格について「理解力があり、活動的で、敏活である。友好的で、自立心がある。」と説明されています(確認日 2026-09-02)。原標準の該当欄は "Intelligent, active and alert. Friendly and independent." で、日本語版の「自立心がある」は "independent" にあたります(確認日 2026-09-05)。「穏やか」という評判をよく耳にするこの犬種ですが、犬種標準に並ぶ語は「知的」「活動的」「機敏」「友好的」「独立した」であり、「穏やか」にあたる語は入っていません。これが「頑固」という印象につながっている可能性があります。理解力が高い一方で、自分の意思をしっかり持つ一面もある、というのがこの犬種の性格の実態に近いのかもしれません。
友好的で人懐こい面と、マイペースで自立した面をあわせ持つのが、この犬種の魅力のひとつともいえます。同じ両親から生まれた兄弟でも、人懐こさや自己主張の強さには差が出ることがあり、犬種の傾向はあくまで参考として受け止めるのが現実的です。
被毛とお手入れ|伸び続ける毛との付き合い方

要点: シーズーの被毛は豊富で伸び続けるタイプです。犬種標準は「毛が視界を妨げないこと」を求め、頭の毛を結い上げることを強く推奨しています。
「シーズーの毛は伸び続けるのでしょうか。カットはどのくらいの頻度で必要ですか」——お手入れの手間は、迎える前に確かめておきたい点です。
JKCの犬種紹介では、シーズーは「被毛の豊富な犬」と表現されています(確認日 2026-09-02)。原標準の COAT 欄はもう少し具体的で、"Outer coat long, dense, not curly, with moderate undercoat, not woolly. Slight wave permitted."(上毛は長く密でカールせず、中程度のアンダーコートを伴う。ウールのようではない。ゆるいウェーブは許容)と定義しています(確認日 2026-09-05)。アンダーコートを持たないマルチーズとは、ここが違います。
そして、この犬種の被毛には犬種標準が定めた「機能上の条件」が2つ付いています。"Hair not affecting the dog's ability to see. Length of coat should not restrict movement."(毛が犬の視界を妨げないこと。被毛の長さが動きを制限しないこと)というものです。さらに "It is strongly recommended that the hair on head is tied up without adornment."(頭の毛は飾りをつけずに結い上げることが強く推奨される)とも書かれています(確認日 2026-09-05)。頭頂部の毛をゴムでまとめたあのスタイルは、見た目の演出である以前に、犬種標準が推奨する手入れだということです。
この犬種の被毛は伸び続けるタイプで、放置すると毛玉になりやすいため、次のようなお手入れが暮らしの前提になります。
- 日々のブラッシング: もつれを防ぐため、できれば毎日
- 定期的なトリミング: フルコートを維持しない場合、1ヶ月〜1ヶ月半に1度程度が目安とされることが多い
- 目まわりのケア: 毛が目にかかりやすいため、こまめなカットや結び上げが必要になることがある(犬種標準も視界を妨げないことを求めています)
- 顔まわりの拭き取り: 食事のたびに口まわりが汚れやすいため、こまめな拭き取りが役立つとされている
床に届くようなフルコートを維持するショードッグのスタイルもあれば、家庭で暮らしやすいよう短くカットするスタイルも一般的です。どちらを選ぶかは、飼い主の生活スタイルとその子の被毛の状態次第です。
体つきと暮らしの配慮

要点: シーズーは鼻がやや短めの顔立ちを持つ犬種のため、暑さや湿度への一般的な配慮が暮らしの基本になります。
JKCの犬種標準にあるとおり、シーズーは鼻梁の毛が特徴的な、鼻先がやや短めの顔立ちを持つ犬種です。こうした顔立ちを持つ犬種では、暑い季節や湿度の高い日の激しい運動を避け、涼しい環境で過ごせるよう配慮するとよいといわれています。
この点については、この犬種を名指しで扱ったデータがあります。英国の一次診療データベース(VetCompass)を用いた研究(Hall et al., 2020, Scientific Reports)は、2016年に動物病院にかかった犬905,543頭を対象として熱関連疾患(HRI)の確認発生395件を洗い出し、犬種ごとにリスクを比べました。この研究でシーズーは短頭種に分類されていますが、分析対象となった犬種のうちHRIのオッズが最も低い側の3犬種(ラサ・アプソ、シーズー、チワワ)に入っていました。論文はその理由として、これらがいずれも体重10kg未満の小型犬であり、体が小さいほど体積に対する表面積の比が大きく放熱が速いことを挙げています(確認日 2026-09-05)。
つまり「短頭種だから一律に危ない」わけでも、「小さいから安心」でもありません。同じ研究では、体重が重いほどHRIのオッズが高いという関係も同時に示されています。暑い日に無理をさせないという基本は変わらないということです。具体的な病名や症状の詳しい話は、シーズーの遺伝病|目・皮膚・腎臓と家系での備えで扱っています。鼻先の短い犬種がひとまとめに「短頭種」と呼ばれる理由は短頭種気道症候群とはで説明しています。
体重は犬種標準として4.5kg〜8kg(理想体重4.5kg〜7.5kg)と幅を持って定められていますが、実際の体格には個体差があります。この犬種の月齢別の詳しい体重推移・成長曲線についてはシーズーの体重推移と成長曲線|月齢別の目安と記録のしかたで詳しく解説していますので、日々の記録とあわせてご覧ください。
暮らし方の基本
要点: 友好的で自立心もある性格のため、無理のない範囲での運動と、被毛の状態に合わせたケアが暮らしの基本になります。
シーズーは友好的で人懐こい一方、自立心もある性格とされ、過度に構いすぎなくても落ち着いて過ごせる子が多いといわれています。運動量はそれほど多くを必要としない犬種とされますが、室内での遊びや短い散歩は日々の刺激として役立ちます。
長い被毛を持つ犬種のため、暑い季節は蒸れによる皮膚トラブルにも気を配りたいところです。目のまわりの毛が視界を妨げないよう、こまめなカットや結び上げを習慣にしている飼い主も多いようです。犬種標準が「毛が視界を妨げないこと」を求めているのは、ショーの場だけの話ではなく、日々の暮らしにも通じる基準といえます。
健康面で知っておきたいこと
要点: シーズーで報告が多いとされる病気については、専門記事で詳しく解説しています。
シーズーには、目の病気や皮膚のトラブル、腎異形成など、報告があるとされる病気がいくつかあります。それぞれの詳しい内容、両親犬・兄弟犬の情報を家系図に残して備える方法はシーズーの遺伝病|目・皮膚・腎臓と家系での備えで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
気になる症状がある場合は、自己判断せず獣医師にご相談ください。
シーズー系ミックスについて
要点: シーズーを片方の親に持つミックス犬に「マルシーズー」「シープー」「チワズー」があります。
シーズーとマルチーズのミックスである「マルシーズー」は、両親ともに体高・体重の両方が数値規定されているという、めずらしい組み合わせです。両親系統から見た性格・被毛・健康の考え方は、マルシーズーの性格と特徴|サイズ・被毛と気をつけたい病気で詳しく紹介しています。
シーズーとトイプードルのミックスである「シープー」、シーズーとチワワのミックスである「チワズー」も、それぞれ両親系統から見た性格・被毛・健康の考え方をシープーの性格と特徴|サイズ・被毛と気をつけたい病気、チワズーの性格と特徴|サイズ・被毛と気をつけたい病気で詳しく紹介しています。
よくある質問
Q. シーズーは本当に穏やかな性格ですか?
JKCの犬種紹介では「理解力があり、活動的で、敏活である。友好的で、自立心がある。」とされています。FCIの原標準にも「穏やか」にあたる語はありません。「穏やか」という評判を目にすることもありますが、これは犬種全体の傾向であり、実際には活発な面や自分の意思をしっかり持つ面もあわせ持つと考えられます。
Q. 頭の毛を結ぶのは、見た目のためだけですか?
いいえ。FCIの犬種標準に「頭の毛は飾りをつけずに結い上げることが強く推奨される」と書かれており、あわせて毛が視界を妨げないことも求められています(確認日 2026-09-05)。見た目の演出というより、毛が目にかかることを避けるための手入れとして推奨されているものです。
Q. シーズーのカットはどのくらいの頻度で必要ですか?
フルコートを維持しない場合、1ヶ月〜1ヶ月半に1度程度のトリミングが目安とされることが多いようです。毛質や伸びるスピードには個体差があるため、トリマーさんと相談しながら頻度を決めるとよいでしょう。
Q. シーズーの体重の目安はどのくらいですか?
JKCの犬種標準では、体重は4.5kg〜8kg、理想体重は4.5kg〜7.5kgとされています。ただし個体差があり、月齢ごとの詳しい体重推移・成長曲線はシーズーの体重推移と成長曲線|月齢別の目安と記録のしかたで解説しています。
まとめ|シーズーを知ることは、宮廷犬というルーツを知ること
- シーズーはチベットにルーツを持ち、中国の皇宮で発展したとされる犬種。育成国は原標準ではイギリス
- 性格は「理解力があり友好的で自立心もある」という犬種の傾向はあるが、個体差は大きい
- 被毛は中程度のアンダーコートを伴う長い上毛。犬種標準は「毛が視界を妨げないこと」を求め、頭の毛の結い上げを強く推奨している
- 病気の詳しい話はB-16へ、体重推移の詳しい話はB-30へ
菊の花のような顔立ちの奥にある、宮廷で愛されてきたというルーツを知ると、目の前のその子の表情がまた違って見えてくるかもしれません。うちの子の記録を、家系図という形でも残してみませんか。
本記事は参考情報です。犬種の傾向は個体差があり、すべての子に当てはまるものではありません。健康に関する記述は診断・治療を目的とするものではなく、気になる症状は獣医師にご相談ください。 JKC公式サイトの記述は2026年9月2日、FCI犬種標準No.208と引用した研究論文は2026年9月5日に確認したものです。
体重は、写真と一緒に 1 回で記録

画面はイメージです(架空の子の見本)。
出典・参考
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ「シー・ズー」 (確認日 2026-09-02) https://www.jkc.or.jp/breeds/shih-tzu/
- FCI(国際畜犬連盟)FCI-Standard No.208「SHIH TZU」09.10.2017版・英語 (確認日 2026-09-05) https://www.fci.be/Nomenclature/Standards/208g09-en.pdf
- Hall EJ, Carter AJ, O'Neill DG. "Incidence and risk factors for heat-related illness (heatstroke) in UK dogs under primary veterinary care in 2016." Scientific Reports, 2020, 10, 9128. (確認日 2026-09-05) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7303136/
この記事について
内容確認日: 2026-09-05(最後に出典を確かめ直した日。章ごとの確認日は本文と出典の欄のとおりです)
本記事は一般的な参考情報であり、獣医療行為やその代替ではありません。うちの子の体調で気になることがあるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
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